自動運転化の順番、「タクシー→バス→自家用車」とほぼ決定?

自家用車はなぜ遅れているの?



自動運転バスやタクシーを筆頭に、モビリティの自動運転化の波が押し寄せている。トラックや自家用車、配送ロボットなど、あらゆるモビリティの自動運転化が今後進展していくことになる。


気になるのは、その順番だ。モビリティによって実用化に要するハードルの高さは異なり、社会実装時期も異なる。

世界では、自動運転タクシーやバスが先行する一方、自家用車のレベル4はまだお預け状態となっている。こうした自動運転実用化の順番を決める要素は何か。その背景に迫る。

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■自動運転の概況

運転操作全般をセンサーやコンピュータが代替

自動運転は、従来人間のドライバーが担っていた運転操作全般をセンサーやコンピュータで代替する技術だ。ドライバーレスの無人運行を実現したり、ドライバーの運転負担軽減を図ったりすることで効率的かつ安全な道路交通を実現する。

移動・輸送の無人化技術としてさまざまな業界から大きな期待が寄せられており、バスやタクシー、トラックなどの事業用をはじめ、自家用車などさまざまなモビリティへの導入を図る取り組みが各所で進められている。


バスやタクシー、長距離トラックなどが実用化

現在、自動運転バスやタクシー、トラックなどが実用化されており、技術力やサービスの質のさらなる向上を図っている段階だ。自家用車は条件付きで自動運転を行うレベル3が実現しているものの、無人化に相当するレベル4は未達成だ。

自動運転技術は、各モビリティの用途・特性により、実現に要する時間や技術が異なるようだ。では、どういったモビリティが自動運転化しやすいのだろうか。レベル4に焦点をあて、各モビリティの特性を見ていこう。

■各モビリティにおける自動運転化のハードル

レベル4では自動運転システムごとにODDが設定される

自動運転には、一般的に「ODD(運行設計領域)」というものが設定される。自動運転可能なルートやエリア、道路種別、速度域、天候などを自動運転システム開発者が自ら設定し、その条件内においてシステムの正常動作を保証する。

細かい条件としては、信号の有無や路上駐車車両の有無、車線の有無まで設定されることもある。自動運転可能な諸条件・制限を定めたODDは、その自動運転システムの能力・技術水準を示すわかりやすい指標と言える。


ODDとして、特段の条件・制限を設けない域に達すれば、自動運転レベル4からレベル5へ進化することになる。人間のドライバーが運転可能な環境下のすべてで自動運転が可能な最高領域だ。

バスやタクシーなどモビリティごとにODDは異なる

ODDにおいて、例えば、最高速度が時速80キロ対応よりも時速20キロ対応の方が開発のハードルが低い。低速域のみで自動運転を実現すればよいためだ。

同様に、一般道路に対応するよりも、高速道路限定の方がハードルが低い。速度域は高いものの、歩行者ら不特定多数の交通参加者が介在せず、複雑な交差点もなく、原則路上停車車両もない自動車専用道路であるため、自律走行しやすい道路なのだ。

一般道においても、一定エリア内より特定ルートに特化したほうが当然ハードルが低く、自動運転を実現しやすい。

こうした点を踏まえると、バスやタクシー、自家用車など、各モビリティを自動運転化するのに必要なODDはそれぞれ異なり、そのサービス特性に応じてハードルも変わることがわかる。

【参考】関連記事「自動運転のODD(運行設計領域)とは?」も参照。

自動運転のODD(運行設計領域)とは?

路線バスはODDがシンプル?

例えば、オンデマンドバスや貸し切りバスなどを除き、路線バス(シャトル)は原則特定ルートを忠実に走行するため、該当するルートのみを自律走行できれば良いと言える。場合によっては、自動運転しやすいルート設定で実用化を早めることも考えられる。

速度は制限速度を満たすことが望ましいが、あらかじめルートが定まっているため他の交通参加者の理解を得やすく、時速20キロなどの低速域で走行しても邪魔者扱いされにくい。

一方、タクシーはそのサービスの性質上、例えば都内における港区全域など、一定エリア内を比較的自由に自動運転できなければ成り立たない。対象エリアが狭すぎればサービスとしての効用が低下するため、それなりの面積をカバーする必要がある。

エリア内に複数の乗降ポイントを設定し、ポイント間における移動を自動運転化する疑似タクシーのような手法もある。この場合、各ポイントを結ぶルートを自動運転化すればよいため、通常のタクシーよりはハードルを低く抑えることができる。

速度域に関しては、制限速度を満たす必要がありそうだ。バスと異なり、エリア内の不特定ルートを走行するため、低速走行は明らかに他の交通参加者から邪魔者扱いされやすいためだ。

トラックは、ラストマイルを担うトラックと長距離輸送トラックに大別できる。長距離輸送の場合、高速道路に特化すればハードルを大きく引き下げることができる。一方、ラストマイルは特定エリア内における柔軟な走行を実現する必要があり、ハードルは非常に高そうだ。

自家用車の場合、理想論としてはあらゆる道路をあらゆる環境下で自律走行することが求められるが、それはレベル5の領域となるためここでは除外する。高速道路におけるレベル3は実用化済みで、現在高速道路におけるレベル4、一部企業においては市街地を含むレベル4実用化に向け取り組んでいるところだ。

市街地における自動運転化は、自動運転タクシーと類似するが、自動車オーナーの需要を満たすにはより広範囲のODDを設定する必要があり、事実上レベル5に近くなる。

高速道路限定であればハードルは低そうだが、自家用車における自動運転化の一番の課題は、有事の際の対応だ。タクシーなどのサービス車と異なり、運行管理者が直接その運行を管理下に置くことが困難となる。レベル3の場合、システムが作動継続困難な際はドライバーが運転を引き継ぐ義務があるためドライバー自らが有事に対応可能だが、レベル4の場合は勝手が異なる。

また、ドライバーの存在そのものが不確定要素となり得る点もポイントだ。使用方法を正しく守ることが前提となるが、中にはルールを守らない・守れないドライバーも存在する。運用ルールをどのように設計するか、そしてドライバー対策をどのようにシステム化するかがカギとなりそうだ。

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ビジネス性で実装時期は左右される

前述した点を踏まえると、自動運転はバス、タクシー、高速道路におけるトラック、高速道路における自家用車、市街地における自家用車とトラック――の順に自動運転化しやすいと言えそうだ。

実際、米国では自動運転タクシー、日本や欧州では自動運転バス(シャトル)が最初に実用化された。少し遅れる形で高速道路におけるトラックも実用化され始めている。

自動運転先進国である米国で、バスよりもタクシーが先行したのは、おそらくビジネス性と車両特性を踏まえてのものと思われる。

Waymoは開発当初、自家用車の自動運転化を模索しており、その延長線上で自家用車をそのまま活用できる自動運転タクシーサービスにかじを切った。バスに比べタクシーは量産効果を生み出しやすく、将来的なビジネス性を踏まえての選択と言える。

民間主体の取り組みとして考えれば、自動運転バスよりも自動運転タクシーが先となるようだ。一方、国策的要素が強く、民間独自の取り組みとして成立しにくい日本などでは、公共性がより高い自動運転バスが先行するのだろう。

車両特性なども加味される

車両特性の観点では、小型バスと大型バスでは自動運転のハードルが大きく異なる点にも注目したい。大型バスは車道の幅員に余裕がなく、交差点左折なども神経を使う。車体が大きく、重たいモビリティは自動運転のハードルが高まるのだ。それゆえ、自動運転バスの実用化は小型モデルが中心となっている。

モノを輸送するトラックに関しては、荷物の積み込み・積み下ろしという付随するタスクをどのように無人化・効率化するかが課題に挙げられる。ミドルマイルであれラストマイルであれ、個々の荷物の移動が必須となるためだ。

国内外とも高速道路を活用した長距離輸送の開発が先行して進められているが、高速道路直結の輸送拠点の設置や、トレーラーの受け渡しによる有人・無人の切り替え、無人フォークリフトの併用など、さまざまな観点から効率化を進めていく必要がありそうだ。

ラストマイルに関しては、中速・中型ロボットの実用化が米国で進められているが、荷物の受け取りは相手方に依存することになる。スマートロッカーなどと連動し、無人で荷物の輸送を完了できる仕組みが構築できれば、ビジネス性は大きく増す可能性がありそうだ。

こうした点を加味すると、自動運転バスとタクシーが自動運転化のハードルに加え公共性・ビジネス性の観点を踏まえる形で先行し、次いで長距離トラックが実装されていくことになる。

ハードルが高く、不確定要素を含む自家用車とラストマイルトラックはその後……ということになりそうだ。

■【まとめ】自家用車のレベル4実装に向けた取り組みに注目

自動運転化を左右する一番の要素は開発難度(ODD)であることは間違いないが、そこにビジネス性などの各要素が加味された上で実装時期は決まる。

気になる自家用車のレベル4については、米Tensorが2026年後半にも市販化を開始する見込みとしているが、ODDは不明で、各国の規制対応なども判然としない。テスラのFSD(AI Computer)自動運転化も先行きは不透明だ。

高速道路限定などの形であれば早期実装しやすく、今後、こうした取り組みがどのように動き出すか注目したい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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