【最新版】自動運転に必須の7技術まとめ 位置特定技術、AI技術、予測技術など

それぞれの技術が必要となる理由とは?





自動運転車の開発・実現に欠かせない必要な先端技術は、大きく分けて7種類ある。この記事では、位置特定技術や認識技術、AI技術、予測技術、プランニング技術、ドライバーモニタリング技術、通信技術について、それぞれの技術が必要な理由も含めて解説していく。







■位置特定技術:車両の現在位置を正確に特定

位置特定技術は、英語では「ローカライゼーション(localization)」や「マッピング(mapping)」と呼ばれる。その名前の通り、車両がその時点で走行または駐車している位置を特定するための技術だ。この位置特定技術はほかの自動運転技術と同様、完全自動運転の実現にはより高い精度が求められる。

位置特定にはGPS(全地球測位システム)などが活用されることが多いが、高精度(HD)地図を使った自車位置の推定技術も進化している。GPSだけを頼りに走行する場合は、信号の受信環境が悪いトンネル内では安全な自動運転走行ができなくなる恐れがあるからだ。

■認識技術:障害物や歩行者などの動きを検知

英語で「パーセプション(perception)」と呼ばれる認識技術で、障害物の位置や動きを認識したり、周辺の歩行者や自転車の状況を把握したり、道路などの状況を確認したりと、求められる解析対象は多岐にわたる。

センサーとして搭載されるのは、ステレオカメラやレーダー、光技術を活用した「自動運転の目」と呼ばれるLIDAR(ライダー)などだ。

■人工知能(AI)技術:運転操作などの判断に

認識技術を活用して障害物の検知を行うとき、非常に重要な役割を担うのが人工知能(AI)技術だ。センサーで認識した物体が何かを識別するためにも必要になってくるのはもちろんだが、障害物を検知するときに急ブレーキを踏むべきかどうかなどの判断にも、AIが活躍する。

例えば、高速道路で鹿を検知したときと、一般道などを走行中にどこかから飛んできた紙袋を検知したときでは、ブレーキ操作に対する判断は異なるべきであると言える。こうした判断にAIが活用される。

自動運転とAIに関して言えば「トロッコ問題」という哲学的テーマがよく議論される。AとBのどちらの選択をしても人を死なせてしまうとき、自動運転AIはどういう判断をすべきなのか、というものだ。いまのところこのトロッコ問題に関する明確な結論は出ていない。

■予測技術:事故リスクや危険可能性を算出

予測技術は英語で「プレディクション(prediction)」と呼ばれる。人工知能(AI)も活躍する技術領域となっている。あらかじめ歩行者や自転車の飛び出しや事故が発生する可能性などを予測し、諸条件が重なったときにシステム側で減速するなどの処理を行う。

さらに、自動運転で走行時の天候や路面状況、災害情報も鑑みて発生しうる危険を予測する。安全走行のためには欠かせない技術の一つとなっている。危険予測にはAI技術も活用される。

■プランニング技術:状況に応じた走行ルートの決定

プランニング技術は、どの車線・経路を走行したら最も安全かなどを自動運転車のシステム側がリアルタイムに算出し、実際の走行ルートに反映させていくための技術のことだ。近くを走る走行車両や障害物・歩行者・自転車の位置を認識技術を活用して検知することなどにより、膨大なデータを基に総合的に安全な走行車線やルートが判断される。

プランニング技術で技術的ハードルが高いとされることの一つが、自動運転車両が予想外の事態に陥ったときの対応などだ。プランニング技術にもAI技術は関わってくる。

■ドライバーモニタリング技術:運転手の状況を監視

ドライバーモニタリング技術とは、特に自動運転レベル2(部分運転自動化)からレベル3(条件付き運転自動化)へのステップアップに必要とされる技術であると言える。自動運転レベル3では、走行の責任主体はシステム(車)側にあるが、緊急時には運転手(人)が運転操作を担う。そのためシステム側は、自動走行時には運転手の状況を常に監視しなければならない。

人が運転に関与しないレベル4以上の自動運転時にもモニタリング技術が必要となる。車に乗っている人がどのような姿勢でいるのかをシステム側が確認することで、例えば右折・左折時の遠心力が少なくなるよう配慮できるようになり、乗っている人の「安心」につながるからだ。

【参考】自動運転レベル3の定義については「自動運転レベル0〜5まで、6段階の技術到達度をまとめて解説|自動運転ラボ 」でも詳しく解説している。ちなみに、自動運転レベル4以降は緊急時も含めて自動運転の主体は完全にシステム側に移行される。

■通信技術:クラウドや車-歩行者間などで必要に

自動運転を実現するためには、車両に搭載された技術やシステムだけではなく、外部と通信ネットワークでつながる必要がある。例えば「Cloud-to-Car」と呼ばれる技術がある。車両センサーで検知した情報がクラウド上に送信されて混雑状況や事故状況などに関するビッグデータが作られる。そしてそれぞれの自動運転車はそのビッグデータから必要な情報を取得し、事故リスクなどを避けた走行を実行するというものだ。

車-車間(V2V)、道路-車間(V2I)、歩行者-車間(V2P)、車-ネットワーク間(V2N)をつなぐ「V2X通信」と呼ばれるシステムの開発も必要になる。また高速通信・低遅延などが特徴の次世代通信規格「5G」も自動運転車には必須の通信技術だ。

【参考】自動運転技術については各技術が単独が動作・判断を行うというよりも、相互作用の結果として初めて自動運転を実現するためのシステムが実現し、自動運転を支える技術基盤になると言える。自動車メーカーや新興企業各社は現在、自動運転車の開発に凌ぎを削りながら、自社の自動運転技術についても紹介している。トヨタ自動車公式サイト内の「自動運転の構成要素」やホンダ公式サイト内の「安全運転支援システム Honda SENSING」などでも詳しく紹介されている。

■【まとめ】さまざまな技術の集大成としての自動運転車

自動運転車の実現には、この記事で挙げてきた7つの先進技術のほか、車間維持や車線補正、駐車支援技術などの従来から開発が進められてきた技術も必要にある。事故防止に向けては先進技術も従来から存在する技術においても、より高い水準が求められる。

【参考】さまざまな技術の集大成として実現する自動運転車。その自動運転車の普及によって社会はどう変わるのだろうか。関連記事しては「【最新版】自動運転車の実用化による10のメリットとは?社会や人への恩恵は?|自動運転ラボ 」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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