
ヨーロッパの主要17カ国の交通担当相らが、自動運転車の試験運用における協調的アプローチについて、自動運転車の国境を超えた「クロスボーダー型」の共同宣言に署名した。
署名国には、フランス、ドイツ、イタリア、ポーランド、スウェーデンなどが含まれており、これまで国ごとに異なっていた自動運転技術の試験枠組みを共通化することを目指す。
現在の欧州連合(EU)を中心とする地域では国境検問が廃止され、ドライバーは免許証を保有していれば、まるで一つの国の中を移動するかのように、簡単で自由に行き来することができる。
この「移動の自由」に関して、今回の合意ではそのことに言及されているわけではないものの、将来的には人間ドライバーのみならず「自動運転車」もまた、国境を自由に行き来できる機運が高まったと言えそうだ。
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■米中に遅れをとってきた欧州
すでにアメリカや中国の都市では、無人のロボタクシーが日常的に街を走り、商業サービスを展開している。そんな中、ヨーロッパにおける自動運転の実用化は遅れをとってきた。
その背景について、自動運転の専門家であるHerve de Treglode氏は「欧州の高度に発達した公共交通網の存在や、車両にセーフティドライバーの同乗を義務付けるといった各国の個別の規制などの課題がある」と指摘する。
しかし、今回の共同宣言によって共通の枠組みが成立すれば、来年からヨーロッパの各都市でロボタクシーの商業利用が一気に加速する可能性があるという。「ロンドンやマドリードなどはすでに受け入れの準備ができつつある」と同氏。
■主役は「中国企業」の現状
また興味深いのは、現在のヨーロッパにおける自動運転の主役は「中国企業」という点だ。
中国のBaidu傘下であるApollo Go社は、今年後半にロンドンでの実証実験に参加する予定だ。またWeRide社はスペインのマドリードでのサービスに関与し、また別の中国テック企業Momentaもドイツのミュンヘンでの試験に参加している。
さらに4月には、世界的企業である米国の配車大手ウーバーがクロアチアの首都ザグレブで、やはり中国のPony.ai社の技術を用いた商業ロボタクシーサービスを開始している。
■「自動運転の国境の壁」撤廃へ?
いずれにしても、今回の17カ国による合意は共通の試験枠組みの構築に過ぎず、最初からすべての自動運転車が自由に国境を越えられるわけではない。
しかし各国が足並みを揃えることは、将来的に欧州全域で統一された走行基準を確立するための不可欠なプロセスであり、その後の「自動運転の国境の壁」の撤廃にもつながることも期待されることは確かだ。引き続き、注目したい。
【参考】関連記事としては「ロボタクシー、欧州制覇は「トヨタじゃなく」中国企業か」も参照。













