Googleも未着手の「有料自動運転バス」、石川県で利用者1万人突破

小松市で運行、ティアフォー製の日本製車両



石川県小松市で運行している日本製(ティアフォー製)の自動運転バスの利用者が、運行開始から約半年で1万人を達成した。


自治体で自動運転バスを運行する場合、運賃は無料でスタートすることが多い。それに対し小松市では、開始当初から有料となっている。お金を払っても自動運転バスに乗りたいという人が多く、これだけの成果をすぐに出せたということになる。

現在は自動運転レベル2で走行している小松市の自動運転バスだが、持続可能な公共交通の実現に向けレベル4への取り組みも進めていくとしている。

【自動運転ラボの視点】
自動運転技術で移動サービスを展開する形態としては、自動運転タクシーや自動運転バスがあり、この分野で世界をリードするGoogleはすでに自動運転タクシーを展開しているが、自動運転バスには未着手であり、日本がこの分野でリードしていけるのかに注目が集まる。
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■自動運転バス実現のため有力企業が集結

自動運転バス「Minibus」(ティアフォー製)=出典:損害保険ジャパン・プレスリリース

小松市では、以前からJR小松駅〜小松空港間でコミュニティバスを運行していたが、2024年3月の北陸新幹線小松駅開業を機に、駅〜空港間のアクセス強化による「レール&フライト」(新幹線と航空機を併用した広域移動)の拡大を目的に、2024年3月9日に自動運転バスを導入した。

損保ジャパンによる自動運転リスクアセスメントのほか、アイサンテクノロジーによる高精度3次元地図データの作成を事前に行った上で、ティアフォー製自動運転バス「Minibus」を用いて、ティアフォーが開発を主導する自動運転ソフトウエア「Autoware(オートウエア)」による走行や、BOLDLYが提供する自動運転車両運行管理プラットフォーム「Dispatcher(ディスパッチャー)」を使った遠隔監視を実施している。またBOLDLYは、路線バスとしての運行を担う地域の交通事業者に対してトレーニングを行ったという。


走行するのは、JR小松駅と小松空港をつなぐ公道の片道約4.4キロのルートで、所要時間は約15分となっている。運賃は大人280円、子ども140円だ。

■運行開始から195日で利用者1万人を達成

小松市で定常運行している自動運転バスだが、運行開始から195日目となる2024年9月19日に利用者数1万人を達成した。同市ではこれまでもコミュニティバスを運行していたが、自動運転バス運行開始後の利用者数は前年同月比平均2倍以上で推移しているという。

自動運転バスは一般的にはまだまだ知名度が低く、乗車に不安がある人も多そうだ。しかし小松市で有料でも利用したいという人が増えているということは、これから自動運転車を導入したいと考えているほかの自治体にとって、大きな参考になりそうだ。


またJR駅から空港までという需要の多いルート設定はもちろん、乗車が短時間ということも功を奏しているのかもしれない。

「Dispatcher」の画面(開発・提供:BOLDLY)=出典:損害保険ジャパン・プレスリリース

■自動運転バスの成功例として注目か

ちなみに、日本の自治体で自動運転バスを初めて定常運行したのは、茨城県境町だ。2020年11月から運行をスタートさせ、2024年9月26日時点での乗車人数は3万1,921人となっている。

そして小松市の自動運転バスも成功例として、各自治体などからの注目をより集めていきそうだ。今後レベル4の実装は行われるかなど、引き続き注目していきたい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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