自動運転に必須の7技術まとめ!位置特定技術、AI技術、予測技術など

それぞれの技術が必要となる理由とは?



日本国内では自動運転レベル3(※国の呼称で言うところの「条件付自動運転 ※限定領域」)が2020年4月に解禁され、2021年3月にはホンダが市販車としてレベル3搭載車も発売した。







そんな自動運転技術の開発で欠かせない先端技術は、大きく分けて7種類ある。「位置特定技術」「認識技術」「AI技術」「予測技術」「プランニング技術」「ドライバーモニタリング技術」「通信技術」だ。

この記事では、それぞれの技術が必要な理由や各技術に関係する最新トピックスも含めて解説していく。

■位置特定技術:車両の現在位置を正確に特定

位置特定技術は、英語では「ローカライゼーション(localization)」や「マッピング(mapping)」と呼ばれる。その名前の通り、車両がその時点で走行または駐車している位置を特定するための技術だ。

位置特定にはGPS(全地球測位システム)などが活用されることが多いが、高精度地図とセンサーを使った自車位置の推定技術も進化している。GPSだけを頼りに走行する場合は、信号の受信環境が悪いトンネル内では安全な自動運転走行ができなくなる恐れがあるからだ。

位置特定技術に関して言えば、「SLAM技術」についても知っておきたい。SLAMとは「Simultaneous Localization and Mapping」の頭文字をとった語で、自己位置の推定と地図の作成を同時に実行する技術だ。

「自動運転の目」と呼ばれるLiDARを活用する場合は「LiDAR SLAM」、カメラを活用する場合は「Visual SLAM」と呼ばれる。

【参考】関連記事としては「SLAMとは?位置特定と自動運転地図の作成を同時に」も参照。

■認識技術:自動車や歩行者、障害物などを検知・認識

英語で「パーセプション(perception)」と呼ばれるのが認識技術で、障害物の位置や動きを認識したり、周辺の歩行者や自転車の状況を把握したり、道路などの状況を確認したりと、求められる解析対象は多岐にわたる。

物体認識のために必要なセンサーとして搭載されるのは、ステレオカメラやレーダー、光技術を活用したLIDAR(ライダー)などだ。こうしたセンサーで得たデータをAIに学習させることで、車両や歩行者、障害物などを識別することができるようになる。

認識技術に関しては、ホンダの標識認識機能がラーメンチェーン店「天下一品」のロゴを「車両進入禁止」の道路標識と誤認識したことが2021年初旬に話題になった。こうした誤認識については、認識ソフトウェアのOTA(無線アップデート)で解消することがポイントとなる。

■人工知能(AI)技術:運転操作などを判断

前述の通り、認識技術を活用して障害物の検知を行うとき、非常に重要な役割を担うのが人工知能(AI)技術だ。

センサーで認識した物体が何かを識別するためにも必要になってくるのはもちろんだが、障害物を検知するときに急ブレーキを踏むべきかどうかなどの判断にも、AIが活躍する。

例えば、高速道路で鹿を検知したときと、一般道などを走行中にどこかから飛んできた紙袋を検知したときでは、ブレーキ操作に対する判断は異なるべきであると言える。こうした判断にAIが活用される。

自動運転とAIに関して言えば「トロッコ問題」という哲学的テーマがよく議論される。AとBのどちらの選択をしても人を死なせてしまうとき、自動運転AIはどういう判断をすべきなのか、というものだ。いまのところこのトロッコ問題に関する明確な結論は出ていない。

■予測技術:事故リスクや危険可能性を算出

予測技術は英語で「プレディクション(prediction)」と呼ばれる。人工知能(AI)も活躍する技術領域となっている。あらかじめ歩行者や自転車の飛び出しや事故が発生する可能性などを予測し、諸条件が重なったときにシステム側で減速するなどの処理を行う。

さらに、自動運転で走行時の天候や路面状況、災害情報も鑑みて発生しうる危険を予測し、安全走行のためには欠かせない技術の一つとなっている。

■プランニング技術:状況に応じて走行ルートの決定

プランニング技術は、どの車線・経路を走行したら最も安全かなどを自動運転車のシステム側がリアルタイムに算出し、実際の走行ルートに反映させていくための技術のことだ。

近くを走る走行車両や障害物・歩行者・自転車の位置を認識技術を活用して検知することなどにより、膨大なデータを基に総合的に安全な走行車線やルートが判断される。

プランニング技術で技術的ハードルが高いとされることの一つが、自動運転車両が予想外の事態に陥ったときの対応などだ。プランニング技術にもAI技術は関わってくる。

■ドライバーモニタリング技術:運転手の状況を監視

ドライバーモニタリング技術とは、特に自動運転レベル2からレベル3へのステップアップに必要とされる技術であると言える。

自動運転レベル3では、緊急時には運転手が運転操作を担う。そのためシステム側は、自動運転時には運転手の状況を常に監視しなければならない。

ちなみに、ホンダが2021年3月に発売したレベル3搭載車の新型「LEGEND」でも車内向けのモニタリングカメラが設置されており、システム側からの操作の要求に運転手が応じない場合には、安全に車両を減速・停車させることにつなげる技術も搭載されている。

人が運転に関与しないレベル4以上の自動運転時にもモニタリング技術が必要となる。車に乗っている人がどのような姿勢でいるのかをシステム側が確認することで、例えば右折・左折時の遠心力が少なくなるよう配慮できるようになり、乗っている人の「安心」につながるからだ。

【参考】関連記事としては「ホンダの自動運転レベル3搭載車「新型LEGEND」を徹底解剖!」も参照。

■通信技術:車車間通信や路車間通信、インフォテインメント向けでも

自動運転を実現するためには、車両に搭載された技術やシステムだけではなく、外部と通信ネットワークでつながる必要がある。

例えば「Cloud-to-Car」と呼ばれる技術がある。車両センサーで検知した情報がクラウド上に送信されて混雑状況や事故状況などに関するビッグデータが作られる。そしてそれぞれの自動運転車がそのビッグデータから必要な情報を取得するという仕組みだ。

車車間通信(V2V)、路車間通信(V2I)といった「V2X通信」と呼ばれるシステムの開発も必要になる。また、高速通信・低遅延などが特徴の次世代通信規格「5G」も自動運転車には必須の通信技術だ。

通信技術に関しては、車両が安全に走行するためだけではなく、車載インフォテインメントシステムなどでも活用される。車両がネットワークとつながることで乗員向けにさまざまな情報やコンテンツを提供できるようになる。

■【まとめ】自動運転車はさまざまな技術の集大成

自動運転車はさまざまな技術の集大成として実現する。そして自動運転レベルが上がるについて各要素技術の技術レベルも高いものが求められる。各社が開発する要素技術が今後どのように進化していくのか、引き続き注目していきたい。

(初稿公開日:2018年4月17日/最終更新日:2021年3月24日)

【参考】関連記事としては「自動運転とは?技術や開発企業、法律など徹底まとめ!」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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