クルマを「購入」するのではなく「利用」するという考え方が広まるにつれ、カーリースの人気も高まっている。カーリースでは、車にまつわる費用をコミコミの月々定額でマイカー感覚で利用できる。
契約期間終了後にはその車をもらえるというプランがあるケースもあり、カーリースはなかなか魅力的だが、ネットでは「やめとけ」「やばい」という声も聞く。一方で、カーリースの利用が合っている人には「格安で良かった」「車を買う前に数年乗って乗り心地を確かめられた」といった声もある。
カーリースを「やめとけ」「やばい」という人は、どんな欠点やデメリットを感じているのだろうか。失敗談も合わせて紹介する。
【参考】関連記事としては「新車中古車カーリース・サブスク、おすすめ16社を比較!月額料金・口コミ・評判は?」も参照。
記事の目次
■カーリースが「やめとけ」「やばい」と言われる理由
毎月定額の支払いのみで車を利用できるカーリース。しかし「利用はやめておいたほうがいい・勧めない」という声もある。ではカーリースには具体的にどんなデメリットがあるのだろうか。主なものを紹介する。
デメリット:購入より支払総額が高くなる
月々1万円以内からあるカーリース。一見安く思えるが、最低価格はボーナス併用払いの場合の月額となっていることがほとんどだ。では、トータルの支払総額は購入と比べてどうなるのだろうか。具体的に比較してみた。
例えば、A社のカーリースではトヨタの「ヤリス」が月額1万6,720円から利用できる。これは、ボーナス併用払いで7年契約の場合だ。支払総額は294万4,480円になる。同グレードのヤリスの新車は、200万円〜200万円前半となる。
そのため、場合によってはカーリースの方が購入するより高くなることがある。ただしカーリースの支払総額には、車両本体の価格のほか、自動車税や保険、車検、メンテナンス代金などが含まれている。この差額をどう見るのかは、人によって分かれるところだろう。
デメリット:走行距離制限がある
カーリースを提供している会社は多数あるが、走行距離制限を設けていることがほとんどだ。年間で5,000〜2万キロというのが一般的で、月間では1,000キロ・1,500キロ・2,000キロ・3,000キロなどのプランを選べることが多い。
カーリースでは契約終了後に車を返却することになる。その際に利用した車の価値を決める大きな要素が走行距離で、走行距離が多くなればなるほど市場価値が低くなる。元々カーリースは残価(リース契約満了時の予想査定価格)を設定し、それを新車価格からあらかじめ引くことでカーリースの料金を安く設定できるという仕組みになっているため、走行距離は重要なポイントになるのだ。
走行距離が非常に多くなるということが分かっているのであれば、カーリースより購入の方が向いているかもしれない。
デメリット:車両のカスタムができない
車両のカスタム・改造についてはカーリース各社で範囲が決められている。一般的なカー用品の取り付けは可能だが、契約満了時には原状回復する必要があるといった決まりがある。改造が全く不可となっているサービスもあるため、契約前によく確認しよう。ただし、ごくわずかだが改造が可能なカーリースサービスもある。
デメリット:好きなメーカーや車種を選べない
自動車メーカー系のカーリースの場合、そのメーカーの中で扱っている車種を選択することになる。ただし、ほとんどのカーリースサービスでは日系主要メーカーのさまざまな車両タイプの幅広いラインアップの中から選べるようになっている。中には、輸入車も多数取り扱っているサービスもある。
なお中古車のカーリースでは、その時点での在庫の中から選ぶことになるため、希望の車種を選べないことがある。
■カーリースで実際に起きた失敗談や後悔例
実際にカーリースを利用した人は、どんな失敗や後悔があるのだろうか。リース契約の内容や支払いプランは途中変更できないことがほとんどで、契約前に決めた内容についてのネガティブな口コミが多い印象だ。
- 転勤中に利用するためカーリースを契約したが、転勤期間が当初より短くなったため、高額な解約金を支払うことになった
- メンテナンスプランを一番安いのにしたが、オイル交換や消耗品なども全部込みのプランにした方が楽だし費用を気にせず交換できたと思う
- 契約終了後に再契約し、同じ車に長く乗っている。買った方が結局は安かったが、最初は数年で乗り換えるつもりだった
- あるカーリースと契約したあとで、契約満了後に車をもらえるプランがある会社があるということに気づいた。先のことは分からないが、もらえるという選択肢があった方が良かったと後悔している
- 子どもがいるので、きれいな状態で返却できるかは難しい。汚さないか常に気をつけるのに疲れてしまった
- 利用したかったが、審査に落ちてしまったため他の方法を検討中
■一方でカーリースがおすすめの人もいる
カーリースについて「やめとけ」という声がある一方、カーリースという利用方法が合っている人もいる。カーリースは月額の安さがクローズアップされがちだ。しかし車にまつわる費用がコミコミのため、税金や車検の手続きを個人でするのが面倒くさいという人には安さ以上の価値があるとも言える。
車を数年のみ利用する人
子どもの送迎用のセカンドカーなど、利用期間がはっきり決まっている人にはカーリースがおすすめだ。新車を購入する場合、始めに大きな費用の支払いが発生する。カーリースでは月ごとの支払いで済むため、最初の負担が軽減される。
新車を数年単位で乗り換えていきたい人
常に最新の車種に乗っていたいという人にとって、カーリースはうってつけの利用方法だ。毎回新車を購入して数年で乗り換えるのはもったいないし、買い替え手続きは手間がかかる。1つのカーリースのサービス内で新しい車を契約していくのが一番簡単だと言える。
税金や車検などの各種手続きが面倒な人
税金の支払いのほか、車検をどの整備工場に依頼するかを決めるなど、車を所有するとさまざまな雑務が発生する。カーリースの場合、月額に税金や車検代も含まれているため、支払期限などを気にする必要がない。また指定の整備工場があるため、安心して任せることができる。ただしメンテナンスプランによっては車検が含まれていないこともあるため、プランの選択時によく確認しておこう。
月々一定の支出にしたい人
カーリースを利用する大きなメリットが「マネープランを立てやすい」という点だ。車を購入して所有する場合、車検や税金、保険、故障などに備えまとまった金額を用意しておく必要がある。カーリースでは月々の料金が決まっているため、先の計画を立てやすい。
■カーリースで満足している人の口コミ
カーリース・クルマのサブスクを利用して満足している人は、どういった部分を評価しているのだろうか。費用に関するものが最も多いが、サービス内容についても好意的な口コミが寄せられている。
- 免許を取って初めての車で、どんな車種にすれば良いか分からなかった。そのためカーリースを3年だけ利用して、その後購入という流れにしたが、自分に合っている車がどういったものかをよく知ることができた
- 親の免許返納前最後の車をカーリースにした。長く乗るつもりはなかったので契約年数が決まっているカーリースがちょうど良かったし、「契約終了だから」という理由で免許返納もスムーズにできた。購入していたらダラダラと乗って返納できずにいたと思う
- 予算がなかったが新車に乗ってみたかったので、格安のカーリースにした。毎月2万円ちょっとでメンテナンスも付いていたのがすごく安心だった
- 新車を買ったが、ローンがきつく結局売ってカーリースにした。お金がなかったので最初からカーリースにして、もらえるプランでゆくゆくは自分のものにする方法にすれば良かった
- 都心に住んで車が必要かを見極めるため、3年のカーリースにした。結果、駐車場代などを考えると車は不要という考えに至ったので、購入していなくて良かったと思っている
■【まとめ】人によって合う・合わないがあり!
カーリースのサービスを提供している企業が増えている。かつては商用車向けのイメージがあったカーリースだが、現在は個人での利用が増加中だ。取り扱い車種やサービス内容は各社で大きく異なるため、気になる車種が月々どのくらいで利用できるか、まずはいくつかのサイトで調べてみてはいかがだろうか。
【参考】関連記事としては「新車中古車カーリース・サブスク、おすすめ16社を比較!月額料金・口コミ・評判は?」も参照。