この記事では、トヨタによるクルマのサブスク「KINTO」(キント)について詳しく説明する。
KINTOは、トヨタやレクサスの車両を月々定額で利用できるカーリース・クルマのサブスクだ。諸費用コミコミで月額1万円台から新車に乗ることができる。購入せずに初期費用を抑えてクルマを利用できる手軽さから、利用者が増加中のKINTO。最近はKINTOの中古車版も展開エリアを拡大している。
しかし自動車のサブスクを初めて利用する人にとっては、KINTOがどのようなサービスなのかイメージできない人も少なくないはずだ。この記事ではKINTOのサービス内容や契約までの流れ、プリウスをはじめとした利用できる車種などについて分かりやすく解説する。(※利用可能車種は適宜変わっているため、最新情報は公式サイトを開いて確認してほしい)
【参考】関連記事としては「クルマのサブスク・リース、おすすめ14社を徹底比較!料金・口コミ・評判は?」も参照。
KINTO
記事の目次
■KINTO(キント)とは?
KINTOでは、クルマのサブスク「KINTO ONE(キント ワン)」のほか、「KINTO ONE中古車」、「KINTO Unlimited」というサービスを展開している。それぞれの内容について説明する。
<KINTOの3つのサービス>
・KINTO ONE
・KINTO ONE中古車
・KINTO Unlimited
■KINTO ONE(キントワン)とは
KINTO ONEは、任意保険や自動車税などクルマにかかる諸経費全て込みで月々定額のクルマのサブスクサービスだ。KINTO自体は「サブスク」というワードを使っているが、サービス内容的にはカーリースとそこまで違いはない。ただし他社のカーリースはメンテナンスなどがオプションになっているのに対し、KINTOはクルマにまつわる費用が全てコミコミになっているのが大きな特徴だ。
KINTO ONEは店舗に行く必要がなく、ウェブサイトで簡単に申込みから契約までの手続きができる。
KINTO ONE利用の流れ
ウェブサイトまたはアプリで申し込み後、販売店でクルマを受け取るだけというシンプルな流れになっている。
具体的には、ウェブ上で「車種・オプション契約」「利用規約同意」「販売店選択」「必要事項入力」「審査申込完了」の5つを行う。
ウェブで契約後、納車までの手続きは郵送と電話で進める。審査通過後に「My KINTO」にログインし、契約の手続きを行う。大体の納車日が決まり次第、指定の販売店から車両登録に関する書類一式が届くため、本人確認書類などを提出する。納車の日程が確定後、販売店で車両を受け取って利用がスタートするという流れになっている。
KINTO ONEの月額に含まれている項目
車両本体や登録時の諸費用のほか、自動車税や自動車保険、車検、メンテナンス、消耗品、故障修理・代車といったマイカーを所有した場合に発生する費用が全て定額料金に含まれている。
具体的には、車両代金としては車両本体価格と選択したパッケージプランの装備品代金、税金・手数料としては自動車税環境性能割、自動車税種別割、重量税、登録手続き費用、自賠責保険・任意保険といった自動車保険料が含まれる。
またメンテナンスの項目では、5年もしくは7年契約の場合は車検、法定点検・定期点検、ロードサービス、故障修理、代車、油脂類の交換および補充、所定の消耗品の交換などをカバーしている。
KINTO ONEの自動車保険はどうなってる?
KINTO ONEに付帯の自動車保険は、東京海上日動火災保険のTAP(一般自動車保険)となっている。年齢や等級、免許証の色により変わることなく、全てのユーザーが同じ金額になる。弁護士費用特約やロードアシスト、レンタカーなどの諸費用アシスト、事故現場アシストといった人気の特約もセットになっている。
保険の契約者はKINTOになるため、万が一事故で保険を使用しても月額利用料は変わらない。そのため、現在加入中の保険を利用しての契約および等級の引継ぎはできない。また、KINTOの自動車保険の補償対象は自家用登録車両に限るため、事業用登録でのKINTO ONEの利用は不可となっている。
個人契約の場合、KINTO ONEの契約者だけでなく、家族や友人などの契約者が車の使用を認めた人が運転している間の事故も補償される。法人契約の場合は、契約法人の役職員およびその家族が運転中の事故が補償される。いずれも運転者の年齢制限はない。
■KINTO ONE(キントワン)中古車とは
KINTO ONE中古車は、KINTO ONEのリース期間が満了となった車両を中心とした無事故で状態の良いトヨタ車両のみを厳選した中古車サブスクだ。KINTO ONEと同様、毎月定額の月額利用料に自動車保険料やメンテナンス料が含まれている。
KINTO ONE中古車の利用の流れ
KINTO ONE中古車は、東京都・愛知県・長野県・大阪府に住んでいるユーザー限定のサービスだ。ウェブで「車両選択」「販売店選択」「利用規約同意」「必要事項入力」「審査申込完了」という5つのステップを踏んだあと、登録書類の提出や納車の日程調整を行い、販売店で車両を受け取るという流れになる。
最短1カ月の納期で、すぐに利用できるのがポイントだ。また車両はトヨタ販売店でメンテナンスを行っており、傷や汚れも厳しくチェックされている。非喫煙で走行距離が少なめの車両が厳選されている。
KINTO ONE中古車の月額に含まれている項目
KINTO ONEと同様、車両本体や登録諸費用のほか、自動車税や自動車保険、メンテナンス、消耗品、故障修理・代車といった、マイカーを維持するにあたり必要な費用が全て含まれている。
【参考】関連記事としては「トヨタの中古車サブスク、全国展開へ号砲!?KINTOが発表、3都県に拡大」も参照。
■KINTO ONEとKINTO ONE中古車の違いは?
新車を利用するKINTO ONEは、新車希望で利用期間が大体決まっているユーザー向けだ。KINTO ONE中古車は、すぐに利用したい、契約期間内に手放したり乗り換えたりする可能性があるといったユーザーにおすすめだ。
納車時期の目安は、KINTO ONEで1.5カ月からに対し、KINTO ONE中古車は最短1カ月だ。KINTO ONEの契約期間は3年・5年・7年であるが、KINTO ONE中古車は2年。KINTO ONEでは申込金が必要な場合と不要な場合があるが、KINTO ONE中古車は必ず申込金を支払う必要がある。
またKINTO ONEでは中途解約金が発生する場合と発生しない場合があるが、KINTO ONE中古車では支払いは不要だ。ただし、KINTO ONE中古車は車両のオプションが選択不可となっている。
KINTO
■KINTO Unlimitedとは
KINTO Unlimited はKINTO ONEを発展させたサービスで、保険やメンテナンスなどのクルマの維持費に加え、最新安全機能の更新や安全運転の見守りサービスまでが月額定額となっている。
KINTOが提供するサブスクサービスをベースに、クルマを届けたあとの「進化=アップグレード」と「見守り=コネクティッド」を通じてクルマの価値を維持し、その分をサブスクの月額利用料の引き下げにあらかじめ充てることにより、リーズナブルに利用できるようになっている。
KINTO Unlimitedの月額に含まれている項目は?
KINTO ONEと同様に、車両本体や登録時諸費用のほか、自動車税や自動車保険、メンテナンス、車検、消耗品、故障修理といったクルマの維持にまつわる費用が全て込みということに加え、KINTO Unlimited限定で安全機能更新、安全運転診断、オイル交換お知らせというサービスが追加されるという形になる。
なおKINTO Unlimitedを利用した場合、通常のKINTO ONEより価格が1割ほど安くなるようだ。これは、ソフトウェアアップグレードにより常に最新の状態のクルマ維持でき、返却後でも車両の価値が下がらないことからだと考えられる。
KINTO Unlimitedのサービス内容詳細
「進化」では、ソフトウェアとハードウェアのアップグレードを提供する。ソフト面では、OTA(Over The Air)を通じたソフトウェアの更新により、衝突被害軽減ブレーキをはじめとしたToyota Safety Senseを、その都度最新のバージョンにアップグレードする。
ハード面では、契約車両にあらかじめ施すトヨタ初の「アップグレードレディ設計」を通じてユーザーのニーズに合わせたハードウェアの装備や機能の後付けを可能にしていく。なおアップグレードレディ設計とは、配線の調整やセンサーの取り付けといったアップグレードに必要な施工作業の大部分をクルマにあらかじめ織り込んでおくことで、実際に行う作業を簡素化する仕組みのことだ。
また、トヨタのコネクティッド技術を用いてユーザーが運転する際のデータを収集・分析することにより、ユーザーとクルマ双方の「見守り」を実現する。具体的には、「コネクティッドドライブトレーナー」で安全でエコな運転を支援し、「コネクティッドカーケア」で最適なメンテナンスを行う。
■KINTO ONEの料金・車種
KINTO ONEの料金設定や扱っている車種を紹介する。
【参考】関連記事としては「トヨタKINTOの取り扱い車種一覧!月額価格は?車のサブスク・リース」も参照。
KINTO ONEの月額料金は?
車種により、トヨタ車の月額16,720円からレクサス車の335,500円と幅広い選択肢がある。ただしこの料金は、初期費用フリープラン7年ボーナス併用払い、最安値グレード・パッケージ、追加オプション無しの場合の税込金額だ。
KINTO ONEの「初期費用フリープラン」
KINTO ONEには「初期費用フリープラン」と「解約金フリープラン」がある。
申込金などの最初にかかる費用が発生せず、毎月定額で利用できるプランだ。初期費用ゼロで、契約期間は3年・5年・7年から選択できる(レクサス車は3年のみ)。またボーナス併用払いが可能で、5.5万円・11万円・16.5万円の設定がある。
ただし中途解約の際は、規定の中途解約金を支払う必要がある。中途解約時の精算金は、「残リース料+追加精算金」となる。またこのプランでは、「のりかえGO」というサービスを利用することで割安な手数料で次のクルマに乗り換え可能だ。
KINTO ONEの「解約金フリープラン」
ニーズに合わせて必要な期間だけ車に乗る場合に最適なプランだ。初期費用として、月額5カ月分相当の申込金が必要になる。計画期間は3年のみ、ボーナス併用払いは利用不可となっている。
中途解約の場合、追加の支払いの必要がない。ただし、契約期間中の乗り換え特典は提供されていない。
いずれのプランも、契約満了時の選択肢は3つある。乗っているクルマで再契約、新たなクルマへの乗り換え、返却だ。
KINTO ONEの車種は?
トヨタ車のほか、レクサス車、SUBARU車も選べる。2024年11月現在、ラインアップされている車種は以下となっている。車種により納期の目安が1.5〜4カ月程度と幅がある。取り扱い車種は変更する可能性があるため、利用を検討する際は最初に確認しよう。
種類 | 車種 |
コンパクトカー | ヤリス、カローラ スポーツ、アクア |
セダン・ワゴン | プリウス、カローラ ツーリング、クラウン |
SUV | ライズ、ヤリス クロス、カローラ クロス、ハリアー、ランドクルーザー“250”、クラウン(クロスオーバー)、クラウン(スポーツ) |
ミニバン | ノア、ヴォクシー、シエンタ |
GR/GR SPORT | GR86、GRヤリス |
レクサス | LBX、UX、NX、RZ、LM |
SUBARU | インプレッサ、クロストレック、フォレスター、SUBARU BRZ、レガシィ アウトバック |
KINTOでプリウスに乗るための情報は、以下の記事で詳細を紹介しているので、参考にしてほしい。
【参考】関連記事としては「KINTOでプリウスに乗れる?価格・納期は?トヨタのサブスク」も参照。
KINTOでレクサスに乗るための情報は、以下の記事で詳細に紹介しているので、参考にしてほしい。
【参考】関連記事としては「KINTOでレクサスに乗れる?価格・納期は?トヨタのサブスク」も参照。
KINTOでアルファードに乗るための情報は、以下の記事で詳細を紹介しているので、参考にしてほしい。
【参考】関連記事としては「KINTOで【アルファード】に乗る!価格・納期は?トヨタのサブスク・リース」も参照。
KINTO
■KINTO ONE中古車の料金・車種
KINTO ONE中古の料金設定や扱っている車種を紹介する。
KINTO ONE中古車の月額料金は?
車種により、月額3〜8万円台となっている。契約には申込金も必要になる。
KINTO ONE中古車の車種は?
取り扱い車種は、RAV4、アクア、アルファード、ヴォクシー、カローラ クロス、カローラツーリング、シエンタ、ノア、ハリアー、ヤリス、ヤリス クロスなどだ。最新の在庫は検索可能で、年式や走行距離なども確認できる。
種類 | 車種 |
コンパクトカー | ヤリス、アクア |
セダン・ワゴン | カローラ、クラウン、シエンタ、プリウス、カローラ ツーリング |
SUV | ヤリス クロス、カローラ クロス、ハリアー、RAV4 |
ミニバン | ノア、ヴォクシー、アルファード、シエンタ、ヴェルファイア、ルーミー |
GR/GR SPORT | – |
レクサス | – |
■KINTO Unlimitedの料金・車種
KINTO Unlimitedの料金設定や扱っている車種を紹介する。
KINTO Unlimitedの月額料金
ヤリス Uグレードで月額2万3,760円から、プリウス Uグレードで月額1万8,480円からとなっている。これは、ボーナス併用払い(ヤリス・ヤリス クロスは11万円、プリウスは16.5万円)利用の場合の税込金額だ。
KINTO Unlimited対象車種
対象車種は、ヤリス Uグレード、ヤリス クロス Uグレード、プリウス Uグレード、プリウス Uグレード モデリスタ仕様だ。
種類 | 車種 |
コンパクトカー | ヤリス Uグレード |
セダン・ワゴン | プリウス Uグレード、プリウス Uグレード モデリスタ仕様 |
SUV | ヤリス クロス Uグレード |
ミニバン | – |
GR/GR SPORT | – |
レクサス | – |
■KINTOのメリット・デメリット
KINTOを利用するにあたり想定されるメリットとデメリット、両方について紹介する。
KINTOのメリットは?
KINTOのメリットは以下の通りとなっている。
- その1:クルマにまつわる費用が全て込みのため予算を立てやすい
- その2:転勤時など期間が決まっている利用の際に便利
- その3:色んな車種に乗ってみたい場合、数年で乗り換えることができる
- その4:メンテナンスなどはトヨタの販売店で行うため安心
KINTOのデメリットは?
一方、KINTOのデメリットは主に以下の3つだ。
- その1:トータル費用は個人でクルマを所有するより高くなる場合がある
- その2:保険会社や整備会社を自由に選ぶことができない
- その3:車両カスタム不可の場合がある
■KINTOの納期について
車種による異なる。KINTO ONEでは短いもので1.5〜2カ月程度、長いもので12カ月以上となる場合がある。それに対しKINTO ONE中古は、納車まで最短1カ月と短くなっている。KINTO Unlimitedの対象車種の納期は、1.5〜4カ月程度だ。
■KINTOの審査の内容・手順は?
ウェブサイトまたはアプリで住所や勤務先などを入力し、審査申込を行う。審査通過後に契約完了となる。ただし審査基準の詳細は公表されていないようだ。
■KINTOに関するよくある質問
Q:KINTOでアルファードは利用可能?
KINTO ONE、KINTO ONE中古車で利用可能だ。
Q:KINTOでプリウスは利用可能?
KINTO ONE、KINTO Unlimitedで利用可能だ。KINTOでプリウスに乗るための情報は、以下の記事で詳細を紹介しているので、参考にしてほしい。
【参考】関連記事としては「KINTOでプリウスに乗れる?価格・納期は?トヨタのサブスク」も参照。
Q:KINTOでレクサスは利用可能?
KINTO ONEで利用可能だ。
■KINTO FACTORYとは?
KINTO FACTORYは、オーナーカー向けのカスタム・機能向上サービスだ。顧客がすでに購入したクルマに、その後の技術革新や経年劣化に合わせてソフトウェア・ハードウェアの機能やアイテムをタイムリーに反映することで、そのクルマを最新の状態に「進化」させる。
そのために「アップグレード」「リフォーム」「パーソナライズ」という3つの方法を行っている。
【参考】関連記事としては「トヨタのKINTO FACTORYとは?マイカーがアップグレードで進化」も参照。
■【まとめ】KINTO(キント)で気軽に車を利用しよう
トヨタ車のリースのサブスクKINTO。クルマの「所有から利用へ」がトレンドとなっている現在、このサブスクサービスは所有と利用のいいとこ取りを実現していると言える。今後、こういったオールインクルージブのサービスはますます増えていきそうだ。
KINTO
(初稿公開日:2024年2月23日/最終更新日:2024年11月21日)