中国系TuSimple、公道で自動運転トラックの「完全無人」運用に成功

「世界初」と強調、YouTubeで走行動画を公開



中国系スタートアップのTuSimple(図森未来)が、アメリカの公道で自動運転トラックの完全無人オペレーションに成功した。同社が2022年1月1日までに発表した。

報道発表によれば、TuSimpleの自動運転トラックは12月22日の夜、米アリゾナ州のツーソンとフェニックスを結ぶ高速道路において、ドライバーが乗車せず、人による介入も行わず、完全無人走行に成功したという。


TuSimpleは今回の走行について「World’s First “Driver Out” Fully Autonomous Semi-Truck Operating」と、世界初の快挙であることを強調している。動画投稿サイト「YouTube」では、以下の通り、今回の走行動画を公開した。

自動運転レベル4の水準を達成

TuSimpleのトラックは今回、「特定エリア」における「完全無人」の自動運転を実現した。これは「自動運転レベル4」(高度運転自動化)の水準だ。

レベル4の自動運転トラックは、物流業界に省人化の効果をもたらし、人手不足という課題の解決に大きく寄与することが確実視されている。そのため今回のTuSimpleのニュースは、物流業界からも大きな注目を集めている。


ちなみに日本は高速道路での物流トラックのレベル4走行について、市場化の期待時期を「2025年以降」(官民ITS構想・ロードマップ)としている。

■ライバルはWaymoやPlus.ai

2015年に創業し、中国と米国の両方に拠点を有するTuSimple。米物流大手UPSが出資していることで知られ、2021年4月には米ナスダック市場に「TSP」のティッカーシンボルで上場した。

自動運転トラックに関しては、自動運転タクシーを世界で初めて商用化したGoogle系Waymo
や、同じく中国のスタートアップであるPlus.aiなどライバルは少なくないが、TuSimpleが今回の完全無人オペレーションの成功を経てどれだけ存在感を高められるか、注目だ。


▼TuSimple公式サイト
https://www.tusimple.com/

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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