自動運転の利用、日本人は「消極派34%」で世界最低水準

中国・インドは「ウェルカム」



コンサルティング事業を手掛けるPwCのアンケート調査結果から、他国に比べ日本は自動運転の利用に消極的であり、AI自動運転に慎重である傾向が強いことが明らかとなった。


安全性を重視する日本の文化・価値観が改めて浮き彫りとなった格好だ。アンケート調査の中身を紹介していこう。

▼自動運転×AI消費者アンケート調査2025
https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/thoughtleadership/automotive-ai-consumer-survey-2025.html

記事の目次

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■PwCの調査概要

日本、米国、ドイツ、中国、インドを対象に自動運転関連アンケートを実施

PwCは、近年急速にAIが日常生活に浸透しており、自動運転の制御においてもAIが活用される点を踏まえ、消費動向への影響や考え方・感じ方の違い、今後取るべき対応を検討するため、各国の一般消費者にアンケート調査を実施した。

調査は2025年9月、日本、米国、ドイツ中国インドの5カ国における20~60代の男女を対象に各国500人、計2,500人の回答を得た。設問は計8問だ。以下、その内容を紹介していく。


「自動運転が実用化した時に、日常的に利用したいと思うか」

「とてもそう思う」「ある程度そう思う」と肯定的に回答した人の割合は、インド80%、中国73%、ドイツ50%、日本40%、米国35%となった。インド、中国が自動運転の利用に積極姿勢を示す一方、日本は肯定派と否定派(34%)が大差なく、いまいち温度が上がっていない状況を示す結果となった。

日本の年代別では、「とてもそう思う」と回答した割合は20代と30代が最も多かった一方、「全くそう思わない」と回答した割合も20代が最も多かった。若者は明確に2極化しているのかもしれない。

もう一点、米国民が最も自動運転に否定的となった点も見逃せない。最も自動運転を身近に感じやすい環境にありそうだが、わかりやすく賛否が分かれた結果となっている。最先端テクノロジーに寛容な風土・文化を有する一方、変化を拒む層や機械・コンピュータによる事故に過敏な層はやはり一定数存在するようだ。

出典:PwC(※クリックorタップすると拡大できます)

「AIによる自動運転車に対して、どの程度信頼できるか」

「非常に信頼できる」「ある程度信頼できる」と答えた割合は、インド71%、中国62%、ドイツ36%、米国と日本が各28%となった。前問と同様の傾向にあり、AI自動運転車に対する信頼感が利用意向に反映されていることは間違いなさそうだ。


日本、米国、ドイツは品質・安全性を重視する文化が強いことが背景にあり、また、日本は中立が比較的多く、社会実装の遅れも要因と推察している。

出典:PwC(※クリックorタップすると拡大できます)

「AIが自動運転における緊急事態(事故回避が必要、故障、予期せぬ状況など)に適切に対応できると思うか」

「全ての状況において対応できると思う」「ほとんどの状況で対応することができると思う」と回答した割合は、インド66%、中国65%、ドイツ45%、米国29%、日本22%となった。前問における信頼性がそのまま反映されている印象だ。

米国は、AI技術は進展しているものの、足元の自動運転の事故報道などにより信頼感が低い傾向と推察している。日本は、社会実装の遅れにより「わからない」とした回答者が多いようだ。

「AIが人間の命に関わる(例えばトロッコ問題)運転判断を行うことに抵抗を感じるか」

「全く抵抗を感じない」「あまり抵抗を感じない」と回答した割合は、インド28%、中国21%、米国18%、日本17%、ドイツ14%という結果となった。

AI技術に対する信頼が比較的高い中国とインドにおいても、「命の判断」という倫理的な領域においては抵抗を感じており、グローバルで共通的な課題として議論する必要があると分析している。また、中国は独自でAI開発を行う傾向にあり、AIの倫理判断においても 「国による介入」 の可能性を考慮し、現時点では判断を保留する層が多くなっている可能性も指摘している。

「AIによる自動運転の交通事故の発生率が人間の運転よりも大幅に低い場合、A: 事故率は高いが人間が運転し、事故の責任は人間が負う社会――とB:AIが運転することで事故率が低くなり、事故の責任は自動車メーカーが負う社会――どちらの社会が望ましいか」

「A」と回答した割合は、インド34%、米国30%、ドイツ24%、日本15%、中国11%の順となった。一方、「B」は中国75%、インド58%、ドイツ50%、日本45%、米国42%の順となっている。

各国とも、事故率が高い人間よりも、事故率が低いAI自動運転を望む傾向が顕著に表れている。やはり事故が少ないほうが望ましいということなのだろう。

自動運転に肯定的なインドは、Aの割合も高い。責任の所在を企業ではなく特定の人にしたいと考えていることが特徴的としている。

「AIによる自動運転車に対して不安に感じる点は何か」

「技術の信頼性」「AIによる判断の不透明性」「事故時の対応」「プライバシー」「サイバー攻撃」「法整備の不備」の各項目において、全体的に大きな偏りなく各国とも類似した結果となった。

日本は「事故時の対応」が21%で最も高く、「AIによる判断の不透明性」20%、「技術の信頼性」18%、「法整備の不備」17%、「サイバー攻撃」16%、「プライバシー」8%の順となっている。

どの国もAI自動運転はまだ社会実装が進んでおらず、不安要素も各国共通して広く分散しているが、今後国ごとに社会実装が進むことで差が生じてくると考察している。

また、一般消費者はサイバー攻撃や法整備の不備に対しても一定の関心を寄せていることから、各国・企業は広い観点でAI自動運転に対する不安低減に取り組む必要があるとしている。

「AIによる自動運転車が事故を起こした場合、誰が責任を負うべきと考えるか」

「AI開発者(車両メーカー、部品メーカー、テクノロジー企業)」と回答した割合は、米国50%、インド47%、中国47%、ドイツ47%、日本34%となった。

一方、「運行事業者」と回答した割合は、インド46%、中国44%、米国38%、ドイツ35%、日本33%で、「ドライバー」と回答した割合は、日本34%、ドイツ18%、米国12%、中国8%、インド6%という結果となった。

各国ともAI開発者と運行事業者は二分する結果となったが、日本は唯一ドライバーも含め三分する結果となっている点がポイントだ。

欧米は製品・開発者責任を問う文化・訴訟環境が強く、一方の日本は「運転者の注意義務」を重視する傾向にあるからではないかと推測している。

ただ、ドライバーレスの自動運転の場合、果たして「ドライバー」とは何を指すのか……という疑問が残るところだ。

出典:PwC(※クリックorタップすると拡大できます)

「自動車の安全性に関わる不具合やリコールが比較的増加したとしても、無線ソフトウェアアップデートで迅速に修正ができる場合、車両購入の意思決定にどの程度影響を与えるか」

「車両の購入意欲がとても上がる」「どちらかといえば、車両の購入意欲が上がる」と回答した割合は、インド75%、中国66%、米国41%、ドイツ40%、日本28%という結果となった。

インドや中国では、OTAによる迅速な対応が車両購入に影響を与える一方、やはり日本は低調なようで、「車両の購入意欲には影響しない」が半数近い46%を占めた。

■AIの信頼性を高めるには透明性や説明性の向上が重要

日本、米国、ドイツでは自動運転に対し一定数の保守的な層が存在するため、安全性や安心感を訴求しつつ市場へ徐々に投入していくことが求められる。中国、インドは自動運転技術に対し積極的な傾向が強く、一定程度チャレンジできる市場としている。

AIの判断能力に関しては、中国、インドで信頼度が高いものの、米国では否定派が5割を超えており、透明性や説明性の向上が重要という。

AI・自動運転車の責任の所在に関しては、各国共通の課題であり、国際的に統一すべきものである。国際機関などがルールを明確にし、サービス提供者や保険業界などとともにさまざまなユースケースを想定した現実的な対応方針の検討が求められるとしている。

出典:PwC(※クリックorタップすると拡大できます)

■【まとめ】自動運転が市民権を得るにはまだまだ時間を要する?

安全性を重視する日本は、やはり他国に比べ自動運転に慎重な割合が多いようだ。安全性を求めることは当然の権利と言えるが、過剰反応して重箱の隅をつつくような社会では、一向に機運が高まらずイノベーションは発生しない。

一方、先進地である米国でいまだ消極派が多い点などを踏まえると、自動運転が真の市民権を得るには相当の期間を要する……というのも避けようがないことなのかもしれない。

AI自動運転は、基本的に社会実装された時点で一般ドライバーよりも安全性が高いことをどのように周知し、理解を広げていくか。また、その安全性を信頼してもらうためにはどのようにすべきか。さまざまな観点があるが、社会受容性を高めるにはその国の文化や習慣、価値観に適した取り組みを一体的かつ地道に進めていかなければならなそうだ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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