【2018年6月分】自動運転・ライドシェア・AIの最新ニュースまとめ

GM系クルーズの上場計画が大きな話題に



1カ月でさまざまな動きを見せる自動運転やライドシェア業界。2018年6月はソフトバンクが出資するGMクルーズの上場計画に関するニュースが大きく報じられ、タクシーが8台しかない鹿児島・与論島でモビリティベンチャー企業が協力してライドシェアサービスの実証実験が行われる計画に関するニュースも注目を集めた。自動運転ラボが報じた最新のニュースの中から特徴的なものをピックアップし、まとめて掲載する。


■日中、自動運転開発で連携強化 トヨタなども中国重視姿勢(2018年6月1日付)

世耕経済産業大臣がミャオ・シュー中国工業信息化部部長と会談し、自動運転分野で両国が連携していくことに合意。自動運転の分野で公道での実証実験のルールや通信インフラをめぐる国際的な基準づくりなどについて連携していくことなどを確認した。

民間では、トヨタが2018年に中国での販売を拡大する計画を示しているほか、日産自動車と中国の合弁会社も生産能力増強や電気自動車(EV)などの開発に5年間で約1兆円投資することを発表しており、中国市場を重視する姿勢はいっそう強くなっている。

■世界初、ライドシェアにブロックチェーン技術活用か 中国起業家(2018年6月1日付)

中国ライドシェア大手の滴滴出行(DiDiチューシン)と2016年に合併した「快的打車」。その創始者の陳偉星氏が2018年5月28日、ブロックチェーンを活用したライドシェアアプリの開発計画について言及した。

ブロックチェーン技術を活用すれば、独自のデジタルトークン(仮想通貨)を発行することで新たな経済圏を構築することも可能となるため、中国国内で大きな話題を呼んでいる。

■日本の自動運転求人、最高年収2100万円 シリコンバレーは4000万円(2018年6月2日付)

転職サービス企業の株式会社ビズリーチが発表したIT関連求人の動向調査によると、自動運転に関する求人数が5806件で前年比2倍に増加し、最高年収は2100万円に達していることが分かった。

シリコンバレー並みの年収とはいかないものの、日本国内でも自動運転エンジニアの給与水準が高まっており、今後ニーズの需要でその流れは加速しそうだ。

■ウーバー、犯罪歴ドライバー数千人の登録抹消 ライドシェア(2018年6月5日付)

ライドシェアサービス世界大手の米ウーバー・テクノロジーズが、犯罪歴が判明した登録ドライバー数千人のアカウントを削除したことが米CNNの取材で明らかになった。

ライドシェアをめぐっては、2018年5月にも中国の最大手企業である滴滴出行(DiDiチューシン)のサービスを利用した女性が男性ドライバーに殺害される事件が発生しており、安全確保に向けた対策が喫緊の課題となっている。

■タイヤにもAI搭載!? 凸凹が自動変形 自動運転向けに米グッドイヤー(2018年6月16日付)

米大手タイヤメーカーのグッドイヤー(Goodyear)が手掛ける新規性あふれる自動運転向けコンセプトタイヤを紹介している。AI(人工知能)やIoT技術を搭載しており、センサが感知した路面や天候、気象の状況などのデータを基にAIがタイヤ表面の凹凸を自動的に形成させ、走行がより安全になるという。

■愛知が和製カリフォルニアに!? 自動運転実証で知事、5G実験に意欲(2018年6月17日付)

愛知県の大村秀章知事は6月13日の臨時知事会見において、愛知県の自動運転に関する施策について発表した。さまざまな自動運転開発企業が実証実験を進める米カリフォルニアを意識し、県内の3都市でハイレベルな実証実験を進め先進地を目指す構えだ。

■常識覆す…自動運転の目”LiDAR”に不要論 格安AIカメラの仕掛け人(2018年6月18日付)

AIソリューションを手がけるRevatron(レバトロン)株式会社(本社:東京都中央区/代表取締役:浅田麻衣子)が、高価なLiDAR(ライダー)を安価なAI技術に置き換える車載ソリューションを発表した。カメラのみで物体の距離や動きを学習できる世界初のスマートカメラで、自動運転のコアセンサーとして必須と言われるライダーに置き換わる性能を持つのか、大きな関心を集めている。

■自動運転部門でソフトバンク巨額利益か 出資先GMクルーズ上場も(2018年6月19日付)

米ゼネラル・モーターズ(GM)が自動運転車開発部門クルーズオートメーションの上場を検討していることがわかった。クルーズをめぐっては2018年5月にソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)が22億5000万ドル(約2400億円)を出資する計画を明らかにしており、上場が実現すればSVFにも大きな投資収益がもたらされそうだ。

■トヨタの秘策….自動運転技術で「移動型」の無人コンビニ実現へ(2018年6月22日付)

トヨタ自動車が、自動運転車両を用いた新たなサービスをヤマトホールディングス株式会社や株式会社セブン‐イレブン・ジャパンと共同開発するための協議を開始した模様だ。移動型の無人コンビニエンスストアを2019年秋にも運用開始する構想が浮上しているほか、米カフェ大手のスターバックスと移動カフェを実現する計画も立てているという。

■素案判明…安倍政権の自動運転構想、重要19項目の全貌(2018年6月22日付)

安倍政権の肝いりで推進されている「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」(第2期11課題)の研究開発計画案の素案が判明した。自動運転の分野は、目標や研究内容、実施体制など全21ページにわたる計画案が示されている。

■タクシー8台の与論島でライドシェア実験 モビリティベンチャーが協力(2018年6月26日付)

タクシーが8台しかないとされる鹿児島県の与論島で、モビリティベンチャー企業の株式会社Azitが、島を訪れる観光客を対象としたライドシェアサービスの実証実験を島内で2018年8月に行うことを発表した。

島民の自家用車を活用してライドシェアサービスを展開する仕組みで、早ければ2018年9月にも本格的な運用を始める見通しという。

■EUのエアタクシー、アウディ参画で試験へ 日本のCartivatorは東京五輪でデモ!?(2018年6月27日付)

ドイツ大手自動車メーカーのアウディがエアタクシーの試験運用に向けたプロジェクト「アーバン・エアモビリティ・プロジェクト」の同意書に調印。「3次元モビリティ」という空飛ぶクルマの実現を目指す夢の事業が産声を上げた。

日本国内でも、自動車業界などの若手を中心とした業務外有志団体「Cartivator(カーティベーター)」が空飛ぶクルマ「SkyDrive」の技術開発と事業開発に取り組んでおり、今後急成長を遂げる新分野として高い期待が寄せられる。

■自動運転社会の実現に向けて実験的な取り組みも

企業もエンジニアも自治体も、いまは自動運転車の開発や実用化に向けて、さまざまな取り組みを実験的に進めている段階とも言える。自動運転社会の実現が現実味を帯び始める中、日本を含む世界の話題に今後も注目していきたい。


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