自動運転関連の主な団体一覧(2022年最新版)

国内5団体、国際関連10団体をピックアップ



世界各国で加速する自動運転開発。熾烈な競争に勝ち残るため各社が研究開発でしのぎを削っている。その一方、業界全体における開発やビジネス化を促進すべく協調体制を構築する動きも活発で、業種の垣根を超えて設立されたさまざまな団体・組織が活躍している。

この記事では、国内外の自動運転関連の団体・組織をピックアップし、紹介していく。







■国内関連
MONETコンソーシアム
出典:MONETコンソーシアム公式サイト

トヨタとソフトバンクの合弁MONET Technologiesがモビリティイノベーション実現に向け2019年に立ち上げた団体。自動運転やMaaSなどの社会実装・ビジネス化を促進する業界横断的組織で、2022年4月現在、加盟企業は687社を数える。

現在は、異業種とモビリティサービスを結び付ける取り組みが主体だが、技術の高度化により、徐々に自動運転技術を活用した新たなモビリティサービスに向けた取り組みも本格化していくものと思われる。

既存のモビリティ業界の枠を超え、新たなサービス・ビジネスを生み出す一大組織の活動成果は、年を重ねるごとに加速・続出していくことになる。今後の動向に要注目だ。

▼MONETコンソーシアム公式サイト
https://consortium.monet-technologies.com/

【参考】MONETコンソーシアムについては「【独占インタビュー】新時代は「サービスを運ぶ」!MONET Technologies」も参照。

モビリティ変革コンソーシアム
出典:モビリティ変革コンソーシアム公式サイト

次代の公共交通について、交通事業者と各種企業、大学・研究機関などがつながりを創出し、オープンイノベーションによってモビリティ変革を実現する場としてJR東日本が2017年に立ち上げた組織。会員は2022年2月時点で139社を数える。

ドアツードアの移動を推進するワーキンググループ(WG)やスマートシティWG、ロボット活用WGなどが実証を通じた研究開発を進めている。自動運転関連では、JR東日本をはじめ先進モビリティや愛知製鋼、京セラ、ソフトバンク、日本信号、日本電気が、「JR東日本管内のBRTにおけるバス自動運転の技術実証」を実施している。

▼モビリティ変革コンソーシアム公式サイト
https://www.jreast.co.jp/jremic/

【参考】モビリティ変革コンソーシアムについては「【インタビュー】将来あるべきMaaSの姿を模索 JR東日本のモビリティ変革コンソーシアム」も参照。

まちなか自動移動サービス事業構想コンソーシアム

自動運転技術を活用し、高齢者などの近隣移動をサポートする事業構想策定を目的に日本総合研究所が2018年に設立した団体。あいおいニッセイ同和損害保険やNTTデータ、沖電気工業、関西電力、電通などがメンバーに名を連ねる。

これまで、兵庫県内などで低速自動運転車両を用いた技術実証やサービス実証などを実施している。

▼まちなか自動移動サービス事業構想コンソーシアム設立について
https://www.jri.co.jp/page.jsp?id=33228

【参考】まちなか自動移動サービス事業構想コンソーシアムについては「日本総研、自動運転分野でコンソーシアム設立 高齢者のまちなか移動サポート 神戸市が協力」も参照。

ITS Japan
出典:ITS Japan公式サイト

ITS推進に向け1994年に設立された任意団体VERTISを前身とする活動歴の長いITS Japan。近年は自動運転プロジェクトや自動運転研究会を立ち上げ、レベル4モビリティサービスの実現に向けた課題の検討や解決に向けた活動を進めている。

会員には、ITS推進に向け国内各地の自治体が設置した組織をはじめ、大学の学識経験者56人、関連業界の協会や財団法人など19団体、民間企業162社が名を連ねている。

第4期中期計画においては、自動運転研究会をはじめ協調型ITS委員会、にぎわいのある交通まちづくり実現委員会、カーボンニュートラル委員会、災害レジリエンス委員会、移動バリューチェーン実現委員会などの各委員会が活動を進めており、2022年度には新たにモビリティデータ利活用推進委員会が設置される予定となっている。

▼ITS Japan公式サイト
https://www.its-jp.org/

一般社団法人ロボットデリバリー協会
出典:ロボットデリバリー協会公式サイト

自動運転技術を活用した宅配ロボット関連では、2022年2月にロボットデリバリー協会が設立された。各社が実証実験などによって得た知見を持ち寄り、行政機関や団体と連携して自動配送ロボットの社会実装に向けた業界における自主的な安全基準の制定や認証の仕組みづくりに取り組んでいる。

発足メンバーは、ロボット開発を手掛ける川崎重工業、ZMP、ティアフォー、パナソニック、本田技研工業と、システムインテグレーターのTIS、宅配を手掛ける日本郵便、EC大手楽天グループの計8社。正会員や賛助会員も随時受け付けている。

すでに「自動配送ロボットの安全基準等の策定方針」を策定・公表しており、法案が施行されるまでに安全基準とガイドラインを策定し、安全基準に基づく認証等の仕組みづくりを行う予定としている。

▼ロボットデリバリー協会公式サイト
https://robot-delivery.org/

■国際関連
The Autoware Foundation
出典:The Autoware Foundation公式サイト

日本発の自動運転ソフトウェア「Autoware」の業界標準を目指す国際業界団体で、ティアフォーと米Apex.AI、英Linaroが2018年に設立した。

メンバーには、英Armや仏Navya、英AutoCore、米インテル、オランダのTomTomをはじめ、LiDAR開発を手掛ける米Velodyne LidarやOuster、Hesai、国内関連ではWoven Planetや日立、ITD Lab、マクニカ、アクセル、イーソル、名古屋大学、埼玉大学など多彩なメンバーが名を連ねている。業界関連では、MIHやAVCC、eSync Allianceなどと提携を結んでいる。

さまざまなタイプの自動運転車両をはじめ、ロボットなどにも導入可能なAutowareを活用した世界的な取り組みに要注目だ。

▼The Autoware Foundation公式サイト
https://www.autoware.org/

Project Apollo(アポロ計画)
出典:Project Apollo公式サイト

中国IT大手の百度(Baidu)が主導するオープンソフトウェアプラットフォームを活用した自動運転開発プロジェクトで、開発主体の組織としては世界最大規模を誇る。

参加企業は2021年末までに170社を超えており、金龍客車やNeolixなどが自動運転バスや自動走行ロボットの量産段階に達するなど、実績も豊富だ。

百度自身も、北京汽車集団(BAIC)傘下のEVブランドARCFOXと共同開発した自動運転量産車「Apollo Moon(アポロムーン)」を発表している。製造にかかるコストは車両本体分を含め48万元(約870万円)としており、本格的な普及を見据えた高効率な生産にも本腰を入れているようだ。

▼Project Apollo公式サイト
https://apollo.auto/

【参考】百度の取り組みについては「百度(Baidu)自動運転開発の年表!アポロ計画推進、中国で業界をリード」も参照。

Mobility in Harmony(MIH)
出典:MIH公式サイト

台湾・鴻海(Foxconn)が主導するEVプラットフォームで、2020年に発表後、翌2021年7月にコンソーシアムとして正式に組織化された。EVのハードウェア、ソフトウェアの技術をオープン化することで開発コストの低減や開発期間の短縮を図り、開発から製造に至る全工程にイノベーションをもたらす狙いだ。

参加企業は、2021年末で世界61カ国から2,170社を超えた。開発面では、自動運転をはじめセキュリティとOTA、電気・電子アーキテクチャ(EEA)、コネクテッド・クラウドサービス、UXなど16のワーキンググループが立ち上がっている。

自動運転技術はAutowareの導入を図っており、ティアフォーのChristian John氏が自動運転WGの会長を務めている。

▼MIH公式サイト
https://www.mih-ev.org/en/index/

Autonomous Vehicle Computing Consortium(AVCC)
出典:AVCC公式サイト

自動運転やADAS開発促進に向け英Armが2019年に設立した国際コンソーシアムで、初期メンバーにはトヨタ、デンソー、GM、コンチネンタル、ボッシュ、NVIDIAが名を連ねている。

手頃な価格の自動運転車両の大量生産を目指し、自動運転システムの各ビルディングブロックのコンピューティングプラットフォームアーキテクチャやハードウェア要件、ソフトウェアAPIの要件などについて開発を進めている。

▼AVCC公式サイト
https://www.avcconsortium.org/

OpenADx
出典:OpenADx公式サイト

オープンソースのEclipseプロジェクトを運営するEclipse Foundationからボッシュやマイクロソフトによって2019年に立ち上げられたワーキンググループで、自動運転開発者の幅広い参加のもと共通ミドルウェアスタックを作成し、共通インターフェースの標準化・普及を図るとしている。

シミュレーションエンジンに関する「ECLIPSE CLOE」、協調シミュレーションミドルウェアを提供する「ECLIPSE OPENMCX」、共有メモリアプローチを備えたミドルウェア「ECLIPSE ICEORYX」などさまざまなプロジェクトが進められている。

メンバーには、ボッシュやマイクロソフトをはじめ、ADLINK、Arm、Open Robotics、シーメンス、デンソーなどが名を連ねている。

▼OpenADx公式サイト
https://openadx.eclipse.org/

NAV Alliance
出典:NAV Alliance公式サイト

自動運転車向けの信頼性の高い次世代ネットワーキングプラットフォームの開発を目標に、フォルクスワーゲンやボッシュ、NVIDIA、コンチネンタル、Aquantia(現MARVELL)が2018年に設立した。NAVは「Networking for Autonomous Vehicles」の略称だ。

自動運転車向けの次世代の車載ネットワークインフラストラクチャを開発し、ネットワーキングテクノロジーと製品の幅広い展開を促進するためのプラットフォームを提供するとしており、現在ソニーやファーウェイ、ハーマンなども参加している。

▼NAV Alliance公式サイト
https://nav-alliance.org/

5G Automotive Association(5GAA)
出典:5G Automotive Association公式サイト

自動車分野で利用可能な第5世代移動通信システム「5G」技術の標準化を図る国際団体で、AUDI、BMW、Daimler、Ericsson、Huawei、Intel、Nokia、Qualcommの8社を創設メンバーに2016年に設立された。現在は、ホンダやデンソー、KDDI、NTTドコモ、三菱電機、ソニー、ソフトバンクといった日本企業を含む130社以上が加盟している。

5Gが協調高度道路交通システム(C-ITS)とV2Xの提供を可能にする究極のプラットフォームになるという考えのもと、システムアーキテクチャやソリューション開発、業界仕様・標準化に向けた研究開発、ビジネスモデルや市場開拓に向けた戦略の策定などを進めている。

▼5G Automotive Association公式サイト
https://5gaa.org/

Automotive Grade Linux(AGL)
出典:Automotive Grade Linux公式サイト

コネクテッドカー向けのオープンプラットフォーム開発に向け、非営利団体Linux Foundationが2012年に組織化した。設立時のメンバーには、トヨタや日産、ジャガーランドローバーをはじめ、デンソーや富士通、NEC、アイシン、ルネサスなど日本企業も多く名を連ねている。

メンバー共同で開発した「Unified Code Base(UCB)」は、インフォテインメントやテレマティクス、機器クラスターアプリケーションの業界標準として機能するオープンソースソフトウェアプラットフォームで、2022年4月には最新のコードリリースとなる「UCB 13」が発表されている。

▼Automotive Grade Linux公式サイト
https://www.automotivelinux.org/

Automated Vehicle Safety Consortium(AVSC)
出典:Automated Vehicle Safety Consortium公式サイト

トヨタ、GM、フォードが自動運転の公道実証や実用化における安全基準の策定を目的2019年に立ち上げたコンソーシアム。レベル4~5の自動運転システムの一連の安全基準の策定を進めているようだ。

メンバーには、ホンダやダイムラー、フォルクスワーゲンといった自動車メーカーをはじめ、Aurora InnovationやMotionalなどの新興企業も加わっている。

2021年11月には、自動運転車の安全性能を評価するための新たなベストプラクティスを発表している。自動運転システムの安全性能を評価するための測定基準と方法、運用設計ドメイン(ODD)のベストプラクティスを統合し、行動能力を評価するためのフレームワークを提供している。

▼Automated Vehicle Safety Consortium公式サイト
https://avsc.sae-itc.org/

OneMap Alliance
出典:OneMap Alliance公式サイト

デジタルマップ分野では、高精度地図の統一規格化を図るOneMap Allianceが2018年に結成されている。設立メンバーには、HERE TechnologiesとインクリメントP(現ジオテクノロジーズ)/パイオニア、NavInfo、SK Telecomといった世界各国の位置情報プロバイダーが名を連ねている。

HEREの「HD Live Map」に準拠した高精度地図を各社が作製することで、同規格・仕様に適合したマップを自動運転車向けのグローバルスタンダードとする目的だ。

▼OneMap Alliance公式サイト
https://360.here.com/onemap-alliance-here-hd-live-map-is-going-global

【参考】OneMap Allianceについては「自動運転マップ、年内に世界100万kmカバー オランダ地図大手HERE社」も参照。

■【まとめ】競争と協調がイノベーションを加速

企業間連携の促進や技術の標準化など目的は多岐に及ぶが、いずれの取り組みも社会全体における自動運転実用化の促進につながるものだ。

競争と協調が並行して進むことでイノベーションを加速する自動運転業界。今後の動向に引き続き注目だ。

【参考】関連記事としては「自動運転、日本政府の実現目標(2022年最新版)」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)









関連記事