CAVとは? 何の略? 意味は「コネクテッド自動運転車」 AVは?CVは?

2020年以降の理解必須キーワード



最近英語圏で飛び交っている自動運転用語の一つに「CAV」というものがある。聞き慣れない言葉かもしれないが、近い将来当たり前に飛び交う言葉になる。今回はこの「CAV」とは何なのかを明らかにしよう。


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■CAVとはどういう意味?

CAVは「Connected Autonomous Vehicle」の略で、「コネクテッド自動運転車」を意味する。言葉のとおり、コネクテッド機能を備えた自動運転車のことだ。主に英語圏で使われており、英国政府が2015年に自動車業界とともに設立したセンター名「Centre for Connected and Autonomous Vehicle(コネクテッド自動運転車センター)」からもわかる通り、英国などでは一般化しているようだ。

コネクテッドカー」と「自動運転車」が結びついた言葉だが、完全自律走行する自動運転車の実現において両者は密接に関係しており、切っても切れない間柄にある。

まず、CAVを構成するAVとCVについてそれぞれ解説し、両者の関係性を明らかにしていこう。

■AVってどういう意味?

AVは「Autonomous Vehicle」の略で、「自動運転車」や「自律運転車」を意味する。なお、AVに含まれる自動運転機能に関しては明確な定義はなく、運転支援機能なども含むのかどうかなど漠然としているが、一般的にはADAS(Advanced driver-assistance systems/先進運転支援システム)は含まず、自動運転レベル3(条件付き運転自動化)以上、特に自動運転レベル4(高度運転自動化)以上の完全自動運転を指すことが多い。


また、日本国内では、国土交通省が2018年11月に自動運転レベル2(部分運転自動化)以下の運転支援機能に「自動運転」という表現を用いないことを国内自動車メーカーと合意しており、今後、自動運転から類推される言葉や派生した言葉、英語などの取り扱いについても線引きされる可能性がある。誤解を招かないうえでも、AVは完全な自動運転車と捉えておいた方が良さそうだ。

AVは、車両単体で完全自動運転を実現するわけではなく、高精度3次元地図と全球測位衛星システム(GNSS)や車載センサーから得られるデータを照らし合わせることで、正確な自車位置や周辺環境の把握を実現する。

また、走行車両同士で情報を受発信するV2V(Vehicle to Vehicle/車車間通信)や周辺インフラと情報をやり取りするV2I(Vehicle to Infrastructure/路車間通信)といった通信技術も重要な要素となっている。

【参考】自動運転の定義については「「自動運転」の使用、レベル3以上のみ 国とメーカーが方針 ドライバーの誤解防止へ」も参照。ダイナミックマップについては「ダイナミックマップとは? 自動運転とどう関係? 意味や機能は?」も参照。車車間通信などについては「自動運転とデータ通信…V2IやV2V、5Gなどの基礎解説」も参照。


■CVってどういう意味?

CVは「Connected Vehicle」の略で、「コネクッテドカー」や「つながるクルマ」を意味する。車両にDCM(Data Communication Module/車載通信機)などICT端末として機能するシステムを有しており、車両の状態や周囲の道路状況などさまざまなデータをセンサーにより取得し、ネットワークを介して集積・分析することで、さまざまな価値を生み出す「つながるクルマ」を指す。

車両が常時無線で情報を受発信できる環境を整えることにより、AVの項で記載した高精度3次元地図やインフラなど外部との情報のやり取りがより高いレベルで可能となる。

また、コネクテッドカーの機能には、エンターテインメント機能も含まれる。音楽などの従来からあるエンタメ機能は運転をしながら楽しむことができるが、ゲームなど高度なエンタメ機能は運転から解放されていなければ楽しむことができない。この観点からも、コネクテッド機能と自動運転の関わりをうかがうことができる。

【参考】コネクテッドカーについては「コネクテッドカー・つながるクルマとは? 意味や仕組みや定義は?」も参照。

■未来の自動運転車を象徴するCAV

コネクテッド機能(=常時通信機能)なくして完全な自動運転は実現せず、AVの実現にはCV化が必須であることがわかった。

故にAVとCVを切り分けて考えず、CAVという一つのものとして考えるほうが理にかなっており、自動運転の技術が高まるにつれCAVが主流となっていくことになる。CAVは、未来の自動運転車を象徴する言葉なのだ。


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