タクシー8台の与論島でライドシェア実験 モビリティベンチャーが協力

Azit社と観光協会がタッグ


タクシーが8台しかないとされる鹿児島県の与論島で、モビリティベンチャー企業の株式会社Azit(本社:東京都港区/代表取締役社長:吉兼周優)が、島を訪れる観光客を対象としたライドシェアサービスの実証実験を島内で2018年8月に行うことを発表した。







Azit(アジット)社はヨロン島観光協会と協力して事業を進める。島民の自家用車を活用してライドシェアサービスを展開する仕組みで、早ければ2018年9月にも本格的な運用を始める見通しだという。

与論島においては、観光のピークシーズンに観光客の移動手段を十分に提供できないという課題があった。Azit社はドライブマッチングアプリ「CREW(クルー)」の運営を手掛けており、この課題を解決するために両者が手を組んだ形となる。

■人口5000人の島に年間7万3000人の観光客

与論島は人口5000人ほどの小さな島で、農業と観光業がこの島の基幹産業となっている。与論島を訪れる観光客数は増加傾向にあり、2017年の実績は約7万3000人。実に島の人口の14倍以上の観光客数となっている。しかし与論島に存在する交通機関と言えば、バスが1路線とタクシーが8台だけだ。

実証実験ではまず10人前後の島民が運転手としてドライブマッチングアプリ「CREW」に登録し、観光客に移動の足を提供するという。観光客などの利用者はガソリン代と少額のシステム使用料金を支払う。

政府は2018年3月、営業免許を持たない自家用車で人を運ぶことについて「謝礼の趣旨で金銭などが支払われた場合、有償とはみなさない」という判断を示している。ガソリン代などの諸経費を受け取ることも適法という判断が示されており、このような仕組みを導入できることになった。

■他の地域へも展開を模索するアジット社とは?

Azit社は2018年8月の実証実験の目的は顧客満足度や適切な車の台数を見極めることで、9月の本格的なサービス開始につなげ、与論島での展開を足がかりに他の地域でのライドシェアサービス展開も視野に入れているという。

こうしたライドシェア事業を手掛けるAzit社とは、どんな会社なのだろうか?

株式会社Azitは2013年11月に設立し、本社を東京都港区に構える。社長の吉兼周優氏が慶應義塾大学在学中に作ったチームがきっかけとなって創業し、写真アプリなどの開発を手掛けた。その後、ドライブマッチングアプリ「CREW」が2015年10月にローンチされ、「移動における『格差』をなくすことで誰もが自然体でいられる日常を取り戻す」をミッションに掲げて事業を展開している。

資本金は、公開されている情報によると約1億2290万円で、株式会社ベネッセホールディングスの福武英明取締役や株式会社メルカリの山田進太朗会長や小泉文明社長、株式会社フリークアウト・ホールディングスの佐藤裕介社長、株式会社イグニスなどが主要株主で、そのほか著名なエンジェル投資家も多数出資しているという。

公式サイトによると、同社はサンプリング・プラットフォーム「Tribu(トリブ)」というサービスも提供しており、感度の高いアーリーアダプター層に向けた今までにないプロモーションスキームだとされている。

【参考】Azit社やドライブマッチングアプリ「CREW」については「公式ウェブサイト」を参照。






関連記事