米で「絶対に倒れないバイク」開発中!自動バランス機能を搭載

Lit Motors、クラファンで500万ドル調達中



出典:Lit Motors公式ブログ

絶対に倒れない「自動バランス」機能を搭載したバイクを開発している企業がある。米サンフランシスコに拠点を置くLit Motorsだ。2010年に設立後、資金調達の課題に直面したが、ここ数年で活動を再開し、クラウドファンディングで500万ドル(約8億円)を調達すべく、開発内容をアピールしている。

■観たら衝撃!絶対倒れないバイクの動画

何はともあれ、まずはLit Motorsの以下のYouTube動画を観てほしい。開発中の「オートバランス・エレクトリック・ビークル」(AEV)がどういうものか、よく分かる。


開発しているのは2人乗りの電動バイクで、自動車との衝突事故が起きても、突然横から引っ張られても、独自開発のジャイロ安定化システムによってバイクの車体が倒れないように設計されているようだ。

一般的な二輪のバイクと違って、自動車と同様の丸いハンドルで車体を操作することも、同社のバイクの特徴の一つだ。すなわち、右に曲がるときはハンドルを時計回りに、左に曲がるときはハンドルを反時計回りにまわす。

■世界各国で国際特許を申請・取得済み

CEOのDanny Kim氏=出典:Wefounder

Lit Motorsは現在、アメリカの株式型CF(クラウドファンディング)プラットフォーム大手であるWefunderで資金調達を実施中だ。目標額の500万ドルのうち、2024年5月15日時点では121万9,654ドルの投資を同サイト上で得ている。


▼Revolutionary Self-Balancing 2-Wheeled Electric Car|Wefunder
https://wefunder.com/lit.motors

同社は開発中のバイクを1台3万2,000ドルで販売した場合、1,300台以上の予約注文によって4,160万ドルの売上が早期に見込まれることをアピール。また、軍需製品メーカーの旧レイセオンや重工大手ハネウェル、アウディ出身の一流エンジニアが開発にあたっていることも強調している。

Lit Motorsはフルサイズの自動車(※いわゆる現在の4人乗り以上の自動車のこと)の効率の悪さを指摘している。自動バランス機能を搭載した安全性が高い2人乗りの二輪バイクが普及すれば、現在の道路の車線を二分割した広さでも走行スペースは十分であり、循環型経済の実現に貢献するとしている。

ちなみに、すでにアジアや欧州、アメリカ、インドで国際特許を取得しているという。また、バイクの車体に使用する部品は一般的な自動車の10分の1でいいのだとか。


■モビリティの革新、二輪でも!?

モビリティは現在、革新のときを迎えている。ガソリン車からEV(電気自動車)へ、手動運転から自動運転へ・・・。そして二輪バイクもLit Motorsによって大きな革新が起きるかもしれない。

絶対倒れない(※圧倒的な力が加わった場合も考えると、100%倒れないということは難しいかもしれないが)バイクが開発されれば、当然、事故による死傷者も減る。同社に対する注目度は今後高まっていく!?

【参考】関連記事としては「日本の「空飛ぶホバーバイク」開発企業、米市場で上場へ」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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