米インテル傘下で自動運転の技術開発を行っているイスラエル企業Mobileye(モービルアイ)は2023年1月16日までに、ドイツの路上で自動運転技術を試験運用する許可を得たことを発表した。
これにより、Mobileyeはドイツ国内全ての道路で同社の自動運転システム「Mobileye Drive」を搭載した車両を試験運用させることができるようになる。なお使用する車両については、中国のEV(電気自動車)メーカーNIOのSUV「ES8」という情報がある。
■当面セーフティドライバー同乗
今回、Mobileyeはドイツの第三者認証機関「TÜV SÜD(テュフズード)」 から許可され、ドイツ国内で自動運転車を走行させることが可能になった。Mobileye Driveを搭載したES8は、ロボットタクシーサービスやMaaS車両として実証実験で使用される予定だ。
まずはミュンヘンとダルムシュタットで運用されるが、車両を完全無人化するために必要な許可を得られるまでは、セーフティドライバーが同乗するという。セーフティドライバーが同乗する場合は、自動運転レベルは基本的には「レベル2」となる。
ただし、Mobileye Drive自体は自動運転レベル4(※限定エリアでの完全自動運転)を可能にする自動運転システムで、カメラや長距離・短距離LiDAR、ミリ波レーダーなども含まれている。
■前のめりに海外展開を加速
Mobileyeは1999年にイスラエルで創業した。単眼カメラを主体とするADAS(運転支援システム)ソリューションのサプライヤーとして存在感を高め、すでに世界の多くの自動車メーカーにADAS製品を供給している。
2017年にインテルの傘下となり、その後、本部のあるイスラエルや米国のみならず、欧州や中東、日本、台湾、ASEAN各国でも事業を積極的に展開している。
現在の主力事業はADAS系だが、自動運転にも力を入れているMobileye。自動運転事業の海外展開に関しては、アメリカのGM CruiseやフランスのNavya(ナビヤ)などが知られているが、Mobileyeもアメリカやイスラエルだけにとどまらず世界を舞台により前のめりに事業を拡大していく見込みだ。
▼Mobileye公式サイト
https://www.mobileye.com/
【参考】関連記事としては「自動運転MaaS、Mobileyeが「2028年に35億ドル」の収益目標」も参照。