「Waymo One」(ウェイモワン)とは、米アルファベット傘下の自動運転開発企業Waymo(ウェイモ)が展開している世界初の自動運転タクシーサービスである。
2018年12月からアリゾナ州フェニックスで一部のユーザー向けに提供が開始された。セーフティードライバーが乗った状態でサービス提供が始まったが、2020年3月現在、既に一部のユーザーに対してはセーフティドライバーが同乗しない状態でサービスが提供されている。
報道発表によれば、サービス提供開始前のプレサービスを含めたこれまでの配車回数は10万台を超えている。今後はアメリカ全土にサービス提供エリアを拡大する予定で、既にアメリカ国内にいる人であれば誰でもWaymo Oneがインストールできるようになっている。
■Googleからスピンアウトした自動運転開発企業
Googleは2009年、プロジェクトを対外的に公言しない「ステルスプロジェクト」の一環として、サンフランシスコの道路で自動運転車のテストを開始した。このプロジェクトが拡大していき、グーグルからスピンアウトする形で2016年12月にWaymoが設立された。
同社のミッションは自動運転の実現によって交通事故の死傷者を減らすことだ。同社の公式サイトによると、2016年に全世界で交通事故で亡くなった人数は135万人で、アメリカでは交通事故の94%が人的ミスによるものだという。また現在は多くの人々が運転に時間をとられていることも指摘している。
Waymoは自動運転タクシーの開発では業界内で一歩リードしているものの、今後はライバルがどんどん登場してくる。GMクルーズやテスラ、ウーバーなどのほか、日本の自動運転ベンチャーZMPや日産もサービス開発を進めている。中国ではDiDiやWeRide、Pony.ai、AutoXなどが注目企業だ。
自動運転タクシーは従来のタクシーと比べ、運行コストが非常に安価になると予想されている。米運用会社アークインベストメントが発表しているレポートによれば、1マイル当たりの移動コストは人が運転するタクシーは3.5ドルだが、自動運転タクシーは将来的に0.26ドルまで安くなるという。
■「Waymo Via」という自動運転トラックサービスにも注目
ちなみにWaymoは「Waymo Via」というサービスも立ち上げ、自動運転トラックによる配送サービスにも乗り出している。現在は限定的な試験サービスとして提供されているが、今後は自動運転タクシーのように商用サービスを拡大していくものと考えられている。
【参考】関連記事としては「Google系自動運転タクシー、遂に「完全無人化」 ローンチ1年弱で」も参照。