ホンダ、自動運転タクシーに「再挑戦」!トラウマ克服なるか?

今度は自社主導?組織体制を強化



出典:Ian Muttoo / Flickr (CC BY-SA 2.0)

ホンダ自動運転タクシーサービス事業化に向けたプロジェクトを水面下で進めていることが判明した。かつて米GM・Cruiseとの協業が流れ、一度はとん挫した事業だが、ホンダ自らがハンドルを握り、再びアクセルを踏み込んだ格好だ。

自動運転技術なしでは未来のモビリティレースを戦い抜くことはできない。冷え込む四輪事業における起死回生の一手となるか。アメリカ進出も視野に入れているホンダの新たな挑戦の概要に迫る。米国で一強状態のGoogleを打倒できるか注目だ。


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■自動運転タクシーサービス事業化プロジェクトの概要

求人サイトからプロジェクトが判明

ホンダの自動運転事業化プロジェクトは、同社の最新求人から明らかとなった。自動運転タクシーサービスの事業化を対象としたプロジェクトで、実現に向け組織体制の強化を図っているようだ。

例えば、beBeeでは「自動運転事業化プロジェクトの事業推進・PMO」として、自動運転の新技術を用いた事業開発からオペレーション企画まで担う事業推進・PMOを募集している。

レベル4の事業化はホンダにとって大きなチャレンジとなることから、未経験の領域にも熱意をもって取り組める仲間を募集するという。想定年収は590万~1,090万円だ。

一方、Indeedでは「自動運転事業化プロジェクトにおけるサービスオペレーション企画・組織立ち上げ」として、レベル4事業化に向けたサービスオペレーションの企画・組織作りをリードしていく人材を募集している。


まずは東京!アメリカも視野に?

自動運転の事業化は各社がしのぎを削る領域で、本プロジェクトはホンダの将来の命運を握るプロジェクトの一つと位置付けている。まずは東京での展開を想定しており、ゆくゆくはアメリカでの展開も目指すとしており、アメリカにも連携先チームがおり、海外出張や駐在可能性もあるという。年収は1,190万~1,530万円となっている。

enのミドルの転職では「自動運転事業化プロジェクト推進(PMO)」を募集している。レベル4技術を活用した「自動運転タクシーサービス」の事業化に向け、組織体制強化のための増員募集としている。

組織横断によるレベル4事業化に向けた企画・推進業務(他社動向調査、事業企画立案、関係部門とのコミュニケーション)を担う。将来的にリーダーとしての活躍を期待できる第二新卒層も歓迎している。年収は600万~1,090万円となっている。

GM・Cruiseとの協業は水泡に帰す……

出典:Cruiseプレスリリース

細かい条件は異なるが、いずれも自動運転事業化プロジェクトに関わる求人で、自動運転タクシーの実現を目指す内容だ。


プロジェクトのもと、レベル4の実現とともに自動運転タクシーの実装を本気で目指すことは間違いなさそうだ。

ホンダはかつて、米GM、傘下のCruiseとともに自動運転開発を進め、共同でハンドルなどの運転制御装置を備えないオリジナルの自動運転車「Origin」を開発した。

Cruiseはカリフォルニア州サンフランシスコなどで無人の自動運転タクシーサービスを実装し、Waymoのライバルとして名を馳せたが、2023年10月に起こした人身事故をきっかけにカリフォルニア州当局から営業と無人走行試験ライセンスを停止され、最終的に親会社のGMにも見放され、3社の自動運転タクシー事業は幕を閉じた。

この事故が発生したのと同時期、3社はOriginによる自動運転タクシーサービスを日本で開始する計画を発表しており、合弁を設立して2026年初頭にもサービスインすることとしていた。500台規模の運用を見込む一大プロジェクトであり、日本初の自動運転タクシーサービスとなるか大きな注目を集めていたが、この計画も流れることとなった。

ホンダの技術がOriginなどにどこまでつぎ込まれていたかは定かではないが、開発や事業の主導権はCruiseとGMが握っており、ホンダとしてはどうしようもなかったものと思われる。無念というほかないだろう。

新プロジェクトはホンダ自らが主導権を握る

一方、新プロジェクトにおいては、米国の関係企業などの存在も示唆されているが、ホンダ自らが主導権を握ることになるものと思われる。行くも戻るもホンダ次第で、他社に左右されることなく思いのまま研究開発を進めることができそうだ。

関係企業としては、推測だがHelm.aiが存在感を増す可能性が高い。教師なし学習によるエンドツーエンド(E2E)の自動運転・ADASに資する技術開発を手掛けており、ホンダは早くから同社と接触を図っていた。

オープンイノベーションプログラム「Honda Xcelerator」を通じて2019年から協業を開始しており、2022年には出資を通じて連携を強化し、両社の技術を融合させた独自ソリューションの研究開発を加速している。

2025年にはE2EのAIアーキテクチャーによる次世代自動運転・ADASの開発強化を目的に、複数年にわたる共同開発契約を締結したほか、追加出資も行っている。

Helm.ai独自のDeep Teaching技術や生成AIを活用することで、一般道や高速道路の区別なく目的地までの全ルートにおいてアクセルやハンドルなどの運転操作を高度に支援する次世代ADASの開発を加速し、2027年ごろに北米や日本で投入予定のEV・ハイブリッド車の主力ラインアップへ幅広く適用することを目指すとしている。

おそらくだが、日産が英Wayveと共同で次世代ADASや自動運転タクシー開発を進めているのと同様、ホンダはHelm.aiをパートナーに自動運転分野を切り拓いていく可能性が高い。

トヨタをはじめとする世界の自動車メーカーは、従来のルールベースに基づく自動運転ですらテクノロジー企業や新興勢に追い付くことはままならず、その状況下において業界の目はE2Eにシフトし始めている。

絶対的なパートナー企業とともに、いかに主導権を失うことなく開発・実装を進めることができるかが重要となりそうだ。

「教師なし学習」で自動運転!ホンダも出資するHelm.aiの正体

Honda CIで自動運転タクシーはさらに進化

GM・Cruise勢と距離を置いたホンダの自動運転技術は、独自の協調人工知能「Honda CI(Cooperative Intelligence)」に集約されていくのかもしれない。

Honda CIは「人とわかり合えるAI」として、周囲の環境と協調して人とモノの自由な移動をサポート・実現する。

2030年以降を想定した人々の移動欲求と課題を想定した際、運転への不安を抱えている人などのさまざまな移動欲求に応え自由な移動を実現するためには、情報活用や完全自動運転、ロボットによるサービスだけでは解決できないと考え、この課題を新しい技術で解決するために研究を進めているのがHonda CIだ。

人の意図を理解し、高精度地図に頼らず周囲の道路環境を把握して、他の交通参加者との協調・譲り合いや交渉を行いながら安全に自在な移動を行うモビリティだ。

搭乗型のCiKoMa(サイコマ)と徒歩での移動に追従するWaPOCHI(ワポチ)の2種のHonda CIマイクロモビリティの研究に取り組んでいる。

2026年1月には、神奈川県小田原市でHonda CIを活用した自動運転技術の実証実験を開始したと発表した。

CR-Vなどにセンサー類を設置した実証実験車両を使用し、CI自動運転技術の認識能力向上や従来の低速から中速へ対応速度域の拡大を目指すという。

自家用車ベースの車両への搭載を見据えた取り組みが始まったようだ。将来、自動運転タクシーにもHonda CIが搭載され、人間のドライバーのように周囲と協調した自動運転を実現するのか、独自技術の動向に注目したい。

■【まとめ】ホンダの新たなチャレンジに要注目

4輪事業の苦戦で初の営業赤字を計上したホンダ。EV戦略の見直しなど苦境が続く中、自動運転分野にどこまで投資できるかなども気になるところだが、競争を勝ち抜くために自動運転開発は欠かせない。

自家用車の高度ADAS化・自動運転化とともに、自動運転タクシーというサービス領域でどのような戦略を打ち立てていくのか、ホンダの新たなチャレンジに要注目だ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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