EUのエアタクシー、アウディ参画で試験へ 日本のCartivatorは東京五輪でデモ!?

3次元モビリティの開発着々と


アーバン・エアモビリティ・プロジェクト調印式の様子=出典:アウディプレスセンター

ドイツ大手自動車メーカーのアウディは2018年6月27日までに、ベルリン連邦首相府において「エアタクシー」の試験運用に向けたモデルケースを構築するプロジェクト「アーバン・エアモビリティ・プロジェクト」の同意書に調印した。「3次元モビリティ」という空飛ぶクルマの実現を目指す夢の事業が産声を上げた。

調印式には、ドイツ連邦の運輸大臣、デジタル化担当大臣、航空宇宙機器開発製造会社の仏エアバス、インゴルシュタット市長らが出席。政治や産業分野のパートナー企業とともに、インゴルシュタット地域においてエアタクシーの試験運用を開始する。







■空知ぶクルマは夢物語なのか?

「空飛ぶクルマ」と聞くと夢物語のように思えるが、世界各国で開発が進められている現実味のある新産業分野だ。

2018年3月に開催されたジュネーブモーターショーでは、アウディとエアバス、アウディ傘下のイタルデザインが、水平移動(自動車)と垂直移動(パッセンジャードローン)を組み合わせたEV(電気自動車)自動運転コンセプトカー「Pop.Up Next(ポップ・アップ・ネクスト)」を発表している。

エアバスとイタルデザインが立ち上げたドローンEVプロジェクト「Pop.Up」にアウディが加わって進化させたもので、道路と空中の両方を移動することが可能な2人乗りの完全自動運転コンセプトカーだ。

ジュネーブモーターショーで公開された「Pop.Up Next」=出典:アウディプレスセンター
■日本では「Cartivator」が2019年春に有人試験!?

日本国内では、自動車や航空業界、スタートアップ関係の若手を中心とした業務外有志団体「Cartivator(カーティベーター)」が空飛ぶクルマ「SkyDrive」の技術開発と事業開発に取り組んでいる。トヨタグループやNEC、パナソニックなど支援企業も増加中だ。

2018年秋に無人の飛行試験、2019年春に有人の飛行試験を予定しており、2025年に一般販売を開始する目標を掲げている。2020年の東京オリンピック開会式で聖火点灯デモに参加するという独自目標も立てている。

Cartivatorが発表した空飛ぶクルマの新デザイン=出典:Cartivatorニュースリリース

【参考】Cartivatorは2012年に発足。代表の中村翼氏は慶應義塾大学卒業で、トヨタ自動車で自動車エンジニアとして活躍。2017年5月にはトヨタグループの15社から計4250万円の支援を受けることが決まり、2018年3月にはNECもスポンサーの一員になった。Cartivatorの公式サイトは「こちら」。

また、米メディアが報じたところによると、トヨタが空飛ぶクルマの実現に向けた特許を出願したという。エアロカー用の積み重ね可能な翼に関するデザインの特許で、路上走行時は4枚の羽根がルーフ上に重なって収納されているが、飛行時には1枚ずつ展開して羽根を広げる構造・デザインという。

■ドバイ警察が「空飛ぶ白バイ」導入へ

クルマではないが、中東のドバイ警察が空飛ぶ白バイとなる新型ホバーバイク「スコーピオン」を導入する予定だ。ロシアのドローンメーカーのホバーサーフ社が開発した電動クアッドコプターで、1回の充電で高度5メートルを最高時速70キロメートルで25分間飛行することができる。人を乗せることも自律飛行も可能で、渋滞が著しい都市中心部で活用する予定という。

■空飛ぶクルマ実現で渋滞とサヨナラ!

空飛ぶクルマ・エアタクシーが実現すれば、過密化が進む都市部において渋滞を回避することができ、特に緊急車両などに導入されれば効果は絶大だ。また、陸路の移動と合わせて道路が整備されていない場所への移動も可能になる。道路から超高層ビルの屋上までタクシーで移動するといったことも可能になるかもしれない。導入当初は観光の大きな目玉にもなるだろう。

空中を飛び回ることを考えれば、人工知能(AI)やLiDARなどのより高性能なセンサー類も必要になると思われ、自動運転開発の技術も大いに役立ちそうだ。航空法上の取り扱いなど諸課題は山積していそうだが、クルマが空を飛ぶ時代はすぐそこまで来ている。







関連記事