Uber、日本に3000億円の巨額投資!自動運転タクシーでGOに対抗か

自動運転事業で日本市場も視野?



配車サービス世界最大手の米Uber Technologiesが、日本国内の事業強化に乗り出すようだ。Uber Japanが一般社団法人日本経済団体連合会(以下、経団連)に加盟したほか、今後5年間で20億ドル(約3100億円)以上の投資を日本国内で行う予定であることを表明した。


既存サービスに加え、自動運転も視野にテクノロジーを活用した新たな移動のあり方を提案していく方針としている。米国では、Waymoとのパートナーシップのもとすでに自動運転タクシーの提供を開始しているが、日本市場も視野に収めているのだろうか。

巨額投資でモビリティ事業をどのように加速していくのか、同社の動向と戦略に迫る。

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■Uber Japanの動向

経団連に加盟、巨額投資でサービス基盤を強化

Uber Japanは、2026年1月1日付で経団連に加盟した。同社によると、配車アプリ事業者としての加盟は初という。

経団連への加盟を通じて、日本のモビリティ産業の持続的発展や交通を取り巻く社会課題解決に向け、産業界や関係機関との対話と連携をいっそう強化する構えだ。また、タクシーやライドシェアといった既存サービスに加え、自動運転も視野にテクノロジーを活用した新たな移動のあり方を提案し、日本経済全体の競争力向上に貢献することを目指すとしている。


また、モビリティ事業とデリバリー事業を合わせ、今後5年間で日本国内において約 3100 億円以上の投資を行う予定で、投資を通じてサービス基盤の強化、パートナー企業との協業拡大、雇用・経済機会の創出を進め、日本社会に根ざした成長を継続する方針を明かした。

Uber Japan代表・ゼネラルマネージャーの山中志郎氏は「Uberは、日本全国47都道府県でタクシー事業者や自治体と連携し、移動の利便性向上と交通課題の解決に取り組んできた。配車アプリとして日本で初めて経団連に加盟することは、我々の取り組みが日本のモビリティ基盤の一部として認識されたものと受け止めている。今後は産業界の皆さまと今まで以上に建設的な対話を重ねながら、日本の移動インフラの持続的な発展に貢献していく」と述べている。

タクシー配車基盤は47都道府県を網羅、GOに対抗

約 3100 億円以上の投資は、国内企業目線ではなかなかの規模だ。既存プラットフォームサービスの強化をはじめ、飲食デリバリーUber Eatsや即時配達Courierといった派生サービスの拡充も行っていく可能性が高そうだ。

日本では、本丸となるライドシェアサービスが規制の壁に阻まれ、ビジネス性に欠ける日本版ライドシェア(自家用車活用事業)と公共ライドシェアを対象にサービス展開するほかない。


必然的にタクシー配車に力を入れる格好となったのか定かではないが、Uber Taxiの提供エリアは、2025年1月時点で18都道府県に留まっていたものが同年12月までに全47都道府県を網羅するに至った。全国にネットワークが拡充されたのだ。

依然として日本交通系GOが絶対王者の座に君臨しているが、Uberも配車基盤を整え、本格的に追い上げるフェーズを迎えたのかもしれない。

UberもGOも見据える先には「自動運転」

ただ、UberもGOも既存タクシー配車に留まる気はない。両社とも、視線の先に無人の自動運転モビリティを見据えている。

GOは2024年12月、グーグル系Waymoと戦略的パートナーシップを締結し、Waymoの自動運転システム「Waymo Driver」の東京都内導入に向けた取り組みを開始した。翌2025年春に都内での走行実証に着手し、Waymoの車両に日本交通のドライバーが乗り、レベル2状態で走行を積み重ねている。

国内開発勢ではティアフォーが自動運転タクシー開発を本格化させているが、こちらも日本交通とパートナーシップを結んでいる。日本国内においては、GOがいち早く自動運転事業に乗り出した格好だ。

タクシー・ライドシェア事業を展開するnewmoも日本発の自動運転タクシー事業化に向けティアフォーとの協業を開始している。

一方、Uberは本拠地である北米でWaymoとのパートナーシップのもとすでに自動運転タクシーの配車を実現している。パートナーシップの拡大にも余念がなく、北米を皮切りに中国以外の主要市場を網羅する構えだ。

GO×Waymoは想定外?戦略見直し自動運転事業を加速?

当然、日本市場も視野に収めている。ただ、先手をGOに奪われたのは想定外だったかもしれない。ティアフォーの自動運転タクシーの実用化はもう少し時間がかかりそうで、規制関係も含め日本市場はまだ未開拓が続くと踏んでいた可能性が考えられる。

しかし、Waymoが日本交通勢と手を組んだことで情勢が一変した。Uberとしては、自社がWaymoとともに日本市場を開拓する絵を描いていたのではないだろうか。そう考えると、先手を取られたUberとしては直ちに戦略を再構築し、日本での自動運転事業に本腰を入れる――というストーリーもあながち的外れではないのではないか。

Waymoと日本交通勢のパートナーシップの詳細は不明だが、明らかになっているのは東京都内での自動運転サービス実装に向け協業を行っている点のみだ。実用化時期に関する計画も明言していない。

とすれば、改めてWaymoとパートナーシップを結んで黒船コンビを結成し、東京以外のエリアで自動運転タクシーを実用化する……という事業展開を描くことができる。

その布石が、47都道府県のネットワーク構築と、経団連への加盟だ。全国を網羅したことで、自動運転タクシーの需要が見込めるエリアであればどこでも対応可能になる。

経団連への加盟は、黒船来襲への拒絶反応を抑えられる。Waymo×Uberは、世界トップの開発企業とプラットフォーマーの組み合わせだ。場合によっては、日本の自動運転市場を完全に席捲され、日本企業の活躍の場が奪われるかもしれない――とする空気が生まれてもおかしくはない。

だからこそ早い段階で経済界に潜り込み、拒絶反応を抑え込むのだ。規制や許認可面においても、ロビイング活動がしやすくなるかもしれない。

いずれにしろ、Uberが日本におけるモビリティ事業を強化するのは事実であり、その先に自動運転があるのも間違いない。後段で触れるが、Uber Technologiesのダラ・コスロシャヒCEOも日本での自動運転サービス実現に言及している。

Waymoが日本の道路交通にどのタイミングで対応し、日本交通勢とともに自動運転タクシーをサービスインさせるか。そして、水面下でUberがどのような戦略を進めているのか。注視すべき動向となりそうだ。

【参考】関連記事「タクシーアプリGO、自動運転市場に参入へ」も参照。

タクシーアプリGO、自動運転市場に参入へ

■日本における自動運転タクシー開発の動向

ティアフォーが着実に技術を向上

国内においては、かつてROBO-HI(旧称ZMP)が自動運転タクシーの開発を進めていたが、進捗はうかがえない。ティアフォーは2019年、JapanTaxi(現GO)、損害保険ジャパン日本興亜、KDDI、アイサンテクノロジーの5社で自動運転タクシー事業化に向けた取り組みに着手した。

東京の西新宿などで実証を重ねており、2024年にはお台場の複数拠点間でサービス実証を行うことを発表している。2025年にお台場を含む東京都内3カ所、2027年には都内全域を対象に、既存の交通事業と共存可能な自動運転タクシー事業を推進する計画としている。

2025年には、オリジナル自動運転タクシーの新型プロトタイプを発表している。同年7月には、タクシー・ライドシェア事業を展開するnewmoと自動運転タクシー事業化に向けた協業を開始すると発表した。

エンドツーエンドモデルの開発にも力を入れており、CES 2026では自動運転レベル4+に向けたエンドツーエンド AIを展示・公開した。レベル4+は、特定条件下で完全自動運転を実現するレベル4を基盤に、人間の役割はレベル4に準拠しながらシステム機能にはレベル5の概念を一部取り入れた新しい概念としている。

現状はWaymoに及ばないが、その性能は飛躍的に向上している様子で、国産自動運転タクシーに寄せられる期待は高い。

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日産やモービルアイも参入?

国内ではホンダも米GM、Cruise勢と自動運転タクシーを実用化する計画を発表していたが、Cruiseの事業停止によりとん挫したようだ。

日産は、自動運転タクシーに類似した自動運転モビリティサービスを2027年度にも実装する計画だ。自動運転タクシーと謳っていないが、おそらくエリア内に複数設定した乗降ポイント間を自由に移動できるサービスになるものと思われる。

WILLERは2020年、モービルアイと戦略的パートナーシップを結び、日本をはじめとするアジア諸国で自動運転タクシーソリューションを展開していく計画を発表している。

進捗は不明だが、愛知県の2023年度自動運転実証などにWILLERとモービルアイジャパンが参画し、名古屋駅とSTATION Ai(鶴舞)を自動運転車で結ぶモビリティサービスや幹線道路の車速に対応した自動運転実証などを行っている。

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■Uber Technologies×自動運転タクシーの動向

開発各社とパートナーシップ、世界の覇権掌握へ

Uber Technologiesは、自ら多額の資金をつぎ込んで自動運転開発を推進するほど無人サービスに対する想いが強い企業だ。開発プロジェクトはとん挫したが、世界各国の開発企業と手を組み、自社プラットフォームに統合していく戦略にシフトした。さまざまなパートナー企業とともに世界市場の覇権をとる構えだ。

その第一歩は、誰もが知るWaymoだ。両社は2023年にパートナーシップを結び、アリゾナ州フェニックスでUberアプリでWaymoの自動運転タクシーを利用できるサービスを開始した。

この協業は深まり、Waymoが2025年にサービスインしたテキサス州オースティンとジョージア州アトランタでは、最初からUberアプリでサービスを提供している。今後、Waymoは自社アプリからUberアプリへのシフトを強めていく可能性が高そうだ。

UberはWaymoのほか、Aurora InnovationNuro、Motional、Avride、Waabi、May Mobilityなどとパートナーシップを結んでいる。米国外では、WeRide、百度、Pony.ai、Momenta、Wayveなどとの提携が確認されている。その数は20社超と言われており、世界の有力開発企業の大半を抑えた格好だ。

WeRideはUberとともにすでにアラブ首長国連邦のドバイで自動運転タクシーサービスを開始しており、2026年にも無人サービスに移行する計画のようだ。グローバル展開を加速するWaymoやWeRide、百度などとともに、世界中でサービス実装を加速していくのだろう。

日本市場に関しては、同社でモビリティ・ビジネスオペレーションを担当する上級副社長のAndrew Macdonald氏が2025年に行われた読売新聞の取材に対し、数年以内に日本国内で自動運転サービスを展開する意向を示したという。

一方、CEOのコスロシャヒ氏もブルームバーグテレビジョンの取材において、自動運転タクシー市場が1兆ドル規模に達する見込みを示し、Uberがこの業界で主導的な地位を築くことを目指していることを明かした。

その上で、2026年末までに10余りの市場で自動運転タクシーサービスを展開する見通しを示し、将来的に香港や日本も新たな展開候補地に含まれることに言及したという。

時期に触れていないものの、日本市場も視野に収めているのだ。タクシー需要が高く自動運転に関する取り組みも盛んな日本市場は、自動運転開発企業やプラットフォーマーにとって草刈り場的な存在なのかもしれない。

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■【まとめ】気になるパートナー企業は……?

Uberが日本における自動運転サービス事業に着手するのは間違いない。気になるのは開発パートナーだ。本命はWaymoだが、ティアフォーと手を組む可能性もある。高い実績を誇るWeRideや、トヨタと協業するPony.aiやMay Mobilityなどと手を組み、日本市場に参入する可能性も否定できない。

日本交通勢と手を組むWaymoの動向含め、2026年中にどのような動きが出てくるのか、各社の取り組みに注目だ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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