年23%成長の半自律・自律バス市場!「トヨタ vs GM vs 新興勢」の自動運転シャトルバトル

有望市場で勝ち残るのはどの企業?



出典:Report Oceanプレスリリース

「半自律型バス」と「自律型バス」の市場は2020〜2027年にCAGR(年平均成長率)23.1%以上の成長が見込まれていると、市場調査レポートプロバイダーのReport Oceanが2021年7月15日までに発表した。2019年は約27億7,000万ドルの市場だったという。

自律型バス、つまりいわゆる自動運転バスは、特に先進国の運転手不足の解消や過疎地域の公共交通として活躍することが見込まれており、大手自動車メーカーのほか、ベンチャー企業やスタートアップ企業などの新興企業も、開発に力を入れ始めている。







自動車メーカー系でいえば、トヨタのMaaS向け自動運転EV(電気自動車)シャトル「e-Palette」や、GMが傘下のCruiseとともに開発する「Origin」、新興勢で言えば、フランスのNavyaやEasy Mile、フィンランドのSensible 4、米国のローカル・モーターズなどがいる。

有望市場に立ち向かうこうした企業の取り組みの一端を紹介していこう。

■トヨタのe-Palette:管理システムも充実

2018年に発表されたトヨタの「e-Palette」は、MaaS専用の自動運転EVとして活躍が見込まれ、実用化に向けて着々と進化している。

2020年12月に開催されたe-Paletteのオンライン発表会では、e-Paletteの運行を効率化する「AMMS」と「e-TAP」という2つのシステムも発表された。

「AMMS」は「Autonomous Mobility Management System」の略で、「必要な時に、必要な場所へ、必要な台数だけ」e-Paletteを配車するシステムだ。乗客が増える際は運行計画に修正を加えることで、自動で追加の車両が投入される。

「e-TAP」は「e-Palette Task Assignment Platform」の略で、「目で見る管理システム」を導入し、運行に関わるスタッフをサポートするシステムだ。車両やスタッフの異常を見える化することで、運行管理センターのスタッフが複数台を同時に監視することを可能にする。

【参考】関連記事としては「トヨタの自動運転車e-Palette向けの「AMMS」「e-TAP」とは?」も参照。

■GM CruiseのOrigin:日本でも自動運転移動サービス用で使用へ

GM Cruiseが2020年1月に発表した「Origin」は、GMやホンダと共同開発した量産モデルだ。自動運転を前提とし、ステアリングホイールやアクセルなどのペダル、バックミラーといった装備を排している。

一般的な6人乗りのSUV並みのボディサイズだが、ゆったりとしたスペースが確保され、シャトルサービスに向いている。

このOriginは将来日本でも自動運転移動サービス用の車両として投入される予定となっている。GMとGM Cruise、ホンダの3社がすでにサービス提供に向けて基本合意をしており、Originを日本で見ることができる日もいずれやってきそうだ。

■勢いのある新興勢4社:Navya、Easy Mile、Local Motors、Sensible 4

このほか新興勢で有力な4社の取り組みも紹介しておこう。

仏ナビヤ製の自動運転EV車両「ARMA」は、定員15人、最高時速25キロ、1回の充電で最長9時間走行することが可能だ。ハンドルがなく、手動運転が必要な際はゲーム用コントローラーで操作することが特徴の1つとして挙げられる。

【参考】関連記事としては「NAVYA社の自動運転バス「ARMA」、誰でも操作できる?」も参照。

2014年創業のスタートアップ仏Easy Mileの自動運転シャトル「EZ10」も、運転席がない。最大12人が乗車可能で最高時速40キロで走行する。実証を含めこれまで30カ国以上、300以上のエリアで総延長80万キロの走行実績を持つ。

米Local Motorsが開発する「Olli(オリ)」は、2018年にニューヨーク州立大学バッファロー校と提携し、大学内で運行を開始している。車体の約80%が3Dプリンターによって生産され、時速40キロで走行することが可能だ。サウジアラビアやイタリアでも展開されている。

日本の良品計画もデザインパートナーとして参画しているフィンランド企業Sensible 4のシャトルバス「GACHA」は、全天候対応型で前後の区別がない車体デザインが特徴だ。2020年4月からヘルシンキ市内で実証走行を開始した。

■【まとめ】法整備のスピード感も重要なカギに

自動運転バスの有望市場で勝ち残るのは、いったいどの企業だろうか。高い技術を有していても商用利用が進められなければ、優位なポジションを保っていくことは難しい。そういった意味では、各国の法整備やインフラ整備の動向も、各社の生き残りに直結してくる。

こうした観点で、各社の開発の動向と各国の政府の動向の両方に注目していきたい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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