自動運転・MaaS関連のクラウドファンディング実施案件まとめ

学生の研究開発や空飛ぶ自動運転原付など


さまざまなアイデアやプロジェクトを持つ起案者が、資金調達や支援、商品の販売支援などを目的に活用するクラウドファンディング。新規事業の立ち上げや新サービス・新商品の開発・生産・販売など多岐に渡る支援が行われている。







では、新たな研究開発が進む自動運転や新サービスの展開が望まれるMaaS(Mobility as a Service/移動をサービスとして捉える概念)などの分野において、クラウドファンディングを活用した例はあるのだろうか。各クラウドファンディングサイトを調べてみた。

■みんなの自動運転車:自動運転シミュレータ機材費

米カーネギーメロン大学でコンピュータ工学専攻のPhD(博士号)取得を目指している青木俊介氏が、開発中の新しいモバイル自動運転ロボット・自動運転シミュレータの統合プラットフォーム機材費を募集している。

カーネギーメロン大学は自動運転研究のメッカと言われており、青木氏はその研究所で自動運転車の製作などに携わってきたという。

1口800円で、リターンは3年間の研究&開発経験をもとに書き下ろした「みんなの自動運転車」pdf版。専門外の人でも自動運転車の内容がわかるような文書・構成で、自動運転システムを学ぶために使えるオープンソースのリストや関連の参考文献リストも付けているという。

目標金額は30万円ですでに達成している。募集期間は10月21日ごろまで。

【参考】みんなの自動運転車については「polcaの募集ページ」を参照。

■移動を無料に!未来の移動体験配車サービス「nommoc(ノモック)」(終了済):4分30秒で資金調達完了、AI駆使した新たな広告事業

リアル広告のターゲティング最適化モデルを車移動の無料化につなげる「ノモック」は、スマートフォンアプリで配車して、目的地まで無料で乗れる移動体験を提供するサービス。目的地に着くまでの間、車内のディスプレイに利用者が関心を持っている店や商品などの最新の情報が流れる。

AI(人工知能)技術で利用者の行動パターンを分析し、先回りしてスタンバイすることや、利用者の好みを学習してより高い精度でオススメの行き先や欲しい情報を届ける。

クラウドファンディングサイトに資金調達の申し込みを開始した2018年5月12日19時から申し込みが殺到し、247人の投資家から計5000万円を調達した。資金調達に要した時間は4分30秒。

【参考】nommoc公式サイトは「こちら」。

>■空飛ぶクルマ”SkyDrive”をつくるプロジェクト(終了済):大きな夢の実現に向け着々と前進中

「モビリティを通じて次世代に夢を繋ぐ」をミッションに2012年に始動した有志団体「CARTIVATOR」も2015年にクラウドファンディングで資金を調達している。

当時は小さなスケールのプロトタイプを試作している段階で、2017年に完成予定の実寸試作機の購入部品(モーター・電池・フレームなど)の費用の一部として募集をかけ、目標金額180万円に対し257万2000円が集まった。

現在はトヨタグループや富士通、パナソニック、NECなど大手スポンサーが続々と支援するところまで信頼を得ており、2020年のデモフライトを目標に開発を進めている。

■空飛ぶ自動運転原付(終了済):パーソナルエアモビリティの開発へ

もりもと技術研究所が2017年11月〜2018年1月にかけて募集した、個人用航空機開発プロジェクト。実際に原付を飛ばすのではなく、原付のような手軽さをイメージした自動運転機能付きの航空機の開発を進めているようだ。

機体は大きな翼をもった固定翼(飛行機)タイプで、オートパイロットによる自動飛行を行う。大きな翼をもつことにより短距離で離着陸できるため、最終的にはビルの屋上や駐車場程度の広場からの離発着ができるシステムを目標としている。

クラウドファンディングは目的額には届かなかったが開発は進行中で、プロトタイプによる飛行試験などを実施している。2020年までに訓練なしで搭乗できる機体を作成し、開発完了は2022年を目標としている。

【参考】空飛ぶ自動運転原付については「CAMPFIREの募集ページ」を参照。

■SMART DRIVER FORUM開催に向けた支援(終了済):新時代の交通安全を考えるきっかけに

特殊な例だが、NPO法人の日本スマートドライバー機構が主催する新しい交通安全を考えるフォーラムの支援も2018年1〜2月に募集されていた。

自動運転やシェアリングエコノミーなど道路やモビリティの多様化に際し、交通安全意識も変化を求められていることから、企業から行政まで幅い分野のプレイヤーが集い、新しい交通安全を考える場として企画したもの。

クラウドファンディングは目標金額に届かなかったもののフォーラムは開催しており、引き続きさまざまな活動を行っている。

【参考】SMART DRIVER FORUMについては「CAMPFIREの募集ページ」を参照。

■運んで欲しいクルマとクルマで出かけたい・使いたい想いをマッチング(終了済):移動が必要な車両を有効活用

世の中の移動させたいクルマを、運ぶ代わりに無料で使わせてもらうシステムを考案。「週末、実家に帰るのに大阪行きのクルマが Hakonde(サービスの仮名称)にあったから、それでみんなで遊びに行こうよ!」といった感じで、登録された移動が必要な車両を有効活用するアイデアのようだ。

【参考】Hakondeについては「CAMPFIREの募集ページ」を参照。

■船の自動航行に挑む!(終了済):無人完全自動航行船の大会出場へ 学生チームを支援

自動車の自動運転と同様、船舶の自動運転化も研究開発が進められており、海上の自動航行技術を競う大会「Maritime RobotX Challenge」に挑むため、さまざまな分野の大学院生や学部生、高専生によるチーム「OUXT Polaris」が研究費の一部として募集。2018年9月までに目標金額40万円を上回る50万7000円の支援が集まった。

「Maritime RobotX Challenge」は、無人完全自動航行船を設計・製作して、海上でのタスクをクリアできるかどうかを競う2年に一度開かれる国際大会。日本で唯一この大会に挑んでいるのが同チームで、大会には世界中の大学から12チームが参加するという。

【参考】OUXT Polarisについては「academistの募集ページ」を参照。

■海外では自動運転の派生型も登場

自動運転技術を活用した「移動」イノベーションだけではなく、さまざまな製品にその技術を活用しようというプロジェクトもある。

北京のスタートアップ企業Forward X社は持ち主を自動で追尾するスマートスーツケースを発表し、クラウドファンディングへの出品も行っている。画像認識カメラを備え、持ち主の顔や姿を認識して手で引っぱらなくても持ち主の姿を追いかけてついてくるという。

また、自動運転機能つきのベビーカー「Smartbe」というものもクラウドファンディングに出品されていた。保護者がジョギングをしていてもベビーカーが追従するほか、スマートフォンと連動してホイールロックやリトラクタブル・キャノピーの開閉なども行えるという。

自動運転技術は非常に「伸びしろ」が大きい技術だ。これからもさまざまな発想やアイデアが着火点となって社会によりよく変わっていくことに期待していきたい。







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