自動運転領域でのコメントが秀逸なNewsPicksのピッカー9選

事業通ならではの解説も多数



国内外の経済ニュースが集まり、専門家らの自由なコメントも閲覧できるソーシャル経済メディア「NewsPicks」。自動運転やMaaS関連のニュースに対しても事情通による詳細な解説などがつき、参考になる意見が多い。


今回はこのNewsPicksから、自動運転やMaaS関連の記事への秀逸なコメントが多いPicker(ユーザー)をピックアップしてみた。

■T. Riki 氏:アメリカ西海岸在住 製造業、技術営業

https://newspicks.com/user/150930

アメリカ西海岸在住で、あくまで個人の見解というスタンスでテクノロジー分野を中心にさまざまなコメントを残しているが、シリコンバレー関連では特に現地在住のリアルな情報を基にした意見や感想が多く、大変参考になる。

Reutersは2019年2月に報じた「米アップル、自動運転車部門で190人を解雇へ」というトピックに対しては、「アップルが本当の車を作ろうとBMW通いをしていた頃からは随分遠いところまで来た」と評し、「先日フリーウェイでApple mapの車がLiDARセンサーを数個搭載して走っていた。AR mapの開発は間違いなさそうと思っているが、その流れとは車のプロジェクトはやはり別モノか。まだまだ時間のかかるプロジェクトだろうけど、なぜAppleなのか?という必然性があれば」とコメントしている。


■阿蘓 将也 氏:Bosch自動バレー駐車テクニカルプロジェクトマネージャー

https://newspicks.com/user/921144

ボッシュでドイツ赴任を含め2年間自動運転開発に携わり、その後社内ベンチャーで生まれた自動バレー駐車システムの日本開発チーム技術リーダーとして、自動モビリティビジネスとそれを可能にする開発に没頭中という。また、アマゾンが主催する強化学習×自動運転レース「AWS DeepRacer」の日本チームを発足し、代表として活動も行っている。

ハフポスト日本版が2019年3月に報じた「空飛ぶバイク 中国で発明。筋斗雲への憧れが実を結ぶ(動画)」に対し、「最近、こういう面白いを形にするのがシリコンバレーから中国に移っている気がする。日本でそういう文化が根付いていたのはかなり昔の製造業全盛期の時かな」とコメント。また、Bloombergが2019年3月に報じた「ウーバーが自動運転部門別会社化とソフバンクから出資で交渉」に対しては、「最終的に会社自体の売却もありうるか。自動運転部門は悪く言えばコストのため、安定的な収益と投資ができる企業に引き継ぐ形も別に悪いわけじゃない。とりあえず、IPOの為に組織整理の段階なのか」と深読みしている。

■土屋 武司 氏:東京大学大学院工学系研究科教授

https://newspicks.com/user/2112738


航空宇宙工学専攻に所属し、航空機の飛行力学や飛行制御に関する教育研究に従事している。理論面では、制御理論や最適化理論、複合領域最適化を研究しており、応用面では、航空機の飛行安全向上や効率化に向けた研究、マッハ5で飛行する極超音速機の研究、将来宇宙輸送システム、飛行ロボットの研究開発、将来の航空交通管制システムの研究などを行っているという。

TechCrunch Japanが2019年3月に報じた「4300万円で垂直離着陸の空飛ぶバイク、一流アクセラレーターY Combinatorが投資」に対し、「どこまで軽量化できるかが最大のポイント。インテーク(ジェットエンジンの空気吸い込み口)周り設計をどうするか。配管はまっすぐの方が良いが、それだとこの図のように人が腹這いで乗ったときに口を塞ぐようになってしまう」とコメントするなど、技術分野をはじめ幅広い知識や考え方が非常に参考になる。

■比屋根 一雄 氏:三菱総合研究所AIイノベーション推進室長

https://newspicks.com/user/116675

IT研究開発、IT政策、ITソリューションを経て、今はAI研究開発を手掛けているという。

AI関連へのコメントが多く、AINOWが2019年2月に報じた「ディープラーニングはすでに限界に達しているのではないか?【前編】」に対し、「ディープラーニングは限界に達しているというより、多様な進化を続けていて、ついていくのが大変になっているというのが実感。学習済みAI+転移学習がパッケージ化されたときに、はじめて本当のカンブリア爆発が起こるのではないか」など指摘している。

■神領 貢 氏:ニューモデルマガジンX編集長

https://newspicks.com/user/1579037

自動車業界誌やJAFなどを経て、「ニューモデルマガジンX」月刊化創刊メンバー。自動車業界ウォッチャーとして38年の経歴を誇る。

日本経済新聞が2019年3月に報じた「自動運転、法整備が前進 開発は米中勢に遅れ」に対し、「公道試験のデータ収集が遅れているのはいかんともしがたいが、巻き返しを図らねばならない。特に左側通行のデータは欧米メーカー、スタートアップとも取りきれていない。データ収集の観点からは、やはりライドシェア解禁が必要。規制緩和を急がねばならない」と指摘している。

■小野 雅裕 氏:NASA Jet Propulsion Laboratory 技術者・作家

https://newspicks.com/user/198783

火星ローバーの自動運転アルゴリズムを開発しているという。宇宙関連のトピックへのコメントが多いが、共同通信が2019年3月に報じた「トヨタ、月面車を開発へ JAXAと、29年打ち上げ」に対し、トヨタのFCVに関連して月面におけるエネルギー源について「太陽光+EVが最適解と思う。いや、蓄電のための燃料電池、つまり水素を燃やして出る水を地球のFCVみたいに捨てずに貯めておき、昼間は太陽光発電して余剰電力で水を電気分解して水素を作る。夜間は水素を燃料電池で燃やして発電。月の最大の課題は15日に及ぶ夜をどう越すか。蓄電方法として通常の電池を使うか、燃料電池を使うかのトレードになる。エネルギー密度だと燃料電池に分があるのか」など、最適解を求めるコメントを残している。

■堀江 貴文 氏: SNS media & consulting K.K. Founder

https://newspicks.com/user/100616

ご存じホリエモン。最新のテクノロジー分野への興味が高く、幅広い知識と独自の先見性で自動運転分野においてもさまざまな意見を述べている。

朝日新聞デジタルが2018年11月に報じた「きっかけはホリエモン 自動配送ロボを開発、実証実験へ」に対し、「最初は配送ロボットとして考えていたが、むしろ自動運転するパトカーとして考えるともっと用途が広がる。360度カメラで全てリアルタイムにクラウドに保管し、ディープラーニングで解析して攻撃しようとした人も全部記録し、怪しげな行動をする人も全て撮影するので犯罪の抑止力にもなる」など、溢れるアイデアを惜しみなく披露している。

■金谷 元気 氏:akippa株式会社 代表取締役社長 CEO

https://newspicks.com/user/137569

駐車場シェアリングakippaの金谷社長も、配車アプリやMaaS関連などに積極的に意見や感想を述べている。ニュースイッチが2019年2月に報じた「未来の駐車場には何が求められるのか」といった自身の事業に関連するトピックに対し、「駐車場業界はこれまでデータをほとんど取得してこなかった企業が多い。データを取得していくことで何が求められているかを知ることができる。駐車場シェアリングのサービスに掲載する駐車場事業者が増えている理由は、稼働向上による収益アップだけではなく、利用目的などのデータ取得もある」と専門的見地から意見を述べている。

■鈴木 万治 氏:DENSO International America Inc. Vice President, Innovation

https://newspicks.com/user/2278569

自動車部品サプライヤー・デンソーのシリコンバレーオフィスで事業開発を担当している。自動車関連の知見が高く、Bloombergが2019年3月に報じた「自動運転車のウェイモ、自社開発のLIDARセンサーを他社に販売開始」に対し、「EVは構成部品数が圧倒的に少なく、その中で付加価値が高いものはバッテリー、インバーター、LiDARなどほんの数点に限られる。Waymoは自身でOEMを狙いながらも、保険のひとつとしてLiDARの外販を考えていることは、きちんと収益性を考えたビジネスの実現を考えていることを示しているよう思える」とコメントしている。

■【まとめ】業界関連者の解説や意見は貴重

業界関連や研究関連者が必然的に多くなったが、それだけ専門分野の知識を有するユーザーが多いということ。そういった人たちの意見をうかがうことができる場は大変貴重だ。

また、専門外だが自動運転分野に関心を寄せるユーザーの声も非常に参考になる。こういった声が世論の一部を形成し、代弁者となっているからだ。

自動運転に対する賛否を含めさまざまな意見が寄せられることで社会受容性の度合いをうかがうことができ、業界全体の認知度向上や理解の促進にもつながる。Pickerの皆さんの積極的に意見や感想に今後も注目していきたい。


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