自動運転業界マップ「2019年春 最新版」をリリース 全182企業・機関・ファンドを掲載

自動運転ラボ、掲載数を増やしてリニューアル



自動運転専門ニュースメディア「自動運転ラボ」(運営:株式会社ストロボ)は2019年5月14日、自動運転業界をカテゴリー別に可視化したカオスマップの最新バージョン「自動運転業界マップ『2019年春 最新版』」をリリースした。


■自動運転業界マップ PDF版:ダウンロード
https://jidounten-lab.com/wp/wp-content/uploads/2019/05/jidounten_map_2019_spring.pdf
■自動運転業界マップ JPG版:ダウンロード
https://jidounten-lab.com/wp/wp-content/uploads/2019/05/jidounten_map_2019_spring.jpg

2018年7月に発表した「2018年夏 最新版」より掲載数が44増え、全182企業・機関・ファンドが掲載されている。カテゴリーは「自動運転開発を進める自動車メーカー」「ソフトウェア・プラットフォーム系」「センサー・部品系」「サービス系」「インフラ系」「ファンド系」「大学・研究機関系」に7分類されており、各企業などの所在国も分かるようマークも入っている。

※次回更新の業界マップへのロゴの掲載を希望される企業や機関のご担当者様は「[email protected]」までご連絡下さい。

■自動車メーカー:メーカー同士の提携も目立つように

自動運転技術を軽視している自動車メーカーはもはや無いと言っていい。日本のトヨタ、米国のGMやテスラ、欧州のフォルクス・ワーゲン(VW)などを筆頭に、ほぼ全ての自動車メーカーが自動運転技術もしくは運転支援技術の開発を何らかの形で進めている。自動車メーカー同士の提携なども目立つようになってきた。「一人負け」を回避するための思惑も見え隠れするが、開発費を抑制する意味もある。



■ソフトウェア・プラットフォーム系:引き続きIT系企業が存在感

IT系企業が自動運転システムの開発で存在感をみせている。米グーグル(ウェイモ)や中国百度のほか、最近ではロシアの検索大手ヤンデックスの取り組みにも注目が集まるようになってきた。AuroraやZooxなどの自動運転システム開発を手掛けるスタートアップやベンチャー企業は業界におけるプレゼンスを全く下げておらず、むしろより一層、自動運転業界における台風の目となってきている。

■センサー・部品系:LiDARの低価格化や量産への取り組み進む

「自動運転の目」と呼ばれるLiDAR(ライダー)の低価格化と量産化に各社が取り組み始めている。2020年代には自動運転機能を搭載した車両が実際に市販されるようになることから、メーカー側からの値下げ要求も今後強くなっていくとみられる。パイオニアや東芝、リコー、京セラなども、LiDARの開発について積極的に情報発信を行うようになり、展示会で最新技術を見掛けることも多くなってきた。

■サービス系:「ラストワンマイル×自動運転」の相性は抜群

人手不足が深刻化している日本において、「ラストワンマイル」と「自動運転」の相性は抜群だ。ZMPは既に無人配送ロボットを発表しており、堀江貴文氏がアドバイザーを務めるHakobotの開発にも期待が高まる。海外では既にアメリカなどでスーパーの商品をロボットに届けさせる取り組みが試験的に始まっている。最近では自動運転車向けのコンテンツビジネスへの注目も高まっている。

【参考】関連記事としては「ラストワンマイル向けの物流・配送ロボット10選」も参照。

■インフラ系:5G社会の到来前に実証実験など頻繁に

5Gは転送スピードのほか超低遅延性や同時接続性などにも長けていることから、自動運転車やコネクテッドカーを実現するための構成要素として以前から注目されてきた。各国でいよいよ5Gサービスの提供が始まるのを前に、日本ではソフトバンクなどの通信関連各社が自動運転領域におけるビジネスチャンスを掴もうと実証実験などに取り組んでいる。ダイナミックマップに関連するビジネスも今後増えていくことが予想される。

■ファンド系:ビジョン・ファンドの第2号ファンドに注目

「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」とトヨタが出資する「未来創生ファンド」、そして中国・百度系の「Apollo Fund」が自動運転領域においては存在感が大きい。ビジョンファンドは第2号ファンドが年内に立ち上がる可能性が出てきており、既存の投資先企業に対する一層の資金拠出や世界のスタートアップ企業への新規投資に関する話が2019年後半は続々と出てきそうだ。

■大学・研究機関系:名古屋大学や東京大学、群馬大学などが目立つ

日本においては、名古屋大学と東京大学、そして群馬大学が自動運転領域において特に存在感が大きい。名古屋大学発のベンチャー企業ティアフォーは、オープンソースの自動運転OS(基本ソフト)「Autoware」を世界展開しており、群馬大学は自動運転の実証実験などでたびたび名前が登場する。

■【まとめ】「売上ゼロ」の時代はもうすぐ終わる

自動運転レベル3(条件付き運転自動化)以上の車両数は2040年に4000万台規模に達するという推測もあるなど、今後の自動運転市場の拡大は確定的な様相だ。今はまだ「売上ゼロ」の時代だが、自動運転タクシーの普及や自動運転車の市販化を経て、マーケットサイズは急速に膨脹していく。参入企業もより増えていくことだろう。

【参考】関連記事としては「AI自動運転やMaaS、ライドシェアなどの将来市場規模予測10選」も参照。


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