日野自動車子会社のNEXT Logistics Japan株式会社（本社：東京都新宿区／代表取締役：梅村 幸生）＝NLJ＝はこのほど、自動運転フォークリフトと自律走行搬送ロボットの連携による荷役作業の自動化を2023年7月から開始したことを発表した。
現在は主に手動操作のフォークリフトにより荷物の積み下ろしを行い、目的の場所まで運ぶのが当たり前になっているが、この作業には人間の介入が必須で、かなりの重労働となっている。それを自動化できれば、効率化と省人化が期待できそうだ。
■自動運転フォークリフト×自律走行搬送ロボット
NLJは、自動運転フォークリフトと自律走行搬送ロボットを用いたトラックへの荷積み・荷下ろし、および荷姿の標準化について検証を行い、自動荷役技術が一定の条件下で社会実装可能なレベルであることを確認したと、2023年3月に発表した。
その成果により今回スタートした荷積み・荷下ろしの自動化では、NLJ相模原センターに日々入庫する一部支線便トラックからの荷下ろしと、トラックの両側からの同時荷役を実装した。フォークリフトが自動でトラックから荷物を下ろして運び、自律走行搬送ロボットに乗せて移動するというものだ。
荷姿標準化も平行推進し、自動荷役の物流業界全体への普及を目指すとしている。今後、トラックへの荷積みや荷積み・荷下ろし時間の短縮、同一荷室内における異種混載パレットの荷役にも取り組んでいくという。
なおアイシンが自律走行搬送ロボットの提供、豊田自動織機が自動運転フォークリフトの提供を行っているようだ。
■輸送システムの自動化を進める先進企業
NLJは、ドライバー不足や積載率の低下など、課題に直面する物流業界の顧客のニーズに応えるための新しい物流のかたちを提案する新会社として、日野自動車により2018年6月に設立された。ドライバー不足解消や積載率向上による物流効率の最適化のほか、労働時間の適正化、輸送品質の向上、環境負荷の低減、物流の利便性向上に取り組んでいる。
幹線輸送の効率化・省人化を目指した新たな運送スキームの運用や、あらゆる荷主企業・運送事業会社が利用できる物流の仕組みの確立を目指しており、ダブル連結トラックの実走や、ドライバー・車両・荷物情報の高度な連携・活用に向けてのデータ取得・活用の検証なども行っている。
同社は2021年度から、経済産業省による「物流MaaSの実現に向けた研究開発・実証事業」実施団体として選出されており、今回の自動荷役実装もその一環として行われている。
■2024年問題への解決の一助に
NLJは、物流2024年問題として始まる「モノが運べなくなる」という社会課題の解決を目指し、同社が構築する高効率輸送スキームをより幅広い荷主や物流事業者と一緒に推進すべく、自動荷役技術のさらなる発展に向けた取り組みに対しスピード感をもって取り組んでいくという。今後の進捗にも注目だ。
【参考】関連記事としては「迫りくる2024年問題、カギを握る「自動運転化」」も参照。
