レベル4自動運転車、「量産」は中国の独壇場か 百度も大量製造へ

AutoXもロボタクシー向け車両の製造ライン



出典:Daniel Cukier / Flickr (CC BY-ND 2.0)

自動運転レベル4(高度運転自動化)の技術を使った有料の移動サービスが初めて始まったのは、アメリカの地だ。Google系Waymoが運転席無人の自動運転タクシーをすでに展開している。一方、レベル4の自動運転車の量産では、中国がアメリカをリードするかもしれない。

中国のネット検索大手・百度の李彦宏(ロビン・リー)最高経営責任者(CEO)は2021年12月30日までに、中国の自動車大手である浙江吉利控股集団(Geely)との合併メーカーで、2023年からレベル4の自動運連EVの量産を開始すると明らかにした。


百度は2020年12月、3~5年後に自動運転車を100万台まで増やす方針を発表し、2021年6月にはシェアサービス向けの量産自動運転車「ApolloMoon(アポロムーン)」を公開した経緯がある。

今月はアリババが出資する中国のスタートアップ企業AutoXが、最先端の自動運転システムを搭載したレベル4のロボタクシー車両の製造ラインを完成させたことを発表しており、中国で自動運転車の量産のニュースが次々と飛び出している状況だ。

■アメリカ企業も負けてはいないものの……

自動運転車の量産に関しては、アメリカ企業も負けてはいない。Waymoは2019年4月の段階で、普通の自動車を「自動運転化」する工場の建設を発表しているし、GMの子会社であるCruiseはGMの拠点で自動運転車の製造を始め、量産化に向けての資金も確保している。

しかし、スマートフォンの製造や家電・電気機器の製造におけるスピード感は、世界において中国企業が群を抜いていることを考えると、数年後に世界に存在する自動運転車の大半は中国製……ということも考えられる。日本企業が今後どう動くかも気になるところだ。


ちなみに自動運転車に関しては、過去の米EV大手テスラのイーロン・マスクCEOが、2020年にロボットタクシーサービスを100万台の完全自動運転車で展開すると発言したが、実現しなかった。

どの国がレベル4自動運転車の量産でリードすることになるのか、各国の動向に注目だ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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