中国の北京市は2019年12月30日、客乗せOKな自動運転タクシーのテスト可能地域として新たに40平方キロメートルを追加したと発表した。同市は12月初旬に自動運転実証の規制の詳細を発表しており、2020年は実証実験の本格的な舞台となりそうだ。
北京市は中国のネット大手・百度(Baidu)の自動運転車両40台に対して公道実証のライセンスを付与しており、報道によれば、百度は既に30日から北京市で実証実験を開始している。北京市はほかにも国内外の12社に許可を与えており、各社の実証実験も今後随時開始されるものとみられる。
■世界で実証誘致に積極的な自治体は?
自動運転の実証実験を都市単位で奨励している都市は北京市だけではない。例えば中国国内では広東省広州市なども「試験の地」として名乗りを上げており、WeRideなどが自動運転タクシーの実証実験を既に開始している。
【参考】関連記事としては「車両は日産EV!中国の大都市圏で初の自動運転タクシー実証」も参照。
アメリカではシリコンバレーを擁するカリフォルニア州が自動運転実証のメッカだ。米カリフォルニア州車両管理局(DMV)が規制当局となって企業に認可を与えており、最近ではデリバリー用の自動運転車に対しても実証の許可を与える制度をスタートさせることが話題になった。
【参考】関連記事としては「カリフォルニア、自動運転車の公道試験認可「デリバリー用」にも」も参照。
国単位では言えば、イスラエルやロシア、韓国も自動運転技術で主導権を握ろうと、実証実験の環境整備に力を入れている。
■日本でも愛知県、MONETコンソーシアムとの協定自治体などに注目
日本でも自動運転の実証に積極的な姿勢を示す自治体が目立ち始めてきた。トヨタや名古屋大学のお膝元とも言える「愛知県」のほか、2019年は自動運転時代を見据えてMONETコンソーシアムと協定を組んだ「千葉市」や「大阪府」なども注目された。
自動運転の実証実験の誘致がうまくいけば、将来的にいち早くその自治体で自動運転技術が導入されていくことが考えられる。自動運転技術は持続可能な住民の足となることが期待されていることから、今後「我が町にも」と手を挙げる自治体が増えていきそうだ。
【参考】関連記事としては「5G、MaaS、AI…ソフトバンクとMONET、大阪府と協定!自動運転実証も視野?」も参照。