LiDAR大手の米ベロダイン・ライダー(Velodyne Lidar)と自動運転シャトルバスを開発する仏イージーマイル(Easy Mile)が、独自に契約を交わしたことが2020年5月7日までに発表された。
報道によると、ベロダイン・ライダーの高性能LiDARがイージーマイルの自動運転シャトル「EZ10」向けに供給されるという契約だ。ベロダイン・ライダー側にとっては自社製品の販路がさらに拡大した形となる。
■LiDARの市場は2040年には4236万台へ!
LiDARは有望市場だ。富士キメラ総研の2019年9月の発表によれば、自動運転車の搭載されるセンサーの中でも「自動運転の目」とも呼ばれるLiDARの市場規模(新車搭載ベース)は2019年は18万台の見込みだが、2040年には4236万台まで拡大するという。
ただしいくら有望市場であっても、開発企業側としてはしっかりと売り先を確保していかなければ収益化は難しい。LiDAR業界には、米Luminarやベロダイン出身者が創業したセプトン・テクノロジーズなどを含み、既に競合が多い。
日本でもパイオニアや東芝、京セラ、コニカミノルタなどが開発に取り組んでいる。シェアと収益を拡大していくには、いまこの時点から売り先である企業と契約を交わしていくことが重要であると言えよう。
【参考】関連記事としては「2040年、自動運転の新車4112万台 LiDAR市場の伸び、桁違い」も参照。
自動運転レベル3〜5の新車台数、2040年には4112万台に LiDAR市場が急拡大 https://t.co/ITvWNUQYTZ @jidountenlab #自動運転 #LiDAR #調査
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) September 23, 2019
■ベロダイン・ライダーとイージーマイルは一蓮托生
今回ベロダイン・ライダーが契約したイージーマイルは、自動運転業界の中でも有力企業として知られる。
これまでに、一般車両も走行するフランスの道路で初の自動運転シャトルサービスを展開したり、独コンチネンタルと手を組んで自動運転タクシーの開発に着手したりと、話題に事欠かない。日本でも実証実験にイージーマイルの車両が使用されていることもある。
ベロダイン・ライダーが高性能なLiDARを提供すれば、イージーマイルの車両は一層スペックが上がる。そしてスペックアップによってイージーマイルの車両の受注が増えれば、ベロダイン・ライダーの売上はより上がっていく。
ある意味一蓮托生とも言える両社の取り組みに今後も注目だ。
【参考】LiDARについては「LiDARとは? 自動運転車のコアセンサー 機能・役割・技術・価格や、開発企業・会社を総まとめ|自動運転ラボ」も参照。