Googleの自動運転車、米当局が捜査開始へ 22件の事故・違反疑い

NHTSA欠陥検査課、工事現場進入事案も



米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)がGoogle系Waymoの無人自動運転車に関し、事故もしくは交通違反の疑いがあるとして、22件の事案について予備調査を開始したことが、2024年5月15日までに明らかになった。本格的な捜査の前段階といえるが、交通違反の動画が拡散されていることもあり、事案によっては捜査に進む可能性が高い。


予備調査を行っているのは、NHTSAの欠陥検査課。この予備調査に関するNHTSAの資料がネットで閲覧できる状況となっており、対象となっているのはWaymoの「Waymo 5th generation automated driving system(ADAS)」(第5世代の自動運転システム)で、台数は推定444台となっている。

出典:SCRIBD(https://www.scribd.com/document/732396413/INOA-PE24016-12382)

■SNSで拡散したトラブル動画がきっかけ

米メディアの報道によれば、この調査はWaymoの車両が起こしているトラブルの動画がSNSなどを通じて拡散していることを受けたものだという。

ちなみに、Waymoの無人自動運転車が道路を逆走している動画がX(旧Twitter)で拡散しており、このトラブルについては自動運転ラボでも「Googleの自動運転車、公道を逆走!Xで目撃投稿」で記事にした通りだ。

報道によれば、NHTSAはWaymoの自動運転車が道路工事の現場に進入した件についても調査を進めているという。

■当局の自動運転車に対する警戒感高まる

Waymoはアリゾナ州フェニックスで2018年12月に自動運転タクシーの商用サービスを展開し始め、サンフランシスコといった都市へも利用可能エリアを拡大。最近では、ロサンゼルスで自動運転タクシーの展開許可を得たばかりだ。


アメリカではGM Cruiseの自動運転車が人身事故を含む事故・トラブルを立て続けに起こしたことにより、捜査当局による自動運転車に対する警戒感がにわかに高まっている。今回の調査が今後のWaymoの事業拡大にどのような影響を与えるか、注目が集まる。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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