フォークリフトの遠隔操作、コクヨが「PS5のコントローラー」採用か

東大発スタートアップARAVとタッグ



出典:(左)ARAVプレスリリース/(右)PlayStation公式サイト

コクヨグループの株式会社コクヨロジテム(本社:大阪府大阪市/代表取締役社長:松浦鉄男)は、東京大学発スタートアップのARAVとフォークリフトの遠隔操作・自動運転技術の実証実験を2024年8月から開始した。

遠隔操作では、ゲーム機のコントローラーを使用してフォークリフトを動かしているように見える。プレスリリースで公開されている写真を拡大すると、その形は比較してみると、ゲーム機の「PlayStation 5」(PS5)とほぼ同様だ。


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■フォークリフトの遠隔操作・自動運転技術開発

今回の実証実験では、建設現場のDX実現を目指すARAVが開発する機器をコクヨロジテムが保有するフォークリフトに搭載し、遠隔操作・自動運転技術の開発に取り組む。物流現場における業務効率化と、働きやすい環境づくりを目的としている。

なおこの取り組みは、コクヨロジテムが物流倉庫内の作業効率化に関するアイデアを募った「実験場コンテスト」の受賞団体に対して実証実験の機会を提供し、各受賞団体の提案技術の実現を目指すものだ。このコンテストにおいてARAVは、「物流倉庫内におけるフォークリフト操作の自動化・遠隔操作化技術の開発企画」というアイデアで最優秀賞を受賞している。

遠隔操作・自動運転技術は、既存のフォークリフトに機器を後付け搭載する点に特色があるという。後付け搭載の技術が実現することで、物流事業者はこの技術の導入に自社が保有するフォークリフトを活用することが可能になる。それにより、現場の課題解決が期待される技術を取り入れやすくするというメリットがある。

出典:ARAVプレスリリース

■遠隔操作室から倉庫内のフォークリフトを・・・

実証では、コクヨロジテム配送センターに設置した遠隔操作室から倉庫内にあるフォークリフトを稼働させ、走行確認やハンドル操作といった標準動作の確認と、作業ルート上でのパレット搬送の試験を実施する。今後、自動運転についても同様の実証を行う予定だという。


遠隔操作の技術開発により、冷暖房設備のない過酷な倉庫環境下での作業減少や、オペレーターの勤務場所の制限緩和などが実現し、物流現場における働きやすい環境づくりを行うことが見込める。また自動運転技術の開発では、無人フォークリフト活用による人件費削減のほか、作業可能時間の拡大などが実現でき、物流現場の生産性向上・業務効率化が期待できるという。

出典:ARAVプレスリリース

■ゲーム機のコントローラーは自動運転車でも

冒頭でも少し触れたが、ゲーム機のコントローラーはモビリティ業界の開発現場で結構活躍している。

仏Navya(現GAUSSIN MACNICA MOBILITY)の自動運転シャトル「ARMA」では、ゲーム機「Xbox」のコントローラーが手動操作のための端末として採用されている。ARMAは自動運転レベル4で走行することを前提に設計された車両で、ハンドルがないのが特徴だ。

この車両は、茨城県の境町で定常運行している。現在は運転手が乗車して監視するレベル2で走行しているが、将来的にはレベル4での運行を目指している。レベル2ではドライバーの監視が必要になるが、実際にはほとんどの部分を自動運転で走行しているという。


その手動操作で用いられているのが、Xboxのコントローラーだ。運行を手掛けるBOLDLYによると、信号のある交差点を通過したり路上駐車を回避したりする際に、トレーニングを受けた車内のオペレーターが必要な判断のもと手動操作しているという。

なお2024年9月からは、研究開発施設「羽田イノベーションシティ」(HICity)にてレベル4で運行するARMAに乗車できる体験イベントが開催されている。

■今後は「Nintendo Switch」のコントローラーも?

コクヨロジテムでは、このたび実証実験を開始した技術の実現が、物流現場において深刻化する労働力不足の解決へつながると考えており、今後もこの取り組みを推進していく。

自動運転や遠隔操作の分野とゲーム機は、一見関連性がないように思えるが、コントローラーが自動運転・遠隔操作を支えているということがある。ゲーム機のコントローラーならボタンやスティック類も限られ、それほど難しい知識や技術が必要なくても操作しやすそうだ。

今後は「Nintendo Switch」や「Wii」などのコントローラーも採用されていくかも!?

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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