自動運転、実証実験の結果一覧(2024年最新版)

公表されている資料9点を分析



出典:BOLDLY公式サイト

自動運転技術の実用化に向けた実証が各地で進められている。一部は実用化域に達しつつあり、法改正によるレベル4解禁とともに、取り組みはますます加速していく見込みだ。

年々進化を遂げている研究開発現場では、どのような成果が上がり、またどのような課題が浮き彫りとなっているのか。公表されている自動運転実証の報告書など最新情報をもとに、自動運転開発の今に迫っていこう。


<記事の更新情報>
・2024年3月18日:福島県田村市の実証結果を追記
・2023年5月1日:愛知県の2022年度の実証結果を追記
・2022年12月2日:福島県浪江町の実証結果を追記
・2022年3月14日:記事初稿を公開

■自動走行ビジネス検討会「自動走行の実現及び普及に向けた取組報告と方針」Version5.0

自動運転のビジネス化に2015年から取り組んでいる自動走行ビジネス検討会は、これまでの実証プロジェクトの成果や今後の課題、次期プロジェクト工程表などをまとめた報告書を2021年4月に発表した。

実証関連では、レベル3遠隔型自動運転システムによる移動サービスや、中型自動運転バスなどのラストマイル自動走行、高速道路におけるトラックの隊列走行における実証概要や成果が取りまとめられている。

国内初のレベル3遠隔型自動運転システムによる自動運転移動サービスを実現した福井県永平寺町に関しては、実証地域選定(2016年度)から世界初の1人の遠隔運転手が2台を運用する遠隔型自動運転システムの公道実証(2018年度)、無人自動運転移動サービスの試験運行開始(2020年度)に至るまでの経過が示されている。


中型自動運転バスでは、2020年度に実証を行った大津市と京阪バス、神姫バス、西日本鉄道、茨城交通、神奈川中央交通の5事業者それぞれの運行実績や成果がまとめられている。

出典:経済産業省(※クリックorタップすると拡大できます)

踏切の開閉情報や歩行者信号情報、右折時における死角からの対向車検知といったインフラ連携の取り組みなどをはじめ、路車間通信による運転制御と人間の感覚との違いや設定ダイヤに対する慢性的な遅延、バス停に乗降客がいない場合の通過判断、街路樹が信号を覆ったことによる信号の画像認識精度の低下、夕暮れや夜間時における前方車両の検出性能の低下、磁気マーカの読み飛ばしによる走行位置のブレといった課題も挙げられた。

トラックの隊列走行では、後続車無人システムの実証実験や後続車有人システムの高度化などに取り組んでおり、これまで新東名高速道路を計約4万1,000キロ走行した中で発生した、車線減少部での一般車との並走や割込み、SA・PA内での歩行者の隊列車間への接近、隊列と一般車の同時車線変更といったヒヤリハットの例などが整理されている。

出典:経済産業省(※クリックorタップすると拡大できます)

一方、課題としては、注意喚起表示などにより一定の効果があるものの、合流部や車線変更時における周辺車両との錯綜や、MRMや落下物・故障車・道路規制などへの対応について、電子牽引由来の課題が残るとしている。


▼自動走行ビジネス検討会が取りまとめた報告書
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/jido_soko/pdf/20210430_02.pdf

■愛知県:2020年度自動運転社会実装プロジェクト推進事業の実施成果報告

自動運転の実用化に取り組む愛知県の2020年度事業の成果報告が発表されている。同年度は、空港島全域における自動運転車両による移動と屋外公共施設における新たな車室空間体験を伴う移動、生活・観光混在エリアにおけるMaaSによる移動の3テーマを設定し、それぞれ実証を進めた。

出典:愛知県(※クリックorタップすると拡大できます)

常滑市の中部国際空港島では、シール型の磁気マーカなどを活用した小型バスで車内運転席無人の遠隔型自動運転や、運転席有人で一般客を乗せる自動運転を実証した。

磁気マーカによる雨天時における安定走行を実現したほか、2週間にわたって一般客を乗せる運行を通じて、交通事業者による自動運転車両の長期にわたる安全・安心な運行を実現するオペレーションの確認、運転席無人の遠隔型自動運転によって少人数での運行体制と乗客の安全・安心を両立できることなどを確認した。

一方、課題としては、見通しの悪い合流点における路車間協調による安全な合流や、最小回転半径や右左折時の内外輪差、車線幅員などを考慮した自動走行経路の設定、シール型磁気マーカがタイヤ摩擦の影響により約1週間で剥がれたことへの対策などを挙げている。

出典:愛知県(※クリックorタップすると拡大できます)

長久手市の愛・地球博記念公園(モリコロパーク)では、トヨタ紡織の次世代自動運転コンセプト空間「MOOX」を活用し、ARによるエンターテイメントコンテンツなどによる移動価値の向上を図った。

自動運転車両における時間・車室の使い方の可能性を確認し、将来的なマネタイズの可能性を確認した一方、歩行者横断や飛び出しへの対策強化と安全確保手段の更なる検討、消費電力増加を抑制する方法、悪天候時のLiDARへの水滴付着による自己位置誤認識への対策などが課題として浮き彫りとなったようだ。

出典:愛知県(※クリックorタップすると拡大できます)

西尾市中心部では、住民試乗のもと遠隔監視や路側カメラによる死角監視などを活用した運転席有人による自動運転移動サービスの実証を行った。路上駐車回避のための手動介入回数が31走行中2回という安定性を実現したようだ。

課題としては、右左折を伴う際の合流タイミング時、安全監視員による判断から自動運転システム自身での判断への移行や、運行を支える費用の負担、地域の商店等への回遊性向上策のさらなる向上、路上駐車車両の回避に係る技術向上、自動走行への理解を含めた交通マナーの喚起方法などを挙げている。

出典:愛知県(※クリックorタップすると拡大できます)

▼愛知県の自動運転社会実装プロジェクト推進事業の実施成果報告資料
https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/373464.pdf

■愛知県:2022年度自動運転実証実験の実施結果報告

愛知県は、2022年度に「ショーケース」「集客施設」「都心」といった3つのモデル類型において自動運転の実証実験を行った。

▼2022年度自動運転実証実験の結果について|愛知県
https://www.pref.aichi.jp/site/jidounten/kekka-2022.html

モデル類型「ショーケース」実施報告

この事業の実証テーマは「磁気マーカシステム・ビッグデータを活用した安心・安全で利便性の高い運行」で、将来的に中部国際空港~常滑市街地周辺での周遊観光における自動運転サービスの活用を想定し、2つのフィールドにおいて2022年10〜11月に走行実証を行った。

実証ではNTTコミュニケーションズとNTTドコモが全体統制や遠隔管制システムの提供を行い、先進モビリティとアイサンテクノロジーが自動運転バス車両の提供と調律作業を実施、名鉄バスと知多乗合が遠隔管制者・交通事業者としての運行支援、愛知道路コンセッションが中部国際空港連絡道路における磁気マーカシステムを活用するための環境提供を行った。また東海理化は車載カメラの設置と統合電子ミラーシステムの提供を、イオンモールは遠隔管制室の設置場所とEV(電気自動車)バス充電設備の提供を行った。

出典:愛知県資料(※クリックorタップすると拡大できます)

1つ目のフィールドである「中部国際空港~りんくう地区」では、「パークアンドライド」を想定したルートを設定し、実証を行った。使用車両は小型バスと小型EVバスで、どちらも白ナンバーを取得済みだ。なおパークアンドライドとは、目的地の手前まで自家用車で行き駐車し、そこから公共交通機関を利用しアクセスする方式のことだ。都市部における渋滞緩和を目的としている。

このフィールドでは、磁気マーカやGNSS、3Dマップ方式という3つの自己位置推定方法を冗長化させ、時速60キロでの高速走行時の安定性確保や停留所での正着制御への有効性を検証した。一般の自動車専用道路での磁気マーカを活用した自動走行は、日本初であった。また、ビッグデータを活用した移動需要予測も行った。

その結果、最高時速60キロでの走行安定性を確認でき、走行の90%以上を自動運転することを実現した。

2つ目のフィールドは「りんくう地区~常滑駅」で、の「周遊観光における自動運転バスの活用」を想定したルートで、白ナンバー取得済みの大型バス1台を用いて実証を行った。

このフィールドでは、GNSSと3Dマップ方式という2つの自己位置推定方法を冗長化させ、最高速度50キロでの市街地エリアでの安定走行における有効性を検証した。その結果、一般車両が多く通行する市街地において大型バスの安定した自動走行を実現できた。

ただし両フィールドにおいて、高架や看板下の通行時や右折での交差点通過、イオンモール駐車場内で手動介入が発生したという。またフィールド2では、ボートレース場付近で路上駐車が多く、回避のための介入操作が必要になった。

実証期間内における合計試乗人数は1,176名で、それぞれのルートで関係者だけでなく一般の利用者も多数乗車し、実装に向けての走行ルートのニーズや自動運転に対する受容性を検証した。今後は、レベル4での社会実装を想定した課題抽出を継続的に実施するようだ。

モデル類型「集客施設」実施報告

実証テーマは「園内バスルートでの自動運転バスによる運行」で、2023年2月に長久手市のモリコロパークで行った。NTTコミュニケーションズとNTTドコモが実証実験の全体統制や遠隔管制システムの提供などを行い、アイサンテクノロジー、名鉄バス、東海理化なども参加した。

出典:愛知県資料(※クリックorタップすると拡大できます)

走行ルートは2つあり、1つ目の園内西ルートでは既存園内バスと同じコース上にルートを設定し、歩車混在環境下での大型バスによる自動走行を行い、課題抽出を行った。また自己位置推定方法の冗長化やAI映像解析技術を活用した歩行者への注意喚起も検証した。その結果、平均93%の自動運転走行を実現した。AI映像解析技術を活用した注意喚起では、試乗車の95%が「安心感が向上する」との回答を得ることができた。

2つ目は園内管理道路ルートで、GNSSの受信が困難なルート上を3Dマップ方式による自己位置推定に基づき走行した。このルートでは自動走行の割合は98%であったという。

両ルートともに埼玉工業大学が開発した大型自動運転バスを使用した。試乗人数は、一般利用者も含め合計で246名であった。なお手動介入頻発箇所も分析されている。今後は社会実装を想定し、より移動需要が高く歩行者の多い環境下での運行と課題抽出を行っていくとしている。

モデル類型「都心」実施報告

実証テーマは「イノベーション創出に向けた自動運転車の活用」で、将来的には名古屋駅とスタートアップ支援拠点「ステーションAi」を自動運転車両で結ぶモビリティサービスの提供を目指している。

実証は2022年9月に名古屋市中心部におけるルートで行われた。WILLERが事業統括を行い、名鉄バスやST Engineering、名古屋工業大学、STATION Ai、AGC、BOLDLYが参加した。使用したのは自動運転バス「Nanamobi」で、仏NAVYA製「ARMA」をベースにしている。

出典:愛知県資料(※クリックorタップすると拡大できます)

「都市部における自動走行技術検証」、「遠隔監視」、「移動空間に付加価値を与える車室空間の利活用検証」、「無人走行を見据えた都市部での社会受容性の醸成」の4つの項目について検証し、一定の成果を得ることができた。

実証では、メディア・関係者・招待枠の「関係者便」、ビジネス利用関係者の「オンデマンド便」、「子供イベント」の3つのパターンのスケジュール・ルートで運行し、合計運行数は108便、乗車人数は409人であった。

また試乗車アンケートでは、デマンド型と定時定路線型では、デマンド型が良いという回答が約6割であったという。非試乗車に対してのアンケートでは、速度について妥当との回答が7割近くを占め、自動運転車の実用化に期待するという回答も7割近くあった。

■国土交通省航空局:空港内におけるレベル3相当実証実験の結果報告

国土交通省航空局は、空港制限区域内における自動走行の実現に向け実施した自動運転レベル3相当の実証実験の結果を公表している。

実証は、先進モビリティやBOLDLY、全日空が取り組んだ磁気マーカ・RFIDを活用した自動運転バスと、豊田自動織機・全日空による自動運転トーイングトラクターの2つの実証実験が2021年3月から5月にかけてそれぞれ行われた。

自動運転バスは相当磁気マーカセンサーを装着し、空港に埋設した磁気マーカを併用した自動運転の安定性や確実性を検証した。

出典:国土交通省(※クリックorタップすると拡大できます)

大型バスは車体が長いため、直線部では磁気マーカ検出率が高くなるものの、特有の走行軌跡からカーブなどでは検出率が低下したという。ただ、磁気マーカが検出できない場合においても、GNSSやSLAMといった他の自己位置推定技術を使用した走行が可能なため、自動走行に影響はなかったとしている。その他、強雨時においても安定した自動走行ができることを確認した。

磁気マーカは汎用性が高く、共通インフラとして他の自動運転車両でも使用可能である一方、3D・2Dマップと比較するとコストが高く、空港全体への埋設は慎重に検討する必要があると結論づけている。

出典:国土交通省(※クリックorタップすると拡大できます)

自動運転トーイングトラクターは、大規模空港かつ混雑環境下での自動走行や、自動走行車両の表示方法や内容も含めた受容性に対する課題整理を進めた。

実証では、さまざまな対象物・状況で適切に障害物を検知して減速停止できたが、西日や雨滴による誤検知がったという。照度耐性の向上やセンサーにひさしを追加するなどの対策を講じるとしている。

受容性関連では、空港内事業者にアンケートを取った結果、約7割が違和感なく自動走行でき、また約9割が実作業にも影響なしと回答した。一部からは「車両通行帯のないスポット内での動きが予測できない」といった意見も出たため、自動運転中の表示方法の空港統一ルール制定などと合わせて協議するとしている。

出典:国土交通省(※クリックorタップすると拡大できます)

▼空港内におけるレベル3相当実証実験の結果報告資料
https://www.mlit.go.jp/common/001425244.pdf

■福島県浪江町:試乗体験結果を公表

福島県浪江町は、「なみえスマートモビリティーチャレンジ」の一環として自動運転車の試乗体験を2021年2月に実施し、参加者の声などを発表している。

アンケートでは、シャトルが自動運転になったらよいと思うか?との問いに計94%が「そう思う」「とてもそう思う」と好意的に回答したほか、不安な点として「トラブルのとき対処に困りそう」71%、「機械が壊れたとき対処に困りそう」57%、「利用の仕方に迷った時など、訊ねる相手がいなくて困りそう」28%などの声が挙がった。

出典:福島県浪江町(※クリックorタップすると拡大できます)

▼浪江町の報告資料
https://www.town.namie.fukushima.jp/uploaded/attachment/14371.pdf

■埼玉工業大学:2020年度の自動運転バスの実証実績を発表

自動運転の研究開発に力を入れる埼玉工業大学は、2020年度に行った自動運転バスの実証結果などを取りまとめ、公表している。

同大学は2020年度、大学キャンパス内や周辺の公道走行をはじめ、羽田空港エリアで行われたSIP自動運転実証、塩尻市で行われた塩尻型次世代モビリティサービス実証プロジェクト、深谷市で行われた「渋沢栄一 論語の里 循環バス」の実証に参加・協力し、年間合計約2,970キロを走行したという。

塩尻市では、「Autoware」を搭載した同大学の車両で住民を乗せるサービス実証を行った。深谷市では、大河ドラマの放送に合わせ渋沢栄一ゆかりの地を巡る路線バスの一部に自動運転バスを導入し、営業運行を行う実証を行ったようだ。

▼埼玉工業大学の報告資料
https://www.sit.ac.jp/media/pressziseki4.pdf

■岐阜県関市:モニターアンケート結果などを公表

岐阜県関市で2020年7〜10月に行われた自動運転実証の報告書では、体験試乗した市民らのアンケート結果が掲載されている。

実証では、群馬大学や日本モビリティなどの協力のもと、モニターを交える形で自動運転による移動サービスの効果について調査・検証した。

モニター参加者80人のうち70人がアンケート調査に回答した。自動運転を体験した理由では、「自動運転車両に乗ってみたかった」44人、「自動運転技術や自動運転車両に関心がある」29人と関心の高さをうかがわせた。

乗り心地を問う質問に対しては、「悪い」10人、「普通」29人、「良い」31人で、急発進や急ブレーキ、左右へのふらつきなどが乗り心地に影響しており、今後の改善が必要としている。

出典:岐阜県関市(※クリックorタップすると拡大できます)

自動運転に期待することでは、「運転負担の軽減」「交通事故の減少」「公共交通の利便性向上」を挙げる声が多かったようだ。

出典:岐阜県関市(※クリックorタップすると拡大できます)

▼関市の自動運転実証実験等実施業務事業実施報告書
https://www.city.seki.lg.jp/cmsfiles/contents/0000016/16701/R2-2siryo4.pdf

■実用化済みの自動運転サービスの報告書

茨城県境町でNAVYA ARMAを活用した自動運転バスサービスを2020年11月に開始したBOLDLYは、2021年度の稼働レポートを公表している。実証ではなく実用化済みのサービスにおける貴重なレポートだ。

同町の自動運転バスサービスは、2021年11月までの1年間で走行便数4,756便、総走行距離1万4,525キロを走行し、5,292人が乗車した。有償視察は年100回を超え、町外からの乗車を誘引するツアー参加者も388人に上るなど、注目度の高さもうかがわせる。

出典:BOLDLY公式サイト(※クリックorタップすると拡大できます)

自動運転の割合は7割程度を維持している点をはじめ、渋滞を緩和させるバス停の置き方、運行前後の点検漏れを遠隔で防ぐ仕組みの構築、運行への影響を最小化するメンテナンス体制の構築、持続可能な運行体制の構築、運行コストなど、自動運転の導入に際し気になるだろう要点について、経験に基づく知見を記している。

運行コスト関連では、法改正とともにドライバー人件費を削減できる点やコストよりも高い波及効果が見込める点などを紹介し、持続可能なビジネスモデル構築には従来モデルの運賃からの脱却が必要と結論付けている点が印象的だ。

出典:BOLDLY公式サイト(※クリックorタップすると拡大できます)

▼BOLDLYのレポート
https://www.softbank.jp/drive/set/data/press/2022/shared/20220208_02.pdf

■福島県田村市:「危険を感じた」13.9%

福島県田村市では、2023年12月に公道で自動運転バスの実証運行が実施された。その実証のアンケート結果が公表されている。

▼実証運行結果概要|田村市自動運転バス実証調査事業
https://www.city.tamura.lg.jp/soshiki/1/assets/田村市実証実験結果概要.keyv5.pdf

アンケート結果によれば、全体の86.1%は危険を感じていないものの、「危険を感じた」と回答した人は13.9%に上った。危険を感じたシーンとしては「停車時」が29.3%、「右左折時」が22.0%の順に多い状況だった。

出典:田村市公開資料

「自動運転バスにもう一度乗りたいか」という質問への回答としては、「乗りたい」が70.2%で最も多く、ほかは「やや乗りたい」が23.8%、「あまり乗りたくない」が4.6%、「乗りたくない」が1.0%だった。

■【まとめ】自動運転開発から継続サービスのフェーズへ徐々に移行

比較的小型の車両を活用した低速モデルは実用域に達し始めており、自動運転開発のさらなる向上とともに継続的なサービス提供に向けた課題へとフェーズが移りつつある印象だ。

一方、中~大型車両の自動運転も課題が明確に浮き彫りとなり、細やかな対策のもと一歩一歩着実に前進しているようだ。

今後、住民を交えた形のサービス実証も増加していく見込みで、自動運転技術が身近なものとして受け入れられる未来は間近に迫っているのかもしれない。

【参考】関連記事としては「自動運転とは?技術や開発企業、法律など徹底まとめ!」も参照。

■関連FAQ

    自動運転の実証実験は日本国内で実施されている?

    すでに実施されている。実証実験のための法律やルールも制定され、実証主体がテストをしやすいように保険が提供されるケースも増えてきた。

    どのような実証実験が行われている?

    自動運転車や自動運転バス、自動運転トラックなどの実証実験が行われているが、日本国内で目立つのが自動運転バスの実証実験だ。自動運転レベル2での実証が多いが、運転手を無人にしたレベル4的なテストも増えてきている。

    実証実験を実施する上でのポイントは?

    自動運転技術を高め、実際に公道を走行させてさまざまな課題を抽出することも重要だが、実際に「人」に乗ってもらい、感想を得ることも重要だ。自動運転の移動サービスとして展開する上では、特にこうしたアンケートが必要となる。

    実証実験で事故が起きたことはある?

    日本で自動運転の実験中に事故が起きたことはある。詳しくは「自動運転車の事故」を参照してほしい。2022年12月時点で、いまのところ死亡事故は起きていない。

    仮想空間でも実証実験はできる?

    可能だ。自動運転のシミュレーターを開発・販売・提供している企業は日本国内にも海外にもある。

(初稿公開日:2022年3月14日/最終更新日:2024年3月18日)

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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