自動運転関連の投資信託・ETF一覧(2022年最新版)構成銘柄は?

新興EVメーカーや半導体企業も投資対象に



VCなどが多額の資金を投じ始めている自動運転業界。次々と頭角を現すスタートアップやベンチャー企業への先行投資をはじめ、自動運転技術に関連した製品開発などを手掛ける上場企業にも投資の目は向けられており、近年は個人投資家向けに自動運転銘柄をピックアップした投資信託やETF(上場投資信託)も登場している。







日本の投資信託としては「グローバル自動運転関連株式ファンド」と「eMAXIS Neo 自動運転」がある。それぞれどのような銘柄を選択しているのか。そして運用成績はどのようになっているのか。アメリカの自動運転関連のETFにはどのようなものがあるのか?

2022年5月末時点の情報をもとに解説していく。

■投資信託「グローバル自動運転関連株式ファンド」
出典:「グローバル自動運転関連株式ファンド」紹介ページ

三井住友DSアセットマネジメントが運用するファンドで、自動運転技術の進化・普及により業績拡大が期待される日本を含む世界の企業の株式を対象に投資している。2017年に募集が開始された。

米国の独立系運用会社ニューバーガー・バーマン・グループが運用会社として自動運転の実現に必要な技術の競争状況を分析し、ポートフォリオを構築する「オートノマス・ビークル・ファンド」に約96%が投資されている。

同ファンドは、世界の上場企業主要3,000社のうち、米国をはじめ35カ国約1,500銘柄の中から自動運転関連の売上高または研究開発支出が全体の5%超の約200銘柄を抽出。個別銘柄の詳細調査を行い、35~65銘柄程度でポートフォリオを組み、投資魅力度を基に流動性、国別配分、セクター別配分を考慮してウェイトを決定している。

運用開始時点(2017年4月)の基準価額は1万円で、2022年5月2日時点の基準価額は1万7,944円(「為替ヘッジなし」の場合)となっている。以下は2022年3⽉31⽇時点の組⼊上位10銘柄。

  • 1位:アナログ・デバイセズ(比率4.7%)
  • 2位:トリンブル(比率3.6%)
  • 3位:モノリシック・パワー・システムズ(比率3.2%)
  • 4位:アンシス(比率3.1%)
  • 5位:ツー・シックス(比率3.1%)
  • 6位:アンフェノール(比率3.0%)
  • 7位:キャタピラー(比率3.0%)
  • 8位:ディア(比率2.9%)
  • 9位:MPマテリアルズ(比率2.7%)
  • 10位:NXP・セミコンダクターズ(比率2.5%)

▼グローバル自動運転関連株式ファンド
https://www.smd-am.co.jp/fund/177106/

■投資信託「eMAXIS Neo 自動運転」
出典:「eMAXIS Neo 自動運転」紹介ページ

三菱UFJ国際投信が運用するファンドで、米国の金融商品取引所に上場している日本を含む世界各国の自動運転関連企業の株式などに投資を行い、自動運転企業のパフォーマンスを測定するよう設計されたS&P Kensho自動運転車指数に連動することを目指すよう運用されている。2019年に募集が開始された。

運用は主に自動運転関連株式インデックスマザーファンドへの投資を通じるファミリーファンド方式によって行っており、ベンチマーク採用銘柄を主要投資対象に据え、モニタリング結果に加えファンドの資金動向やベンチマーク構成の変動などを考慮してポートフォリオ案を作成している。

運用開始時点(2019年5月)の基準価額は1万円で、2022年5月2日で基準価額は2万6,666円となっている。以下は2022年3⽉31⽇時点の組⼊上位10銘柄だ。ちなみにこの投資信託は同日時点で31銘柄で構成されている。

  • 1位:VEONEER INC(比率5.2%)
  • 2位:LUMINAR TECHNOLOGIES INC(比率4.6%)
  • 3位:VISTEON CORP(比率4.6%)
  • 4位:ALLEGRO MICROSYSTEMS INC(比率4.6%)
  • 5位: TESLA INC(比率4.4%)
  • 6位:FORD MOTOR CO(比率4.4%)
  • 7位:INNOVIZ TECHNOLOGIES LTD(比率3.8%)
  • 8位: GENERAL MOTORS CO(比率3.8%)
  • 9位:ON SEMICONDUCTOR(比率3.8%)
  • 10位:INTEL CORP(比率3.5%)

▼eMAXIS Neo 自動運転
https://emaxis.jp/fund/253585.html

■自動運転がテーマのETFは?

アメリカ市場に上場している自動運転がテーマのETF(上場投資信託)もある。「ARKQ」(ARK Autonomous Technology & Robotics ETF)、「IDRV」(iShares Self-Driving EV and Tech ETF)、「DRIV」(Global X Autonomous & Electric Vehicles ETF)などだ。

  • ARKQ(ARK Autonomous Technology & Robotics ETF)
  • IDRV(iShares Self-Driving EV and Tech ETF)
  • DRIV(Global X Autonomous & Electric Vehicles ETF)
■ETF「ARKQ」(ARK Autonomous Technology & Robotics ETF)
出典:NASDAQ公式サイト

ARKQの銘柄トップ10は以下の通りだ。

  • 1位:テスラ(比率9.8%)
  • 2位:クラトス・ディフェンス・アンド・セキュリティー・ソリューションズ(比率7.7%)
  • 3位:トリンブル(比率7.2%)
  • 4位:UiPath Inc(比率5.2%)
  • 5位:エアロバイロンメント(比率5.0%)
  • 6位:ディア(比率4.9%)
  • 7位:小松製作所(比率4.9%)
  • 8位:イリジウム・コミュニケーションズ(比率4.6%)
  • 9位:Blade Air Mobility Inc(比率3.8%)
  • 10位:テラダイン(比率3.2%)

1位はテスラ。テスラはまだ自動運転機能を提供できていないが、有料オプションのFSD(Full Self-Driving)のアップデートにより、将来的に自動運転機能を提供することを目指している。自動運転タクシーサービスを商用化する計画もある。

例えば3位のトリンブルはアメリカの計測機器メーカーで、GPSやレーザー、光学・慣性技術などを活用した位置情報サービスを提供している。日本企業のニコンと合弁企業を設立しており、自動運転システムや自律走行システムに役立つ技術の開発を進めている。

6位のディアはアメリカの大手農機メーカーで、自動運転トラクターなどの開発に力を入れている。

▼ARKQ
https://ark-funds.com/funds/arkq/

■ETF「IDRV」(iShares Self-Driving EV and Tech ETF)
出典:NASDAQ公式サイト

IDRVの銘柄トップ10は以下の通りだ。

  • 1位:アップル(比率5.3%)
  • 2位:インテル(比率4.8%)
  • 3位:テスラ(比率4.8%)
  • 4位:トヨタ自動車(比率4.8%)
  • 5位:アルファベット(比率4.5%)
  • 6位:クアルコム(比率4.3%)
  • 7位:サムスン電子(比率4.0%)
  • 8位:イートン(比率3.5%)
  • 9位:フォード・モーター(比率3.4%)
  • 10位:エヌビディア(比率3.4%)

Appleが1位なのが特徴的だ。Appleは秘密裏に自動運転プロジェクトを進めていることで知られている。イスラエル企業のMobileyeを買収して自動運転事業に取り組んでいるインテルが2位。

自動運転EV(電気自動車)としてe-Palette(イーパレット)を開発している日本のトヨタ自動車が組成比率で4位となっている。5位のアルファベットは関連会社のWaymoがすでに自動運転タクシーを商用化している。

▼IDRV公式ページ
https://www.ishares.com/us/products/307332/ishares-self-driving-ev-and-tech-etf

■ETF「DRIV」(Global X Autonomous & Electric Vehicles ETF)
出典:NASDAQ公式サイト

DRIVの銘柄トップ10は以下の通りだ。

  • 1位:アップル(比率3.5%)
  • 2位:アルファベット(比率3.2%)
  • 3位:テスラ(比率3.2%)
  • 4位:インテル(比率3.1%)
  • 5位:トヨタ自動車(比率3.1%)
  • 6位:ハネウェルインターナショナル(比率3.0%)
  • 7位:クアルコム(比率3.0%)
  • 8位:エヌビディア(比率2.7%)
  • 9位:マイクロソフト(比率2.2%)
  • 10位:ソシエダード・キミカ・イ・ミネラ・デ・チリ(比率1.9%)

先ほど紹介したIDRVと組成比率は似ているが、1銘柄当たりの比率はIDRVよりも小さい。1位はアップルで3.5%、2位はアルファベットで3.2%、3位はテスラで3.2%となっている。

▼DRIV公式サイト
https://www.globalxetfs.com/funds/driv/

■成長続ける自動運転業界

上場企業の株価はおおむね既存事業の業績に左右されるが、将来技術に関するニュースが株価を大きく上げることも珍しくない。また、そうした技術が将来実際に実装された際のインパクトは計り知れず、中長期目線で投資対象とするケースも多い。

自動運転技術は現在、自家用車向けのレベル3や移動サービス向けのレベル4の社会実装がようやく始まった段階だ。これから訪れる普及期は、自動運転システムの高機能化・高信頼性化が図られるとともに通信設備や情報処理設備、インフラ整備など本格的に実需に結び付いていく時期となる。

米調査会社のGrand View Researchによると、2030年までの自動運転市場は年平均成長率(CAGR)63.1%で成長するという。また、LiDARや車載向け半導体、車載インフォテインメント、デジタルマップ、HMIなど、軒並み市場規模を数倍から数百倍まで拡大するという予測が各調査会社から発表されており、自動運転業界が成長分野であることは否定できないだろう。

もちろん、業界全体が右肩上がりの成長を続けるからと言ってリスクがないわけではない。競争の結果敗れる企業もあれば、次々と誕生する最先端技術の波にのまれるケースもあるだろう。

■【まとめ】有望性あふれる自動運転は投資の花形に?

自動運転分野の有望性はもはや語るまでもないことだろう。投資対象として非常に大きな魅力を有するが、リスクヘッジを怠ってはならない。その意味では、専門家による分析のもとポートフォリオが組まれている投資信託はお勧めなのかもしれない。

投資信託に身を投じるも良し、抽選必然のIPO(新規株式公開)狙いでスタートアップに目を付けておくのも良し、上場企業の最新情報に網を張っておくのも良し、だ。いずれにしろ「投資は自己責任」が原則となるが、少額であれ自動運転業界の発展に寄与した気持ちを持てることが最大のメリットかもしれない。

■関連FAQ
    自動運転関連の投資信託は?

    三井住友DSアセットマネジメントが運用する「グローバル自動運転関連株式ファンド」や、三菱UFJ国際投信が運用する「eMAXIS Neo 自動運転」が挙げられる。

    自動運転関連のETFは?

    「ARKQ」(ARK Autonomous Technology & Robotics ETF)と「IDRV」(iShares Self-Driving EV and Tech ETF)、「DRIV」(Global X Autonomous & Electric Vehicles ETF)が挙げられる。

    日本の証券会社で自動運転関連の投資信託やETFは購入できる?

    日本の投資信託は基本的には購入できるが、アメリカ市場に上場している3つのETF(ARKQ、IDRV、DRIV)は、2022年5月時点では少なくとも日本のメジャーな証券会社では取り扱いがないようだ。

    そもそも「投資信託」とは?

    投資信託とは、一定の投資方針に従って運用会社が運用するファンドのことで、投資家はその投資信託を保有することで、資産運用を委託する形となる。運用益が出れば基準価額(※株式における「株価」のこと)が上がり、運用損が出れば基準価額が下がる。

    そもそも「ETF」とは?

    普通の投資信託は証券取引所に上場していないため、リアルタイムに売買ができず、売買機会は1日に1度といった形になっている。一方でETFは「上場投資信託」という名称の通り、投資信託でありながら株式などと同様に証券取引所に上場しており、証券取引所の立会時間中はリアルタイムに売買が可能だ。

(初稿公開日:2020年9月30日/最終更新日/2022年5月30日)

【参考】関連記事としては「自動運転、米国株・日本株の銘柄一覧(2022年最新版)」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)









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