5月12日に自動運転で重大発言?トヨタとソフトバンクG、決算発表を予定

五輪における取り組みは?投資事業の行方は?



出典:TOYOTA Global Newsroom公式Youtube動画

トヨタとソフトバンクグループの2021年3月期決算の発表が5月12日に行われる。モビリティ分野で協業する2社の決算発表日が重なったのは偶然だろうが、それぞれビッグな発表があるかもしれない。

各社とも、自動運転分野においてどのような説明を行うのか。憶測交じりとなるが、発表される可能性があるトピック、あるいは発表してほしいトピックについてまとめてみた。







■トヨタ
東京五輪における最新の計画は?

トヨタがワールドワイドパートナーを務める東京2020オリンピック・パラリンピック。新型コロナウイルスの影響で1年遅れとなり、2021年の開催も一部で危ぶまれているものの、自動車業界としては最新技術のお披露目の場として依然注目度は高い。

当初予定では、大会仕様の「e-Palette」をはじめ、専用車両やロボットが多数導入される見込みだったが、この1年の間に変化はあったのか。大会そのものの動向が不透明なだけに言及しづらい面がありそうだが、ぜひ触れてほしいトピックだ。

2020年12月には、実用化を目指し進化したe-Paletteのオンライン発表会が行われ、配車システム「AMMS」や運行管理システム「e-TAP」といった新たなシステムも公表されている。

着実に前進している自動運転モビリティの姿を広く世界に発表する場として、五輪の舞台は代えがたいものがある。ぜひとも最新の計画を発表してもらいたいところだ。

【参考】五輪におけるトヨタのモビリティについては「「トヨタ×オリンピック」!登場する自動運転技術や低速EV、ロボットまとめ」も参照。e-Paletteの最新動向については「トヨタの自動運転車e-Palette向けの「AMMS」「e-TAP」とは?」も参照。

Woven Cityの進捗状況は?

2021年2月23日に着工を迎えたWoven City(ウーブン・シティ)。まだ3カ月足らずではあるものの、進捗状況や今後の展開について言及されるのではないだろうか。

未完の都市ゆえ完成に向けたロードマップは存在しないものと思われるが、ビジネスパートナーらによる第1弾の実証に向けたインフラの整備など、近々の行程表は必要不可欠なものだ。

地下道を走行する自動配送ロボット「S-Palette」やスマートポストの存在など、徐々に個別の取り組みが発表されているが、まずどういったものから取り組み始め、2021年度中にどこまで進むのか。壮大なプロジェクトの初年度となる2021年の動向に大きな注目が集まっている。

海外開発勢との協業や投資の行方は?

この1年の大きな動きの1つに、TRI-ADの事業拡大に向けた新体制「ウーブン・プラネット・グループ」の設立が挙げられる。

全体を統括するウーブン・プラネット・ホールディングスをはじめ、自動運転技術の開発を担うウーブン・コア、新領域に対する事業拡大機会を探るウーブン・アルファ、グローバル投資ファンドのウーブン・キャピタルで構成されている。

ウーブン・キャピタルの1号案件としてすでに米Nuroへの投資が発表されているほか、2021年4月にはウーブン・プラネット・ホールディングスが米Lyftの自動運転開発部門「Level5」の買収に合意したと発表するなど、すでに動きを見せている。

一方、トヨタも米Uberを介するような形で米Aurora Innovationとの提携が発表されている。こうした海外勢との協業や投資の行方についても会見で触れられる可能性がありそうだ。

■ソフトバンクグループ
SPACの行方は?

ソフトバンクグループの決算説明会の目玉は、ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)を中心とした投資案件だ。自動運転分野においてもこれまでGM CruiseやNuroといった多数の有力開発勢に投資しており、各社の動向に注目が集まるとともに、新たな投資先などについても大きな関心が寄せられるところだ。

また、今期の決算説明では、「SPAC(特別買収目的会社)」に言及する可能性が高い。事業を持たない状態で先行上場し、IPOを目指すスタートアップと統合する形で新会社上場を果たす手法だ。

各種報道によると、ソフトバンクグループも2021年に入ってから「SVFインベストメント・コープ」など4社のSPAC設立・上場を行っており、そのうちの1つは、SVFが出資しているMapBoxと合併に向け協議を進めているという。

公式発表は出されていないものの、近い将来4つのスタートアップの上場に道を開くことに間違いはない。対象は広いが、自動運転業界ではこの1年でVelodyne LidarやLuminar TechnologiesなどのLiDAR企業や自動運転トラックの開発を手掛けるTuSimpleなど、上場が相次いでいる。

ソフトバンクグループのSPACと自動運転関連企業が結びつく可能性は高く、動向に要注目だ。

■【まとめ】トヨタとソフトバンク 海外での接点も顕著に?

国内ではMONET Technologiesを介して協業するトヨタとソフトバンクだが、海外企業を交える形で接点を持つ場面も顕著となってきた印象がある。

トヨタは近年、UberやDidi Chuxing、Grabといった配車サービス事業をはじめ、NuroやPony.aiへの出資やGetaround、Aurora Innovationとの提携などがそれぞれ発表されている。これらの企業は、Ponyを除くすべてがSVFの投資先となっている。

ソフトバンクは早くから海外有力スタートアップへの積極投資を進めており、重複するのも不思議なことではないが、こうした企業の成長を交える形で海外におけるトヨタとソフトバンクグループの協業などが本格化する可能性も考えられる。自動運転分野における両社の世界戦略の一端が垣間見えるようだ。

2021年3月期決算では、どこまでのビジョンが語られるのか。5月12日の発表に要注目だ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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