Googleの自動運転車、Tシャツの「STOP」絵柄に騙される

4回中3回も誤認識、一時停止してしまう



出典:Instagram@jasonbcarr

アメリカである動画が波紋を広げている。「STOP」(ストップ)という道路標識をプリントしたTシャツを着た人物がGoogleの自動運転車の前に突然姿を現し、車両がどういう反応をするのか試してみた、という動画だ。

結果はなんと、Googleの自動運転車は4回中3回もそのプリントを道路標識と勘違いしてしまい、一時停止してしまった。


■4分の3の確率で誤認識

あるデジタルクリエイターが、STOPと赤くプリントされたTシャツを着て、道の端に立ってみた動画をInstagramに2回アップしている。標的になったのは、Google系Waymoのドライバーレスの自動運転タクシーだ。

1度目の動画は、「Waymoの安全性テスト」として2024年2月に公開された。「シャツでWaymoの自動運転車をコントロールできる秘密を知りたい?」とのコメントとともに、路肩に立っている様子が映っている。Waymo車は、Tシャツのプリントを一時停止の看板と誤認識し、一時停止してしまう。

 

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2回目は、同年4月にアップされた。「道路に人がいたから停止したのか?それとも本当に一時停止の標識があったからなのか?答えはこちら」として、同じTシャツを着て路肩に立つテストを4回行った。

 

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1回目は昼間で、Waymo車は誤認識して一時停止した。2回目は夕暮れで、やはり一時停止した。3回目は夜間であったが、Waymo車は停止せずに通り過ぎた。4回目も夜間で、Waymo車は一時停止し、このTシャツを着た人物が立ち去るまで再発進しなかった。


なおこの動画には、「このマジックを悪用しないでね。子どもたち、外では安全に気をつけてね」とのコメントも添えられている。やってはいけない悪ふざけだと自覚しての行為なのだろう。

■「悪質ないたずら」という批判も

これらの動画をアップ後、誤認識という結果を面白がるコメントのほか、悪質ないたずらだという批判も寄せられている。自動運転タクシーを緊急時に呼び出している人がいるかもしれないし、決められたルートを問題なく走っていたWaymo車の行動を台無しにしたからだ。

また、同じように道路標識がプリントされた服を着て、このいたずらを模倣する人も出てくるかもしれない。

なおWaymoは世界で初めて自動運転タクシーの商用化を行った企業で、トップレベルの自動運転技術を有している。

■日本では「天下一品」のロゴを誤認識

日本ではホンダADAS「Honda SENSING(ホンダセンシング)」が、ラーメンチェーン「天下一品」のロゴを「車両進入禁止」の道路標識に誤認識するという事例が最近複数SNSなどに投稿されている。

ローソンで天下一品フェアをやっていたため、普段は店舗でしか見かけない天下一品のロゴが街じゅうにあり、誤認識が頻発した。

こういった事態が今後起きないよう、自動車メーカーや自動運転技術開発各社は、画像認識に関連する判断ミスが起きないよう、技術力を高める必要がある。

【参考】関連記事としては「天下一品のロゴ、ホンダ車が「進入禁止」と再び誤認識」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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