ラストワンマイル向けの「新交通サービス」まとめ 自動運転タクシーやオンデマンド型など

日本国内における導入はいつから?





駅から先、自動車が無いと目的地までは行きにくいことがある。高齢化でバスなどの公共交通が脆弱な地域などではなおさらだ。







こうした状況の中、旅行に出かけた先での交通手段や日常生活での足として、将来的に「ラストワンマイル」での活躍が期待されている新たな交通手段がいくつかある。今回はシェアサイクルなどの既にラストワンマイル向けに導入されているものではなく、今後新たに導入が期待される交通手段に焦点を当て、それぞれ解説をしていこう。

■自動運転タクシー:無人状態で客を乗せて目的地へ
自動運転タクシーの営業サービス実証実験に使われたZMPのRoboCar=撮影:自動運転ラボ

「自動運転タクシー」とは簡単に言えば、車内に乗務員がいない無人状態で客を乗せ、目的地まで行くサービスのことだ。「ロボットタクシー」や「ロボタクシー」などとも呼ばれ、日本を含む世界各国で開発や研究が進んでいる。

2019年6月に国土交通省が「限定地域での無人自動運転移動サービスにおいて旅客自動車運送事業者が安全性・利便性を確保するためのガイドライン」を策定・公表したことで、一部エリアにおけるサービス実現が現実味を帯びつつある。自動運転タクシーに関しては、人件費の削減により結果的にタクシーの乗車料金が安くなることに対する期待も大きい。

日本国内では、自動運転ベンチャーのZMPとタクシー事業者の日の丸交通が、2018年8〜9月にかけて東京都内の公道で世界初の営業サービス実証実験を行った。ドライバーが運転席に、技術担当オペレータが助手席に乗車していたものの、車線変更や右左折、停止などの操作は自動で行われた。利用者にもスマートフォンを使った予約・乗車・決済を体験してもらい、現実的な利用イメージを持ってもらった。実証実験は2019年も実施される予定だ。

【参考】関連記事としては「自動運転タクシーの実現はいつから? 料金やサービスは?」も参照。

■オンデマンド型バス・シャトル:配車依頼に応じて最適ルートで運行
出典:MONET Technologiesプレスリリース

公共交通の維持が難しい過疎地域などを中心として、オンデマンド型の移動サービスに注目が集まっている。オンデマンド(On demand)とは日本語で「要求に応じて」という意味だ。

オンデマンド型の移動サービスの中でも、特に期待感が高いのがオンデマンドバス(オンデマンドシャトル)だ。複数の利用者から配車依頼があっても、最近開発が進むAI(人工知能)技術を導入すれば、各利用者をピックアップするルートを最適化でき、無駄な移動をしなくて済む。時間の節約にもエネルギーの節約にもなる。

ソフトバンクとトヨタ自動車が2018年10月に設立を発表したMONET Techbologies(モネ・テクノロジーズ)などがオンデマンド型の交通サービスの実証実験に取り組んでおり、具体的には東京・丸の内エリアで2019年2月から3月にかけ、オンデマンド通勤シャトルの実証実験を三菱地所と共同で実施した。実証実験は、スマートフォンのアプリで選択した場所から勤務地付近まで送迎するというものだった。

■ライドシェア:日本でも「カープール型」で実証実験
CREWを手掛けるAzitの須藤 信一朗取締役(左)と那須高原次世代交通協議会の片岡孝夫会長(右)=出典:Azitプレスリリース

「ライドシェア」(Ride Share)は「カープール型」と「TNC型」の2種類に分類される。カープール型とは、既に目的地が決まっているクルマの運転手とそのクルマに同乗したい乗客をマッチングさせるもの。一方でTNC型は一般人のドライバーが乗客の目的地まで送り届けるサービスのことで、米ウーバー(Uber)などがこのTNC型に該当する。

日本ではライドシェアは「白タク」扱いとされるため、タクシー業界からの反発も強く、特にTNC型では普及が進んでいないのが現状だ。ただライドシェアは交通機関が脆弱な地域で観光客や高齢者の移動をサポートできるため、実証実験が盛んに取り組まれている地域もある。

カープール型の実証実験としては、ライドシェアサービス「CREW」の取り組みに注目が集まる。最近では栃木県の那須塩原市と那須町で実証実験が始まっている。CREWは乗った人がガソリン代やシステム使用料を支払う実費負担型のライドシェアサービスとなっている。

■電動キックボード:小型で持ち運びも簡単、林道を使った公道実証も
出典:Luup社プレスリリース

「電動キックボード」は、タイヤが2つ取り付けられたボードに電動モーターがついており、片足をボードに乗せ、もう片方の足で地面を蹴ると走り始める。加速や減速はハンドルのレバーで調節が可能だ。一般的に最高時速が20〜30キロで、航続距離が30〜60キロのものが多い。

アメリカや欧州各国ではすでに電動キックボードのシェアサービスに人気が集まり、その利便性の高さから普及が進む一方、死亡事故の発生や路上に放置されるなどの課題も浮き彫りになっている。日本では道路運送車両法で「原動機付き自転車」に分類されることもありそもそも普及への壁が今のところあるが、規制緩和やルール作り、安全対策が進めば、日本での普及も十分に見込める。

電動キックボードは小型で持ち運びも容易であるほか、設置場所も選ばないため、ラストワンマイルの移動手段に適していると考えられている。日本国内ではシェア事業の展開を目指すLuupが林道を使った公道実証に取り組んだことが、最近では話題になった。

■カーシェア:より利便性が高まるため、「乗り捨て型」の普及が鍵

「カーシェア」は、自動車を保有する場合とは異なり維持費が掛からないのにも関わらず、乗りたいときに気軽に利用できるという良さがあり、都市圏を中心に需要が増えている。そして交通機関が脆弱な地域でも、新たな移動手段となることが期待されている。

カーシェアには「ラウンドトリップ方式」と「ワンウェイ方式」の2種類があり、いまはラウンドトリップ方式が主流だ。この方式は、所定の駐車場でクルマを借り、利用後には同じ駐車場に返却するというもの。一方で「ワンウェイ方式」は借りた場所と異なる場所に返却できる「乗り捨て型」と呼ばれる。利用者にとってより利便性が上がり、利用時間も短く抑えられ、それに比例して出費も少なく済むため、海外ではこの乗り捨て型が主流になりつつある国もある。

ただ日本において乗り捨て型は駐車場の確保などが普及の壁となっており、ワンウェイ方式はまだ一般的ではない。ただ2014年に国土交通省が出した通達などによりこうしたハードルが緩和されつつあり、導入に向けた実証実験なども盛んに行われるようになりつつある。

日本国内ではカーシェア事業も手掛ける駐車場大手パーク24とトヨタ自動車が積極的に本格導入に向けた取り組みを進めている。

■【まとめ】ルール作り含め足早な取り組みに期待

自動運転タクシー、オンデマンドタクシー、ライドシェア、電動キックボード、カーシェアなど、ラストワンマイルに有効な交通手段として、新たにさまざまなモビリティが検討されている。実用化が進めば移動の利便性が高まることはもちろん、観光客の周遊が促進されることよる地方経済の活性化も期待できるため、規制緩和やルール作りを含めた実用化への足早な取り組みに期待したいところだ。

【参考】関連記事としては「ラストワンマイル系の物流ソリューション・サービスまとめ」も参照。







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