トヨタ自動車のソフトウェア開発子会社であるウーブン・プラネット・ホールディングスは2021年3月25日、グローバル投資ファンド「ウーブン・キャピタル」を通じ、自動運転配送ロボットを手掛ける米スタートアップ企業のNuroに出資したことを発表した。
Nuroへの出資はウーブン・キャピタルの第1号案件。今回の出資はNuro側にとってはシリーズCラウンドの資金調達の一部となる。今回の投資を通じ、Nuroは無人自動配送車の開発を加速させるとみられる。出資額は明らかになっていない。
ウーブン・キャピタルは、モビリティ分野のスタートアップ企業やベンチャー企業を投資対象とする8億ドル(約880億円)規模の投資ファンドで、自動運転やAI(人工知能)、データアナリティクス、スマートシティなどを重点領域とすることが明らかにされている。
ちなみにNuroに関してはソフトバンクグループ(SBG)も2019年に9億4,000万ドル(約1,000億円)を出資しており、今後の日本における自動運転宅配ロボットの公道走行の解禁を受け、Nuroの日本参入をトヨタとソフトバンクグループが強力にサポートすることも考えられる。
またトヨタは現在、静岡県でコネクティッドシティ「Woven City」を開発しており、Nuroの自動運転配送ロボットがWoven Cityで活躍する可能性も十分にありそうだ。
■Walmartなどと配送サービスに取り組む米Nuro
Nuroは自動運転デリバリー車両「R2」を使って、小売大手のWalmartや宅配ビザ大手のドミノピザと配送実証に取り組んだ実績があるほか、コロナ禍においては医薬品の配送などで「コンタクトレス」の立役者となるなど、注目度が急速に高まっている。
最近では2020年12月、米カリフォルニア当局がNuroに対して自動運転車の商用展開に関する認可を出したことが話題になり、報道によれば、当初はトヨタ・プリウスを改造した車両で配送サービスを展開し、その後、R2の活用も始めるようだ。
今回の出資について、ウーブン・キャピタルのマネージング・ディレクターであるジョージ・ケラマン氏は「NuroのビジネスはWoven Planet Groupが目指す『Safe Mobility for All』にも合致している」とした上で、「第1号投資案件として今後の成長を支援できることを嬉しく思う」としている。
一方、Nuroの共同創業者であるデイヴ・ファーガソン氏は「安全なモビリティと先端テクノロジーにフォーカスし、トヨタグループとしてのルーツを持つWoven Capitalは、Nuroにとって理想的な投資家」と述べている。
【参考】関連記事としては「自動運転車での商用デリバリー、米Nuroがカリフォルニアで認可を初取得!」も参照。
自動運転車での商用デリバリー、米Nuroがカリフォルニアで認可を初取得! https://t.co/2ovFs1brBX @jidountenlab #自動運転 #デリバリー #Nuro #カリフォルニア
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) December 24, 2020
■ウーブン・キャピタルの第2号投資案件にも注目
ウーブン・キャピタルはNuroへの出資を皮切りに、モビリティ分野の有望スタートアップに今後次々と出資を行っていくはずだ。日本や米国を始め、有望市場であるこの領域では優れた技術を持つスタートアップが続々と誕生している。第2号案件にも注目だ。
【参考】関連記事としては「トヨタのウーブン新体制、自動運転やWoven Cityでアクセル全開 ライブ配信でオープニングイベント」も参照。