2019年9月18〜20日にかけて愛知県名古屋市で開催される「第2回オートモーティブワールド」に合わせ、自動運転に関する製品やソリューションが集まる「自動運転EXPO」が開催される。昨年初開催され、今年で第2回目の開催だ。
次世代のモビリティ業界を表す「CASE」という単語があるが、「自動運転」はこの中の「A(Autonomous)」に該当し、将来は爆発的に市場が拡大すると言われている。今回の自動運転EXPOではそんな有望市場で技術開発に取り組む企業などが集まり、先端的な取り組みを披露する。
この記事では自動運転やMaaSという視点から、オートモーティブワールドと自動運転EXPOで特に注目したいブースやセミナーについて紹介する。
記事の目次
■注目ブース:アセントロボティクス
2016年創業のアセントロボティクス株式会社(本社:東京都渋谷区/代表:石崎雅之)は、ロボティクスやAI(人工知能)技術を手掛けるスタートアップ企業で、産業用ロボットや自動運転車向けソフトウェアの開発を手掛けている。
同社の自動運転走行システムは、6基のLiDAR(ライダー)をはじめ、5基のミリ波レーダー、高精細カメラ群やサーモカメラ、高精度GPS(全地球測位システム)、ホイールエンコーダ、36TBの記憶容量を持つSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)、サーバー、GPU (画像処理半導体)、これら装備を独立駆動するリチウムイオンバッテリーなどを搭載している。
【参考】関連記事としては「【最新版】アセントロボティクスとはどんな会社? AIで自動運転実現目指すスタートアップ」も参照。
気になるアセントロボティクスの「AI×自動運転」情報をまとめ 優秀なエンジニア集う注目スタートアップ、大型資金調達も https://t.co/6chjSftys1 @jidountenlab #アセントロボティクス #AI #自動運転
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) November 16, 2018
■注目ブース:JapanTaxi
JapanTaxi株式会社(本社:東京都千代田区/代表取締役社長:川鍋一郎)は、タクシー配車アプリや後部座席向けタブレット端末を活用したキャッシュレス決済や広告配信などを事業として手掛けている。
ブースでは、タクシーから取得するビッグデータを活用するための「JapanTaxi Data Platform」や、車内・車外の広角映像と音声を常時録画できる「ネットワーク型ドライブレコーダー」などを出展予定だ。
【参考】関連記事としては「【インタビュー】JapanTaxiの自動運転時代の戦い方とは 岩田和宏CTOに聞く」も参照。
https://twitter.com/jidountenlab/status/1096186655000514560
■注目ブース:名古屋大学COI
名古屋大学COIは、高齢者がどこでも誰でも元気に活躍できるモビリティ社会の実現を目指し、産学官民連携で研究開発に取り組んでいる。
ブースでは、自動運転の認知・判断・操作を実装するためのソフトウェアパッケージ「@AVENU」を初公開する。「@AVENU」を搭載した実験車両などが展示される。
■注目ブース:TuSimple
TuSimpleは2015年創業のアメリカのスタートアップ企業で、自動運転トラックを開発している。自動運転レベル4(高度運転自動化)の技術開発に取り組み、すでにアメリカでは実証実験を開始している。
ブースでは、リアルタイムで物体を検出・追跡する技術や1000メートル以上先を見通す高速走行長距離センサーなど、実用レベルのソリューションを展示する。
【参考】関連記事としては「米物流大手UPS、自動運転トラック開発のユニコーンTuSimpleへ出資」も参照。
米物流大手UPS、自動運転トラック開発のユニコーンTuSimpleへ出資 https://t.co/SR94r0GLzB @jidountenlab #自動運転 #トラック #アメリカ
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) August 17, 2019
■注目のセミナー:モビリティの進化と未来への挑戦
登壇者はトヨタ自動車の取締役・副社長である寺師茂樹氏。
電動化や自動化、シェアリングなど技術革新が進み、自動車業界が大変革の時代に突入している中、トヨタ自動車は「自動車会社」から「モビリティサービスカンパニー」への変革に取り組んでいる。講演では、モビリティを進化させ、新たな自動車社会を切り拓くための取り組みを紹介する。
■注目のセミナー:MaaS戦略最前線 ~北米テックジャイアントスタートアップの戦略~
登壇者はデロイトトーマツベンチャーサポートのシリコンバレー事務所でマネージングディレクターを務める木村将之氏。
北米のテックジャイアントやスタートアップのMaaSに関する先進的な取り組みを紹介する。ライドシェア事業者や自動運転事業者らの戦略にも触れる。
■注目のセミナー:Mobility as a Service ~「クルマの所有権」の終わり~
登壇者はフィンランドのMaaS Global社の創業者兼CEO(最高経営責任者)であるサンポ・ヒエタネン氏。
世界初のMaaSサービス「Whim」の開発者であるヒエタネン氏が、「whim」モバイルサービスが世界の移動手段をどのように変え、その変化がモビリティ業界や都市にどのような影響を与えたかを紹介する。
【参考】関連記事としては「MaaSアプリ「Whim」とは? 仕組みやサービス内容を紹介」も参照。
MaaS発祥の北欧国が生んだ「Whim」アプリ徹底解剖&まとめ トヨタ系から資金調達、日本進出の可能性も https://t.co/BDwSl2txrb @jidountenlab #MaaS #フィンランド #Whim #アプリ
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) December 9, 2018
■【まとめ】自動運転やMaaS関連の技術が集まる貴重な機会
開催時間は午前10時から午後6時(最終日のみ午後5時まで)。会場は「ポートメッセなごや」。初日の朝のみ事前予約をした先着200人限定で名古屋駅から無料バスでの送迎サービスがある。さらに会期中は金山駅から会場までの直行バスが運行し、片道500円で利用できる。
入場するためにはホームページ上から事前登録し、「e-招待券」を印刷して持参する必要がある。e-招待券がない場合、入場料として1人5000円が必要。詳細は「公式サイト」からも確認できる。
自動運転やMaaS関連の技術が集まる機会は、日本ではまだ決して多くはない。公式サイトなどもチェックしつつ、当日は会場に足を運んでみてはいかがだろうか?
【参考】関連記事としては「【日本版】自動運転開発を手掛ける主要企業・会社総まとめ 自動車メーカーからベンチャー・スタートアップまで、LiDARやカメラ開発も」も参照。
【日本版】自動運転開発企業、全40社最新まとめ 戦国時代、トヨタ自動車・日産やスタートアップも AI・IT・半導体・ロボット・製造業|自動運転ラボ https://t.co/ANufCagVvF @jidountenlab #完全まとめ #絶対読もう #時代を読もう
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) September 2, 2018