自動運転は日本では可能か?

ロボタクシーやトラックは未実装



米国・中国を筆頭に開発と実用化が進展する自動運転技術。両国ではすでに無人の自動運転タクシーが数千台規模で走行している。


一方、日本はどのような状況なのだろうか。自動運転を実用化するには、技術的側面と規制的側面をクリアする必要があるが、日本で自動運転は可能なのだろうか。

日本国内における自動運転の状況について解説していく。

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■自動運転とは?

人間のドライバーに依存しない安全走行を実現

自動運転技術は、人間のドライバーに依存することなく安全な自律走行を可能にする技術だ。自家用車においては、ADAS(先進運転支援システム)としてドライバーの手動運転を強力にサポートしたり、ドライバーに代わって運転制御を行ったりすることが期待される。

自動運転レベル4以上の水準に達すれば、ドライバーの存在を前提としない走行が可能になる。いわゆる無人化技術として、ドライバー不足が慢性化しているバスやタクシー、トラックなど各種サービスへの導入に高い期待が寄せられている。


自動運転レベルの定義【0・1・2・3・4・5の解説表付き】

■規制的側面の現状

かつて道交法では無人走行を想定していなかった

安全性が保証されるのであれば、制限なくいくらでも導入してくれ――と言いたいところだが、導入には大きな壁が存在する。法規制だ。


日本の道路交通法はもとより、ジュネーブ道路交通条約やウィーン道路交通条約といった国際条約においても、自動車の運転は「運転者=ドライバー」の存在を前提に規定されていた。そもそも自動車は運転者の存在を前提に設計されているため、当然と言える規制だが、無人走行を実現する自動運転においては、この規制が足かせとなる。

仮に100%安全な自動運転技術を完成させたとしても、ドライバーレスの運転は原則認められなかったのだ。無人の自動運転を実現するには、法改正や解釈の変更などが必須となる。

2020年にレベル3走行が可能に

日本では、2020年4月施行の改正道路交通法及び道路運送車両法により、まず自動運転レベル3の走行が可能となった。

道路運送車両法に「自動運行装置」が規定され、この自動運行装置を使用した走行も道路交通法上「運転」に該当することが盛り込まれた。

ただし、この改正はあくまでコンピュータによる車両制御を運転と認めたものに留まり、ドライバーの存在は必須となっている。各自動運転システムがあらかじめ設定した一定条件下で自動運転を認めるものの、条件から外れた際などは直ちにドライバーが運転操作を引き継ぐことが求められる内容で、自動運転レベル3を念頭に置いた規制となっている。

【解説】自動運転解禁への道路交通法と道路運送車両法の改正案の概要

2023年の改正道交法でレベル4運行「特定自動運行」を定義

自動運転レベル4が解禁されたのは、2023年4月施行の改正道路交通法だ。自動運行装置において、整備不良となった際や使用条件から外れた際に、自動的に安全な方法で車両を停止させることができ、その自動運転システムの使用条件下で運行することを「特定自動運行」と定義し、都道府県の公安委員会の許可制で公道走行を可能にすることが盛り込まれた。

運行中の道路交通状況に応じて当該車両の装置を操作する人がいる場合のものは除かれるため、ドライバーレスを前提とした自動運転レベル4サービス相当を念頭に置いた規制となっている。特定自動運行実施者には、特定自動運行計画の策定や特定自動運行主任者の選定などが求められている。

また、主に歩道を走行する自動走行ロボットに関連する基準も盛り込まれた。車体の大きさや構造、機能などが一定基準に適合し、歩行者の通行を妨げるおそれのないものを「遠隔操作型小型車」と定義し、届出制で無人運行できる制度が創設された。

この改正により、日本国内ではレベル4運行が可能になった。先進国の中ではトップクラスの法整備と言える。

【資料解説】自動運転レベル4を解禁する「道路交通法改正案」

法規制面では日本はトップクラス

事故など有事の際の責任の在り方や救護義務など、まだまだ詰めなければならない点は残されているが、世界においても日本はいち早くレベル4に対応した法規制を整備し、公道走行を可能にしている。

参考までに、自動運転で先行している米国は、州ごとに道路交通法が規定されており、テキサス州やアリゾナ州などのように自動運転実装に積極的な州に自動運転開発企業が集まる傾向が強い。

中国はジュネ ―ブ道路交通条約などの国際条約に加盟しておらず独自路線を歩んでいるが、政府が最先端技術の導入を推奨しており、一定の指針のもと北京や上海などの各都市が公道走行に必要な要件をそれぞれ設定し、無人走行の実装を加速している。

■技術的側面の現状

自家用車における自動運転は日本が世界初

自家用車における自動運転技術の実装は、日本が世界初の栄冠を手にしている。改正道交法のもと、ホンダが2020年にレベル3の型式指定を国土交通省から取得し、2021年3月に高速道路渋滞時にレベル3走行を可能にする「トラフィックジャムパイロット(渋滞運転機能)」を含む「Honda SENSING Elite」を搭載した新型LEGENDを限定発売した。

自動車専用道路において、自車速度がシステム作動前に時速約30キロ未満、作動後は時速約50キロ以下――といった制限があり、実用性の面では不満が残る性能だが、当時の国際基準では高速道路渋滞時のレベル3が示されており、これに則った世界初のシステムだった。

限定版のため、ホンダのレベル3は現在使用することができない。その後、独メルセデス・ベンツがレベル3システム「Drive Pilot」の実用化を開始し、ドイツと米国の一部自動車専用道路で実装している。

当初はホンダ同様渋滞時限定だったが、独連邦自動車交通局から最高速度を時速95キロに引き上げる承認を受け、2025年中に実装すると発表している。

このほか、独BMWも「Personal Pilot L3」の展開を開始している。ステランティスやボルボ・カーズもレベル3システムを発表しているが、いまだ未実装となっている。

中国では、長安汽車など数社がレベル3の公道走行試験ライセンスを重慶や北京で取得しており、今後1~2年以内にレベル3の市場化が急加速しそうだ。

自動運転レベル3(条件付運転自動化)の定義とは?展開企業・車種は?

レベル4サービス「特定自動運行」は9カ所

日本におけるレベル4サービスは、2025年末時点で11カ所の自動運転バスがレベル4認可を受けており、このうち9カ所で特定自動運行許可も取得している。

国土交通省によると、北海道上士幌町、茨城県日立市、東京都大田区(羽田)、福井県永平寺町、長野県塩尻市、三重県多気町、大阪府大阪市(万博)、愛媛県松山市、千葉県柏市、GLP ALFALINK相模原、石川県小松市――の11カ所でレベル4が認可されており、相模原と小松市を除く9カ所が特定自動運行許可を取得している。

9カ所すべてで実際に無人運行が行われているかは不明で、一般車道以外のエリアも含まれているが、この9カ所で自動運転サービスが展開されていることは間違いない。

自動運転バスの実用化状況・車種は?【導入コストのデータ付】

自動運転タクシー&トラックは未実装 早ければ2027年にも?

自動運転タクシーについては、国内ではまだ実用化されていない。国内実装に意欲的なのは日本のティアフォー勢と米Waymo勢で、早ければ2027年にも実用化が始まるかどうか――といったところだ。

自動運転トラックは、現在高速道路におけるレベル4の実証が進められており、計画通り進めば2027年にも関東~関西間など一部エリアで無人運行が始まることとなる。

■【まとめ】海外勢の進出でロードマップが書き換えられる可能性も

日本は早期に法整備を進めており、自動運転が可能なことがわかった。一方、技術面・資金面で米中勢に後れを取っている点は否めず、大規模展開にはまだまだ時間を要することとなりそうだ。

有力海外勢はグローバル展開を推し進めるフェーズに突入しており、その矛先は日本にも向けられている。海外製自動運転システムが日本の自動運転市場を一から塗り替えていく――といったことも考えられる。ロードマップが大きく書き換わる可能性もありそうだ。

【参考】関連記事「自動運転はどこまで進んでいる?現状は?」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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