自動運転やMaaSやCASE関連のおすすめ解説本10選

業界予測なども含めた多彩なテーマ出揃う





最新の情報が次々と飛び交う自動運転分野。最先端の技術がどんどん上書きされ、ネット上では誤った情報も含めさまざまな情報が生み出されては消化されていく。情報の更新頻度が非常に高いのだ。







そんな時代だからこそ、たまには書籍などの紙媒体とじっくりと向き合い、腰を据えて知識を吸収したいものだ。

そこで今回は、自動運転に関連するおすすめ書籍を取り上げてみる。情報の更新速度は当然書籍の分野にも及ぶため、2018年以降に発刊されたものを対象に10冊をピックアップした。

(※見出しは「タイトル名/著者/出版社/出版年月/価格」の順に掲載しております。書籍の紹介は出版日順です)

記事の目次

■スマートモビリティ革命 未来型AI公共交通サービスSAVS/中島秀之氏ほか/公立はこだて未来大学出版会/2019年2月/2700円

世界の公共交通政策やスマートモビリティ革命について概説するとともに、著者らが設立したAIベンチャー「未来シェア」が推進している「未来型AI公共交通サービスSAVS(Smart Access Vehicle Service)」などの取り組みについて紹介している。

編著者は、札幌市立大学学長で株式会社未来シェア取締役会長も務める中島秀之氏、公立はこだて未来大学副理事長・教授で株式会社未来シェア代表取締役社長の松原仁氏、公立はこだて未来大学社会連携センター長・教授の田柳恵美子氏の3人。

目次は次の通り。
序章 スマートモビリティ革命へ
1章 世界の公共交通政策とスマートモビリティ革命
2章 未来型AI公共交通サービスSAVS
3章 スマートモビリティを実現する未来技術
4章 都市型デマンド交通とマルチエージェント社会シミュレーション
5章 未来のモビリティデザインと需要分析・予測・設計手法
6章 SAVS実証実験の全国展開と未来型AI公共交通への課題
7章 SAVS実証実験の舞台裏―マルチデマンド配車計算の実装
テクニカルノート 自動運転で走るSAVSの世界
8章 地域公共交通の現実とモビリティ革命への障壁
終章 SAVSで未来社会を創る

【参考】スマートモビリティ革命については「「未来型AI公共交通サービスSAVS」とは?はこだて未来大が単行本発刊」も参照。

■Autoware:自動運転ソフトウェア入門/安積卓也氏ほか/リックテレコム/2019年2月/3240円

2015年からオープンソースとして公開している自動運転ソフトウェア「Autoware(オートウェア)」の機能や使い方が詳しく解説されており、自動運転車両がなくてもパソコン上でシミュレートし、Autowareを仮想体験できる、エンジニアにおすすめの内容となっている。

監修はティアフォー創業者で会長兼CTO(最高技術責任者)の加藤真平氏のほか、藤居祐輔氏、大里章人氏。著者は、安積卓也氏、福富大輔氏、徳永翔太氏、橘川雄樹氏、清谷竣也氏。

目次は次の通り。
1 はじめに
2 AUTOWAREの概要
3 環境構築
4 ROS
5 AUTOWAREの立ち上げ
6 自己位置推定
7 環境認識
8 経路生成と経路計画
9 経路追従
10 事例紹介

【参考】Autoware:自動運転ソフトウェア入門については「【10名様にプレゼント】「Autoware:自動運転ソフトウェア入門」が発刊!」も参照。※プレゼントは締切済み

■自律走行ロボットの制御技術 モータ制御からSLAM技術まで/正木良三氏/科学情報出版/2018年12月/4536円

自律走行ロボットの制御技術に関して細かく解説されている。

誘導方式による分類や駆動方式による分類、用途による分類と走行ロボットの実例などをはじめ、状態フィードバック制御や多重フィードバック制御などの制御理論の概説、レーザースキャナだけを用いた地図生成などのほか、位置同定方法といったSLAM技術の概要や自律走行ロボットシステム構築の考え方などについても触れられている。

著者の正木良三氏は茨城大学非常勤講師で、日立製作所で主任研究員を務めていた経歴を持つ。

目次は次の通り。
1 はじめに
2 走行ロボットの分類
3 DCモータ及びそのモータ制御
4 制御理論の概説
5 走行ロボット制御技術の基本
6 SLAM技術の概要
7 SLAM技術を用いた自律走行ロボット制御システムの構築
8 まとめ

■CASE革命 2030年の自動車産業/中西孝樹氏/日本経済新聞出版社/2018年11月/1836円

Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(カーシェアリングとサービス)、Electric(電気自動車)の頭文字をとったCASE(ケース)をテーマとして取り上げ、現在から将来にわたる自動車業界の変革について解説している。

著者は、株式会社ナカニシ自動車産業リサーチ代表アナリストの中西孝樹氏だ。

目次は次の通り。
序章 自動車産業を襲う「CASE革命」
1章 「CASE革命」とは
2章 破壊者
3章 クルマの価値とモビリティ構造の変化
4章 コネクティッド
5章 自動運転
6章 シェアリング&サービス
7章 電動化
8章 「CASE革命」を支える「ものづくり革新」
9章 2030年のモビリティ産業の覇者

■MaaS モビリティ革命の先にある全産業のゲームチェンジ/日高洋祐氏ほか/日経BP社/2018年11月/2160円

MaaS(Mobility as a Service)に関する概要説明から、自動車産業や他産業がMaaSによりどのように変わるのかといったビジネスの視点までを網羅しており、産業別のMaaS戦略などについても紹介している。

著者は、株式会社MaaS Tech Japan代表兼CEOの日高洋祐氏、計量計画研究所理事兼研究本部企画戦略部長の牧村和彦氏、日本総合研究所創発戦略センターシニアマネジャーの井上岳一氏、自動車新聞社代表取締役兼LIGARE編集長の井上佳三氏の4人。

目次は次の通り。
序章 MaaSは危機か、それとも輝ける未来か
1 モビリティ革命「MaaS」の正体
2 なぜMaaSのコンセプトは生まれたのか
3 日本におけるMaaSのインパクト
4 「新モビリティ経済圏」を制すのは誰か?
5 プラットフォーム戦略としてのMaaS
6 テクノロジー戦略としてのMaaS
7 MaaSで実現する近未来のスマートシティ
8 産業別MaaS攻略のアクションプラン
終章 「日本版MaaS」に向けて

■ディープラーニング活用の教科書/日経クロストレンド/日経BP社/2018年10月/1944円

急速に広がるディープラーニングに関して、国内35社の事例を体系的に取り上げ、先駆者が苦労したポイントなどを解説している。自動運転分野をはじめ、幅広い分野におけるAI(人工知能)を活用した業務効率化や付加価値創造の実態がよくわかる、エンジニアや経営者向けの内容となっている。

編集は日経クロストレンド、そして監修を日本ディープラーニング協会が担当した。

目次は次の通り。
1章 ディープラーニングの発展予測
2章 Step1 人の「眼」となり単純作業から解放する
3章 Step2 「五感」を担い行動予測や異常検知を実現
4章 Step3 現実社会に柔軟に対応「ロボット」「自動運転」の時代
5章 「創作」業務へも広がる活用範囲
6章 ビジネス活用の勘所を理解する6つの問

■2022年の次世代自動車産業 異業種戦争の攻防と日本の活路/田中道昭氏/PHP研究所/2018年6月/1242円

自動車メーカーのみならずさまざまな業種が参戦し、複雑に絡み合いながら技術開発を進める自動運転分野。どのように自動車産業が変わっていくのかという視点とともに主要各社の動向や戦略を解説し、業界の構図を浮き彫りにしている。

著者の田中道昭氏は立教大学の特任教授で、上場企業の取締役、コンサルタントなども務めている。

目次は次の通り。
・次世代自動車産業をめぐる戦国時代の幕開け
・自動車産業の「創造的破壊」と次世代自動車産業の「破壊的創造」
・EVの先駆者・テスラとイーロン・マスクの「大構想」
・「メガテック企業」の次世代自動車戦略―グーグル、アップル、アマゾン
・GMとフォードの逆襲
・新たな自動車産業の覇権はドイツが握る?―ドイツビッグ3の競争戦略
・「中国ブランド」が「自動車先進国」に輸出される日
・「ライドシェア」が描く近未来の都市デザイン―ウーバー、リフト、滴滴出行
・自動運転テクノロジー、“影の支配者”は誰だ?―エヌビディア、インテル…
・モビリティと融合するエネルギーと通信―再生可能エネルギーと5Gが拓く未来

■Q&A形式でスッキリわかる 完全理解自動運転/林哲史氏/日経BP社/2018年6月/1620円

タイトルの通り、Q&A形式で自動運転にまつわる基本的な疑問を解消してくれる初心者におすすめの一冊。設問は全部で24問だが、一つひとつに細かく見出しを付け、数ページにわたって丁寧に解説している。

著者は、日経BP総研クリーンテックラボ主席研究員の林哲史氏。

目次は次の通り。
【第一部】 世界の開発実績が示す“自動運転の今”
Q 自動運転車を開発する目的は何ですか?
Q 自動運転車で交通事故はなくなりますか?
Q 不具合で暴走する危険はありませんか?
Q クルマが乗っ取られることはないの?
Q 自動運転に定義はありますか?
Q レベル3では何ができますか?
Q ADASと自動運転の違いは何ですか
Q なぜ自動運転に人工知能を使うのですか
Q 自動運転車は誰が作っているのですか?
Q 自動運転はいつから使えますか?
Q 自動運転でなくなる仕事はありますか?
【第二部】 専門家が見通す“自動運転の未来”
Q 運送業は自動運転に否定的ですか?
Q 自動運転でカーナビはなくなりますか?
Q 法律が求める自動運転とは?
Q 機械は人より上手に運転できますか?
Q 自動車メーカーがやるべきことは何ですか?
Q 高性能センサーがあれば地図は不要になりますか?
Q 自動運転車は儲かりますか?
Q 事故解析で必要なものは何ですか?
Q 自動運転レベルは高いほど安全ですか?
Q 人工知能は事故時の振る舞いを説明できますか?
Q 無人運転でイノベーションを実現できましたか?
Q なぜプラットフォーム構築を急ぐのですか?
Q 自動運転車の安全性は誰が保証しますか?

■トコトンやさしい自動運転の本/トロンナムチャイ・クライソン氏/日刊工業新聞社/2018年3月/1620円

自動運転の実用化における効果やコネクテッドカー、5G、ADAS、LiDAR、ミリ波レーダー、AIなど自動運転に関するさまざまな要素をはじめ、ファジー制御やニューラルネットワーク制御などの制御技術、空間フィルタリング処理やエッジ処理などの一歩踏み込んだ領域までやさしく解説している。

著者のトロンナムチャイ・クライソン氏はタイ出身で、日産自動車の総合研究所でシニア・リサーチ・エンジニアを務めている技術者。

目次は次の通り。
1章 自動運転への期待と技術の全体像
2章 “走る”“曲がる”“止まる”を制御する技術
3章 走行環境の認知・判断技術
4章 航法に関する認知・判断技術
5章 ヒューマンマシンインターフェース技術
6章 自動運転技術の現状とこれから

■モビリティー進化論—自動運転と交通サービス、変えるのは誰か/アーサー・ディ・リトル・ジャパン/日経BPマーケティング/2018年1月/1944円

取り巻く環境が大きく変化している自動車産業において、自動運転やカーシェアリングなどのモビリティーサービスが与えるインパクトや進化の方向性を新たな視点で示している。マクロ的観点から見た各国の社会構造や産業構造と、ミクロ的観点で見た各プレーヤーの事業構造や技術開発動向などから、2030年の自動車産業の進化の方向性を提示している。

著者は、経営コンサルタントなどを手掛けるアーサー・ディ・リトル・ジャパン社。

目次は次の通り。
・交通システムで解決すべき社会的課題・ニーズ
・世界各国の都市構造はこれだけ違う
・各国の普及をけん引するのはどの産業か
・既存の交通サービスはどこに問題があるか
・各国で勃興する新たなモビリティーサービス
・モビリティーサービスとしての物流市場
・ユーザーから見たモビリティーシステム変革のニーズ
・モビリティーシステムの変革を国や自治体が後押し
・自動運転車開発の「押さえどころ」を考える
・自動運転車の販売価格はこうなる
・自動運転型モビリティーサービスの開発をいかに進めるか
・LSVが変える自動車業界
・モビリティーサービスと自動運転、2030年の普及シナリオ
・自動車市場への影響とプレーヤーに求められる行動

■【まとめ】自動運転関連書籍は増加傾向 初心者向けからエンジニア向けまで

自動運転関連書籍の発刊数は増加傾向にあり、同分野に興味を持つ初心者向けからエンジニア向けまで、さまざまな書籍が世に送り出されている。

情報更新頻度が高い分野のため情報の老化も早いが、今この時点における情報を将来に向けた予備知識として吸収しておくことも大事なことではないだろうか。

自分のペースでじっくりと読み込むことができるのが本特有の魅力だ。ネット上で検索してポチッとするのも良し。書店で吟味してから買うのも良し。多くの方が目を通し、レビューが増えれば書籍選定の参考として大いに役立つ。たまには読書の春を楽しむというのも乙なものだ。







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