米調査会社ナビガントリサーチは2020年3月27日までに、自動運転システム企業の「トップ10ベンダー」を発表した。1位は自動車メーカーではなくあの企業。どの企業か想像つきますか?
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■10基準で評価、お馴染みの企業が上位に
この調査では、企業のビジョン、市場化戦略、パートナー、生産戦略、技術、販売・マーケティング・配送、製品の機能、製品品質・信頼性、製品のポートフォリオ、耐久性の10基準で評価が行われた。ランキングは以下の通りだ。
1位:Waymo(アメリカ)
2位:Ford(アメリカ)
3位:Cruise(アメリカ)
4位:百度(中国)
5位:Intel・Mobileye(アメリカ)
6位:Aptiv・現代自動車(韓国)
7位:VWグループ(ドイツ)
8位:Yandex(ロシア)
9位:Zoox(アメリカ)
10位:Daimer – Bosch(ドイツ)
上位10社はどの企業も自動運転業界ではお馴染みだが、自動運転業界について新たに勉強している人向けに、ざっとトップ3社の取り組みをおさらいしていこう。
■トップ3ベンダーの取り組み
Waymo:Googleからスピンアウトした自動運転開発企業
1位のWaymoはGoogleからスピンアウトする形で2016年12月に設立された。自動運転の実現により交通事故の死傷者を減らすことをミッションとしている。世界初の自動運転タクシーサービス「Waymo One」を2018年12月から米アリゾナ州で提供開始し、既にセーフティドライバーすら同乗しない形態でのサービスも一部で展開している。
今後はアメリカ全土でサービスを展開したい考えで、既に誰でもWaymo Oneのアプリをスマホにインストールできる状態となっている。また「Waymo Via」という自動運転トラックによる配送サービスにも乗り出しており、限定的に試験サービスを行っている。今後Waymo Oneのように事業を拡大していくと考えられる。
【参考】関連記事としては「Google系自動運転タクシー、遂に「完全無人化」 ローンチ1年弱で」も参照。
Ford:独VWと提携、傘下のArgo AIで技術開発を加速
2位のフォードは傘下の子会社Argo AIでの自動運転技術の開発に力を入れている。2019年7月には、独フォルクスワーゲンと自動運転技術の開発などで提携関係を強化したことでも知られている。
2021年には米テキサス州で自動運転技術を活用した商用サービスの提供を開始する計画だ。自動運転タクシーと無人物品配送の両サービスの展開を視野に入れているという。
【参考】関連記事としては「自動運転、技術開発からマネタイズの時代へ Fordの人材戦略から見える世界の傾向」も参照。
Cruise:GMが買収、ソフトバンクが2400億円を出資
Cruiseは現在はGMの自動運転開発部門という位置付けだ。2013年10月に設立し、2016年3月にGMに買収された。買収前の2015年からカリフォルニア州の公道で自動運転による走行試験を行なっていることでも知られている。
ソフトバンク・ビジョン・ファンドから約2400億円の出資を受け、これまでに自動運転開発にホンダが加わることも発表されている。
【参考】関連記事としては「GM Cruise、ハンドルなしオリジナル自動運転車を発表!」も参照。
■【まとめ】順位は今後数年でがらりと変わる可能性も
4位以降も自動運転業界で注目の企業が目白押しだ。百度はネット検索大手ながら中国で注目の存在となっているし、イスラエル企業のMobileyeを傘下に収めるインテルの動きにも関心が集まる。
ただこうしたランキングはまだまだ流動性が高い。例えばトヨタは実サービスは展開していないが、e-Paletteに絡む技術開発などでは大きな注目を集め、将来的には確実に上位にランクインしていくはずだ。
ランキングは今後数年でがらりと変わる可能性もあるだろう。
【参考】関連記事としては「自動運転領域からは2位にArgo AI 海外スタートアップ資金調達ランキング」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)