米カリフォルニア州車両管理局(DMV)はこのほど、デリバリー用などの自動運転車が公道で「試験走行」や「商用利用」ができるよう、自動運転技術を開発する企業に対して許認可を与える制度をスタートさせることを発表した。
この発表は2019年12月17日付。「California Authorizes Light-Duty Autonomous Delivery Vehicles」というDMVのプレスリリースで発表された。リリースを読むと、自動運転技術を搭載した軽量のトラックなどが許認可の対象となる制度のようだ。
これまでもDMVは審査を通過した企業に対して自動運転車の公道試験に関する許可を与えていたが、その利用目的は「人の移動」に限定していた。今回はその利用目的を拡充した形で、各社がデリバリーや貨物目的でも自動運転技術の開発に力を入れていることを考慮した対応と言える。
■自動運転技術、「モノの輸送」でも活躍
自動運転技術は「人の移動」にも「モノの輸送」にも活用できる。モノの輸送における活用シーンとしては、例えばスーパーマーケットやコンビニからの商品の配送や貨物の輸送などが挙げられ、少子化による人手不足が深刻化する日本でもその活用方法に対する期待感は大きい。
既に小型のデリバリーロボットによる実証実験は、事故のリスクが少ないこともあり、アメリカや日本でも積極的に行われているが、自動運転トラックなどの公道実証が実施しやすい制度が整えば、よりモノの輸送の自動化が進んでいくはずだ。
■第1号認可はどの企業が獲得する?
今後、DMVがまずどの企業に第1号認可を付与するかが気になるところだ。アメリカの大手企業ではフォードやテスラ、スタートアップ企業ではTuSimpleやEmbark Trucksなど、自動運転トラックを開発するこれらの企業が有力とみられており、今後もDMVの発表から目が離せない状況が続く。
自動運転トラックに関しては、自動運転タクシーの商用サービスを世界で初めて商用スタートしたGoogle系Waymoも実証実験に取り組んでおり、当然Waymoも有力と考えて良さそうだ。
【参考】関連記事としては「自動運転トラックの開発状況&企業まとめ 利点は? 実現はいつごろ?」も参照。