広島県東広島市における⾃動運転・隊列⾛⾏BRTの実証実験に注目だ。この実証では、「国内初」の取り組みが2つ行われる。大型バスよりも大きな「連節バス」が公道で自動運転を行うことと、2台の自動運転バスが隊列走行することだ。
この取り組みは新たな公共交通体系の構築に向け、東広島市と国⼟交通省において、道路インフラから⾃動運転⾞両への情報提供に関する検証や⾃動運転・隊列⾛⾏BRT導⼊における課題などの把握を⾏うために実施するという。
なお連節バスとは2つの車体を幌(ほろ)でつないだバスのことだ。1回の運行で通常の2倍近くの乗客を運べることがメリットだ。また、BRTは「Bus Rapid Transit」の略で、バス高速輸送システムのことを指す。
■国内初の連節バスや隊列バスでの自動運転実証
実証では、JR西条駅近くの中央公園前バス停を起点とした1周約12キロのルートを走行する。そのうちの約4分の3の距離で単車自動走行を行うほか、1.5キロを隊列自動走行する。走行ルート上には、3カ所の「手動⇔自動」「単車⇔隊列」の切替地点が設定されている。
実証期間は2024年1月10日〜2月4日のうちの12日間で、一般向けに試乗会を行う。自動運転連節バスの乗車や自動運転連節バスと自動運転大型バスの隊列走行を体験することができる。
自動運転の連節バスは、国内ではこの実証で用いられる1台しかないという。大学会館前バス停付近では、自動運転連節バス車両の外観を見学したり撮影したりする時間も設けられている。また、自動運転バス車内にて、自動運転の仕組みやBRTによるまちづくりなどの解説が行われるようだ。
1日4便運行しており、LINE公式アカウントでの事前予約制だ。運賃は無料となっている。
■これまでの東広島市の取り組み
東広島市では、自動運転・隊列走行BRTの実証実験を2023年11月から行っている。同年12月までは準備走行と技術検証走行を実施し、このたび試乗体験有りの実証走行に至ったという流れになる。
先頭車、後続車ともにテストドライバーが乗車する。自動運転車両には、LiDARや各種カメラ、GNSSアンテナなどが設置されており、自動運転レベル2で走行する。先頭車、後続車共にテストドライバーが乗車する。将来的には、レベル4の認可取得を目指しているという。
同市でのこの取り組みには、JR西日本や中国ジェイアールバス、ソフトバンク、先進モビリティ、広島大学などが参画している。
■隊列での自動運転を体験できる機会
今回の実証において、18メートルの連節バスと12メートルの大型バスが隊列で走行する際は、15メートルの車間距離を含めて45メートルもの長編成になるという。試乗会は、自動運転車がダイナミックに走行するのを体験できる貴重な機会になるだろう。
また、レベル4実用化に向けての東広島市の今後の進捗にも注目したい。
【参考】関連記事としては「自動運転の「連節バス」、公道デビューへ!ソフトバンクが実験実施」も参照。