独VW(フォルクスワーゲン)と自動運転ベンチャーの米Argo AIは2021年9月10日までに、共同開発している自動運転の商用バンを今後4年間にわたってテストし、2025年には商用化する計画を明らかにした。
開発している商用バンは「ID.Buzz」。2017年にコンセプトが発表され、その後、技術開発が進められていた。自動運転化の上、ドイツのハンブルク市内でシャトルバスや配送車両として活用する方針のようだ。
一方、自動運転技術を搭載していない状態での販売は、欧州では2022年、米国では2023年から開始する見込みとなっている。
■ドイツでのテスト走行は既にスタート
商用化に向けた自動運転のテストはすでにスタートしており、ミュンヘン近くにある専用コースで車両を走行させているとのことだ。
車両は以前コンセプトとして打ち出したデザインよりも角張ったデザインとなっており、屋根部分にArgo AIが開発した「Argo LiDAR」やそのほかのセンサーが組み込めるようになっている。Argo LiDARは400メートル離れた物体も検知できるのが特徴だ。
ちなみにArgo AIに関しては、2021年内にもアメリカ市場で上場する計画を立てているとこれまでに報道されている。
【参考】関連記事としては「自動運転開発の米Argo AI、2021年内に上場へ 「評価額は最大70億ドルに」」を参照。
自動運転開発の米Argo AI、2021年内に上場へ 「評価額は最大70億ドルに」 https://t.co/3e1a4J4br2 @jidountenlab #ArgoAI #上場 #自動運転
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) July 13, 2021
■Mobileyeなども続々と目標時期を発表
ID.Buzzの自動運転バージョンがどの程度の技術レベルとなるのかは不明だが、最近は各社が自動運転車を活用したサービスをローンチする目標時期を続々と掲げ始めており、その中でVWとArgo AIのサービス展開の目標時期は決して早い方というわけではない。
例えばIntel傘下のイスラエル企業Mobileyeは、2023年からドバイで自動運転タクシーのサービスを展開する計画を発表している。中国ではすでに百度などが自動運転タクシーサービスをローンチしており、実証ベースであればさらに多くの企業の名前が挙がる。
すでにGoogle系Waymoもアリゾナ州に加えてサンフランシスコでもサービスを展開する中、VWとArgo AIは少なくとも2025年という目標は絶対に達成しなければならないだろう。
▼Argo AI公式サイト
https://www.argo.ai/
【参考】関連記事としては「知られざる米Argo AIの実力 LiDARでFordとVWの自動運転技術を下支え」を参照。