トヨタグループの豊田通商株式会社(本社:東京都港区/代表取締役社長兼CEO:貸谷伊知郎)は2018年10月5日までに、シンガポールでMaaS(乗り物のサービス化)事業を展開するスタートアップ企業「mobilityX」(CEO:コリン・リム)に、リードインベスター(最大の投資提供者)として第三者割当増資による投資を行うことを決定したと発表した。
投資は豊田通商アジアパシフィック(本社:シンガポール/代表取締役社長:柳瀬英喜)を通じて行う。mobilityXはシンガポール最大の公共交通事業者「SMRT社」によるシードファンディングによるスタートアップ。今回の投資は豊田通商がSMRT社と協業で行うプロジェクトの2件目という位置付けだ。
mobilityXは2018年設立。既に公共交通からタクシーやカーシェアリングを含めた交通デジタル・プラットフォームを構築しており、サブスクリプション型サービスを試験的に導入している。
報道発表によれば、mobilityXは今回の豊田通商による投資金を活用し、東南アジア最大の経済国であるシンガポール国内でのほか、周辺諸国などにおいてもMaaSサービスを展開していく予定。両社は今回の投資に会わせ、MaaS事業の共同開発と海外展開に関する覚書(MOU)も結んだ。
■「より豊かな生活の実現を加速」と意気込み
豊田通商アジアパシフィックの柳瀬英喜社長は今回の出資について「mobilityX社のシリーズAラウンドに出資できることを嬉しく思う」とした上で、mobilityX社との協業を強く推し進めていくことを強調。またシンガポールや周辺諸国にMaaSサービスを展開することについて「より豊かな生活の実現を加速するよう努めます」とコメントしている。
mobilityXのピーター・タン社長もコメントを発表しており「ユーザーのためのモビリティサービス変革に向けて、豊田通商と協力していきます」と述べている。
【参考】両社長のコメントについてはプレスリリース「豊田通商、シンガポールのmobilityX Pte. Ltd.の シリーズAにリードインベスターとして出資」も参照。豊田通商のモビリティ事業としては「空港での自動運転実証実験、応募者の中から8者を採択 SBドライブや先進モビリティ、ZMPなど|自動運転ラボ」も参照。
この冬、空港制限区域内に自動運転カーがあふれる 乗客・乗員の輸送想定し実証実験、スタートアップも参加 https://t.co/5qi2SdAoZn @jidountenlab #空港 #自動運転 #実証実験
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■日本や世界で広がるMaaS事業
MaaSとは「モビリティ・アズ・ア・サービス(Mobility-as-a-Service)」の略称。さまざまな全ての交通手段をシームレスにつなぎ、スムーズな移動を実現させるサービス事業などのことを指す。
MaaS関連サービスとしては、近年サイクルシェアやカーシェア、配車サービス、相乗りサービス、シェアパーキングなどのほか、宅配や物流などにおいても新たな取り組みが誕生しようとしている。
日本国内でもトヨタ自動車とソフトバンクが自動運転技術を使ったMaaSサービスの展開に向けて、新会社Monet Technologies(モネ・テクノロジーズ)の設立を発表したばかり。JR東日本や小田急電鉄もMaasサービスの本格提供に向けた動きを加速させている。
海外においては、米国や中国でもシェアサービスを含めたMaaS関連サービスの提供が盛んだが、MaaS発祥の地と言われるフィンランドでは官民一体のプラットフォーム開発が進んでいるほか、ドイツやイギリスもMaaS先進国として知られる。
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