自動運転関連企業、上場済み企業と上場予定企業まとめ

2021年内にTuSimple、Innoviz、Aeva…



自動運転車の社会実装に向け、世界では関連企業の事業拡大が続いており、IPO(新規株式上場)を目指す動きも目立ち始めている。







2020年は「自動運転の目」として重要な役割を担うLiDARを開発するスタートアップ企業のLuminar Technologies(ルミナー・テクノロジーズ)などが上場を果たした。そして2021年前半も複数の企業が上場するとみられている。

この記事では、すでに上場済みの自動運転関連企業と2021年に上場予定の企業を紹介する。

■上場済み企業
Foresight Autonomous:センサーシステム/イスラエル企業

2015年創業のForesight Autonomous(フォレサイト・オートノマス)は、米ナスダックに上場しているイスラエル企業だ。自動車向けのセンサーシステムの設計・開発を手掛けており、代表的な製品としてはマルチスペクトルビジョンソリューション「QuadSight」がある。

QuadSightは、赤外線カメラとRGBカメラのデータを融合させた画像を作成し、認識能力を向上させるシステムだ。さまざまなレベルの自動運転車両において、安全性の向上に貢献できるという。

このシステムは2019年に開催された技術見本市「CES 2019」でイノベーション・アワードを受賞し、欧州や中国での販売実績を着実に積み重ねている。

・ティッカーシンボル:FRSX/時価総額(Market Cap):4億2,500万ドル(2021年3月5日時点)

Luminar:LiDAR/米国企業

「自動運転の目」と呼ばれるLiDARを開発する米Luminar Technologies(ルミナー・テクノロジーズ)は2020年12月、米ナスダック市場でSPAC上場を果たしている。

同社は1995年生まれのオースティン・ラッセル氏が2012年に設立したベンチャー企業で、低価格でありながら優れた解像度を有するLiDARの開発に力を入れている。トヨタ自動車は早くから同社のLiDARの技術力を高く評価しており、すでに採用を決めている。

スウェーデンのボルボ・カーズはLuminarと2020年5月に提携し、同社のLiDARを搭載した車両を2022年に発売する予定だ。

ティッカーシンボル:LAZR/時価総額(Market Cap):74億2,800万ドル(2021年3月5日時点)

【参考】関連記事としては「LiDAR企業のLuminar上場!株価急上昇、自動運転の「目」を開発」も参照。

Velodyne Lidar:LiDAR/米国企業

LiDARのリーディングカンパニーとして知られるVelodyne Lidar(ベロダイン・ライダー)は2020年9月、米ナスダック市場に上場している。シェア争いが激化している業界において早くから開発を開始しており、2005年に世界初の3DリアルタイムLiDARセンサーを発明した。

以降も独自技術によってLiDAR開発を進め、Googleの自動運転試験車両への搭載で話題を呼んだハイエンドモデルから、数百ドル程度のエントリーモデルまで、ラインナップが充実しているのが特徴だ。

2018年には日本のニコンからの出資を受けたことなどが明らかになっている。2020年4月には自動運転シャトルバスを開発する仏Easy Mile(イージーマイル)と契約し、同社の高性能LiDARを自動運転シャトル向けに供給するなど、製品の販路を広げている。

ティッカーシンボル:VLDR/時価総額(Market Cap):22億8,000万ドル(2021年3月5日時点)

■上場予定企業
TuSimple:自動運転トラック開発/中国企業

自動運転トラックを開発する中国スタートアップのTuSimple(ツーシンプル)は、早ければ2021年初頭に米国で上場を目指すとされている。

2015年創業のTusimpleは、北京とサンディエゴに拠点を置いている。これまでに米半導体大手NVIDIAや米物流大手UPSなどから出資を受けており、ユニコーン企業(企業価値が10億ドル以上の非上場企業)の1社としても数えられている。

2020年3月時点の報道では、40台を超える同社の自動運転トラックがセーフティドライバーを乗せ、アリゾナからテキサス間を実証走行していることが明らかになっている。

Horizon Robotics:AIチップ開発/中国企業

自動運転車両向けのAI(人工知能)チップを開発する中国企業Horizon Robotics(地平線機器人)は、2021年中に中国版ナスダックと言われる「科創板(スターマーケット)」でのIPOを目指している。

Horizon Roboticsは2015年創業。百度でディープラーニング研究所を立ち上げた人物らによって設立された。現在、中国のユニコーン企業の1社に数えられており、ドイツの自動車メーカーのアウディや自動車部品メーカーのボッシュらが企業パートナーとなっている。

2020年5月には、中国大手自動車メーカーの重慶長安汽車が同社の製品を採用することを発表した。量産型の自動運転車向けのAIチップとして搭載されていく見込みだ。

【参考】関連記事としては「自動運転向けAIチップ開発のHorizon、2021年中に上場へ」も参照。

Hesai Photonics Technology:LiDAR/中国企業

3D-LiDARやセンサー開発を手掛ける中国スタートアップのHesai Photonics Technology(禾賽科技)はスターマーケットへの上場に向けて準備を進めているようだ。一部の報道によれば、IPO評価額は10億ドル(約1,070億円)を超える可能性もあるという。

Hesai Photonics Technologyは2013年に米シリコンバレーで設立され、2014年に上海へ拠点を移した。これまでBoschやBaiduなどから資金調達している。同社によれば、中国の上汽集団やWeRide、AutoX、米Lyft、Nuro、仏Navyaなどが同社製LiDARを使用しているという。

InnovizTechnologies:LiDAR/イスラエル企業

LiDAR開発を手掛けるイスラエルのスタートアップInnovizTechnologies(イノヴィズ・テクノロジーズ)は、2021年第1四半期に米ナスダック市場への上場を目指している。

InnovizTechnologiesは、イスラエル国防軍やSTマイクロエレクトロニクスなどでエンジニアとしてキャリアを重ねた人物らによって2016年に設立された。2017年にはマグナやデルファイ(現Aptiv)、ソフトバンクのアジア部門、サムスンなどから出資を受けている。

また同社の製品は、独BMWが2021年に発売予定となっているEV(電気自動車)新モデルの「iX」に採用されることが決まっている。

AEye:LiDAR/米国企業

LiDARを開発する米スタートアップ企業AEye(エーアイ)は、2021年第2四半期中にSPACのCF Finance Acquisition Corp. IIIと合併し、米ナスダック市場への上場を完了する見込みだ。

AEyeは、戦闘機システム設計の経験を有するLuis Dussan氏が2013年に設立した企業で、カリフォルニア州ダブリンを拠点としている。2018年に台湾政府がスポンサーであるベンチャー・キャピタル(VC)から、2020年にはドイツの自動車部品メーカー大手のコンチネンタルからそれぞれ出資を受けている。

【参考】関連記事としては「LiDAR開発企業の米AEyeがSPAC上場へ 「自動運転の目」を開発」も参照。

Aeva:LiDAR/米国企業

世界初の4D-LiDAR開発などを手掛けるスタートアップ企業の米Aeva(エヴァ)は、2021年第1四半期にニューヨーク証券取引所での上場を目指している。

Aevaは、米Appleで自動運転プロジェクト「タイタン」に関わっていたエンジニア2人が2017年に立ち上げた企業だ。コンパクトで格安の次世代センサーの開発に取り組んでいる。2021年1月には自動車部品大手デンソーと次世代LiDARの共同開発を開始することを発表している。

Ouster:LiDAR/米国企業

LiDAR開発を手掛ける米Ouster(オースター)も、2021年前半にニューヨーク証券取引所への上場を完了する予定としている。

Ousterは2015年に創業し、米カリフォルニアを拠点としており、自動車メーカーをはじめ、ロボティクスやドローン、農業など多岐にわたる業界を顧客ターゲットとしている。現在では800を超える顧客を抱えているとされ、米軍やNASA、スタンフォード大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)なども含まれるという。

■【まとめ】上場へ向け水面下で動いている企業も

このほかにも、画像認識技術を手掛ける香港SenseTime(センスタイム)や、自動運転分野でも攻勢の中国Didi Chuxing(滴滴出行)、AIチップ開発を手掛ける英Graphcoreなど、上場に向けて水面下で動いているとみられる企業が多数存在する。

今後も自動運転関連企業の上場に関する動向に、引き続き注目したい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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