自動運転バス、「危険感じた」14% 福島県田村市が実証結果を公表

危険を感じたシーン「停車時」が29.3%が最多



出典:BOLDLYプレスリリース

福島県田村市の公道で2023年12月に自動運転バスの実証運行が実施され、乗車後のアンケート結果が公表された。乗車後に「危険を感じた」と回答した人は13.9%で、危険を感じたシーンとしては「停車時」が29.3%、「右左折時」が22.0%の順に多かった。

全体の86.1%は危険を感じていないものの、自動運転移動サービスを社会で広く普及させるためには、危険を感じる人がほぼいない状況にする必要がある。そういう意味では、「危険を感じた」と回答した人が13.9%に上るということには、懸念もある。







ただし、実証実験はそもそもこうした乗客からのリアルなフィードバックを得るためのものだ。乗客の声をうまく技術の向上やサービスの改善に結びつけていくことで本格的な実用化・普及の道は開けていくため、こうした実証は非常に意義がある取り組みだ。

出典:田村市公開資料
■停車が若干急だったことが要因か

実証実験は車内にオペレーターを配置した状態で、事前に設定したルートを時速20キロ未満で走行する形で行われ、車両としてはフランス製の「ARMA」が使用された。自動運転レベルは「レベル2」での運行だ。

合計走行距離は452.8キロで、自動走行率は94.8%だった。実証実験は、ソフトバンク子会社のBOLDLYが田村市から受託して実施した。

乗車中に危険を感じたシーンとしては、「停止時」「右左折時」に続いて、「交差点通過時」が14.6%、「緊急停止時」が9.8%、「歩行者と接近時(横断歩道等)」が4.9%の順に多かった。

出典:田村市公開資料

この結果については、上記の資料で「危険を感じた点は停車が若干急だったこと、右左折やや交差点等は特に危険な場面はなかったため、なんとなく自動運転に不安を感じていたのではと想定」と分析されている。

■「もう一度乗りたい」が全体の70.2%

「自動運転バスにもう一度乗りたいか」という質問への回答としては、「乗りたい」が70.2%、「やや乗りたい」が23.8%、「あまり乗りたくない」が4.6%、「乗りたくない」が1.0%だった。

出典:田村市公開資料

自動運転バスに期待することとしては「たくさんの本数を走ること」が41.0%で最多となり、自動運転バスの必要性については、「主な施設(市役所、駅、商業施設等)を巡回する自動運転バス」が67.5%でトップだった。

出典:田村市公開資料
出典:田村市公開資料

バスの無人化については「遠隔緊急時に連絡が取れる体制であれば、車内は無人で良い」という回答が全体の43.0%で最も多く、「遠隔で監視しているのであれば車内は無人で良い」が34.3%で続いた。

出典:田村市公開資料
■実証結果が公表・共有される意義

こうした実証実験の結果が公表・共有されることは、自動運転事業に携わるさまざまな企業や自治体にとってプラスとなる。

田村市が公開した調査結果は以下のURLからアクセスできるので、関心がある人はぜひ中身を読んでみてほしい。

▼実証運行結果概要|田村市自動運転バス実証調査事業
https://www.city.tamura.lg.jp/soshiki/1/assets/田村市実証実験結果概要.keyv5.pdf

【参考】関連記事としては「自動運転、実証実験の結果一覧」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)









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