東京都が開催する未来の都市モデルを発信する国際イベント「SusHi Tech Tokyo 2024」で、トヨタが自動運転タクシー向けに開発した「シエナAutono-MaaS」などが出展される。
この車両は、トヨタが北米などに向けて販売している日本未発売のミニバン「シエナ」を自動運転化したものだ。米国を中心に活用されているシエナAutono-MaaS。大きな注目を集めそうだ。
■MONET Technologiesが展示
SusHi Tech Tokyo 2024では「体験・共感を生む発信の拠点」として、2024年5月17〜21日に有明アリーナ会場で3つの自動運転車両が紹介される。
▼「SusHi Tech Tokyo 2024」ショーケースプログラム コンテンツ発表 第3弾|東京都
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2024/04/26/09.html
トヨタとソフトバンクの共同出資会社であるMONET Technologies(モネ・テクノロジーズ)が、シエナAutono-MaaSを展示する。また米GM、Cruise、ホンダが共同開発した運転席のない自動運転車両「クルーズ・オリジン」、自動運転スタートアップのティアフォーによる「シャトルバス」も展示される。クルーズ・オリジンとシャトルバスについては、実際に車内に乗り込むこともできるようだ。
さらにサブアリーナでは自動運転を学べる4つの特設コーナーが設置される。自動運転の基礎知識や車両を紹介するパネルの展示、先進事例の実証実験映像の紹介などを行う「プロモーションコーナー」のほか、子ども向けのレクチャーなどを行う「ワークショップ」などがある。
専門家による技術紹介やタブレットクイズを通じ、自動運転を詳しく知ることができる「自動運転コンシェルジュ」や、ミニカー展示を見ながら車のおもちゃで遊べるキッズコーナー「プレイグラウンド」も用意されているという。
■トヨタの自動運転車「シエナAutono-MaaS」
トヨタは、中国発の自動運転開発企業Pony.aiとの提携を2019年8月に発表し、2022年1月には、当時開発中であったシエナAutono-MaaSに、Pony.aiが開発した第6世代の自動運転システムを搭載し、今後中国で商用展開する予定であることを明らかにしている。
また2022年9月に自動運転ベンチャーの米May Mobilityが、シエナAutono-MaaSを活用した公共交通プログラムをミネソタ州でスタートすることを発表した。この車両は「米国障害者法」に準拠した福祉自動運転車で、車いすに対応したものだ。May Mobilityは交通系テック企業のViaと協力し、このプログラムを展開していくという内容であった。これは、シエナAutono-MaaSとしては初の商用サービスとなったようだ。
【参考】関連記事としては「トヨタの自動運転用シエナ、初の商業利用か!米May Mobilityが発表」も参照。
また2023年12月には、May Mobilityがアリゾナ州の退職者コミュニティ地区でシエナAutono-MaaSを用いたドライバーレスの自動運転サービスのアーリーライダープログラムを開始している。
【参考】関連記事としては「米May Mobility、トヨタ車で「完全無人」自動運転サービス 毎秒何千のシナリオ分析」も参照。
■e-Paletteも並行して開発中
ちなみにトヨタは自動運転シャトル「e-Plette(イーパレット)」も開発し、2021年に開催された東京オリンピック・パラリンピックの選手村などで走行させている。
2024年1月には「手動運転」での乗客を乗せた実証を実施。多用途に活用できるモビリティのため、手動運転からスタートし、その後自動運転の実装を図っていく計画のようだ。
トヨタの自動運転戦略に、引き続き注目だ。
【参考】関連記事としては「トヨタe-Paletteを「手動運転」で使用!豊田市、自治体初の「乗客あり」実証」も参照。