運転支援システム(ADAS)の各社比較・ランキング【自動運転レベル1〜2】

各社のADASは一進一退の状況



出典:日産公式サイト

自動運転技術の進化とともに、先進運転支援システム(ADAS)も著しい進化を遂げ始めた。いまやアダプティブ・クルーズ・コントロールやレーンキープアシストといった自動車の縦・横方向制御を支援するシステムの搭載はスタンダードとなり、注目はハンズオフ運転を可能にするレベル2プラスに移行した。

現在、各社の運転支援システムはどのようなものとなっているのか。国内主要メーカーに米テスラを加えた6社の技術を紹介するほか、性能や価格面などを参考にランキング化してみた。


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■トヨタ

渋滞時限定のハンズオフ搭載モデルを拡大中

出典:トヨタ公式サイト

トヨタが標準装備を進める運転支援システムは、予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense(トヨタセーフティセンス)」だ。

まちなかでは、衝突被害を軽減するプリクラッシュセーフティや、運転状況に応じたリスクの先読みを行うことで危険に近づき過ぎないよう運転操作をサポートするプロアクティブドライビングアシスト、衝突する可能性が高い場合にシステムが車線内での衝突回避を支援する緊急時操舵支援、交差点などで左右から接近する車両を検知するフロントクロストラフィックアラートなどの各機能が用意されている。

高速道路では、レーントレーシングアシストや渋滞時に最適な車間距離を保ち先行車に追従するレーダークルーズコントロール、車線変更の際に操舵と変更先車両監視の支援を行うレーンチェンジアシスト機能などが提供されている。

スマートアシスト機能としては、全車速追従機能付アダプティブクルーズコントロールと時速60キロ以上で走行中、アダプティブクルーズコントロール作動時にクルマが車線の中央付近を安定して走行するようステアリング操作をアシストするレーンキープコントロールも備わる。レベル2機能だ。


最上級の運転支援システムとしては、トヨタ独自の自動運転の考え方「Mobility Teammate Concept」に基づく「Toyota Teammate(トヨタチームメイト)」が一部車種に設定されている。

チームメイト技術の一つ、アドバンストドライブ(渋滞時支援)は、時速40キロまでの渋滞時、レーダークルーズコントロールとレーントレーシングアシスト作動中にドライバーが前方監視をしっかり行うなど一定の条件を満たすとシステムが作動する。

システムが認知、判断、操作を支援することで、ドライバーはハンズオフが可能になる。停車後の再発進もドライバーの操作なしでシステムが行う。2025年10月現在、アルファード、ヴェルファイア、ヴォクシー、ノア、クラウン、クラウン(エステート・クロスオーバー、スポーツ)、ランドクルーザー250、センチュリーにオプション設定されている。

渋滞時に限定されないより高度な「Advanced Drive」も実用化され、MIRAIとレクサス・LSに設定されていたが、現在は渋滞時支援に留まっているようだ。


【参考】トヨタの技術については「トヨタの自動運転レベル1・レベル2の車種は?」も参照。

■ホンダ

Honda SENSING360+でハンズオフ展開へ

出典:ホンダ公式サイト

ホンダは、先進運転支援システムパッケージ「Honda SENSING(ホンダセンシング)」の標準搭載化に力を入れている。

まちなかでは、衝突軽減ブレーキをはじめ、車線をはみ出しそうなときに車線内に戻るようステアリング操作を支援する路外逸脱抑制機能、標識認識機能、歩行者側の車線を逸脱して歩行者と衝突のおそれがある場合、警告とともに車道方向へのステアリング操作を支援して回避操作を促す歩行者事故低減ステアリングなどを使用できる。

高速道路では、アダプティブクルーズコントロールと車線維持支援システムをはじめ、渋滞などの低速走行時に車線の真ん中を走れるように支援するトラフィックジャムアシスト(渋滞運転支援機能)、斜め後ろのクルマの存在を知らせるブラインドスポットインフォメーションなどが設定されている。

ホンダセンシングの強化バージョンとして、システムの検知範囲を全方位へ拡大した「Honda SENSING 360(サンロクマル)」や、ハンズオフ機能を備えた「Honda SENSING360+(サンロクマルプラス)」の実装も開始した。

サンロクマルプラスは、サンロクマルにドライバーの状態確認や周辺の道路環境を検知するデバイスを追加するなどし、ハンズオフ機能付高度車線内運転支援機能やレコメンド型車線変更支援機能、ドライバー異常時対応システム、降車時車両接近警報、カーブ路外逸脱早期警報といった新機能を提供している。

サンロクマルプラスはアコードe:HEV Honda SENSING 360+タイプに設定され始めたばかりで、詳細は不明だ。なお、同車にはサンロクマルが標準装備されている。今後、この進化バージョンの搭載を推し進めていくものと思われる。

なお、ホンダは2021年、限定100台の新型レジェンドに搭載した「Honda SENSING Elite」で、渋滞時限定のレベル3とともにレベル2+も提供している。ハンズオフ機能付車線内運転支援機能に加え、一定条件下で車線変更を支援する機能なども備えている。

【参考】ホンダの技術については「ホンダの自動運転・運転支援技術(ADAS)、現状と戦略は?」も参照。

■日産

ProPILOT2.0で国内メーカー初のハンズオフを実現

出典:日産公式サイト

日産は、ドライバーがセットした車速を上限に車速に応じて先行車との車間距離を保ちながら走行するインテリジェントクルーズコントロールをはじめ、アクセルペダルを離すだけで、先行車との距離やカーブの大きさに応じた減速を行うインテリジェントディスタンスコントロール、車線からはみ出さないようアシストするインテリジェント LIなど、さまざまな運転支援システムを実装している。

高速道路においては、同社ADASの代名詞となっている「ProPILOT(プロパイロット)」が質の高いレベル2走行を提供する。

プロパイロットは、高速道路走行時において、渋滞走行と巡航走行の2つのシーンでアクセル、ブレーキ、ステアリングのすべてをシステムが自動支援し、ドライバーの負担を軽減する。

画像処理ソフトウェアを搭載した単眼カメラが前方車両や白線を瞬時に三次元的に把握し、フロントレーダーが先行車両の車速と車間距離を測定する仕組みだ。時速約30~100キロの速度域で使用できる。

このプロパイロットを進化させた「ProPILOT2.0(プロパイロット2.0)」も2019年に登場した。2.0は高速道路の同一車線内でハンズオフ運転を実現しており、レベル2+に相当する。国内自動車メーカー初のレベル2+システムだ。

ナビシステムで目的地を設定し、高速道路の本線に合流するとナビ連動ルート走行が始まる。追い越しや分岐を含めシステムが高速道路出口までの走行を支援し、ドライバーが常に前方に注意して直ちにハンドルを確実に操作できる状態にあることを条件に、同一車線内でハンズオフが可能になる。

7個のカメラ、5個のレーダー、12個のソナーで白線や標識、周辺車両など車両の周囲360度のセンシングを行うほか、3D高精度地図データや高精度な衛星測位技術により、運転支援システムを大幅強化している。

車速は、高精度3次元地図データに基づき速度検知機能で検出した法定速度からマイナス10~+10キロの範囲で設定できる。

プロパイロット2.0は現在、アリアとセレナに設定されている。

【参考】日産の技術については「日産の自動運転技術まとめ!ProPILOT(プロパイロット)の機能は?」も参照。

■スズキ

SUZUKI Safety Supportで事故を未然に防止

出典:スズキ公式サイト

スズキの予防安全技術「SUZUKI Safety Support (スズキ・セーフティサポート)」は、アダプティブクルーズコントロールや車線維持機能などレベル2に相当する運転支援システムを備えている。

まちなかでは、歩行者や自転車も検知し、交差点での出会い頭や右左折時の事故による被害を軽減する衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポートⅡ」をはじめ、標識認識機能やヘッドアップディスプレイといった便利な機能を使用できる。

高速道路では、設定した速度での走行や、適切な車間距離を保ちながら先行車に追従する「アダプティブクルーズコントロール」や、車線の中央付近を維持するようステアリング操作を支援する「車線維持支援機能」、車線逸脱抑制機能、ブラインドスポットモニター、ドライバーモニタリングシステムなどが用意されている。

アダプティブクルーズコントロールは、全車速追従機能・停止保持機能付もある。車線維持機能と組み合わせることで、レベル2相当の運転支援システムとして高速道路における運転負担を大きく軽減できそうだ。

レベル2機能は、スイフトやソリオ、クロスビー、フロンクス、スペーシア、ワゴンRスマイルなど、多くのモデルに搭載可能となっている。

価格帯の低い軽自動車やコンパクトカーが主力のスズキだが、ADAS性能・安全性に関しては他社に劣ることなくしっかりと質を高め、標準搭載化を進めているようだ。

【参考】スズキの技術については「スズキの自動運転戦略」も参照。

■スバル

EyeSight2.0で渋滞時ハンズオフを実現

出典:スバル公式サイト

スバルは、国内メーカーの中でいち早く安全技術をパッケージ化した。それが「EyeSight(アイサイト)」だ。他社メーカーのパッケージが2010年代半ばであるのに対し、アイサイトは2008年に誕生している。

現行のアイサイトは3つのカメラとレーダーで広範囲を認識し、プリクラッシュブレーキや前側方プリクラッシュブレーキ、もしもの時にハンドル操作を制御して衝突回避をサポートする緊急時プリクラッシュステアリング、高速道路や自動車専用道路を走行中、アクセル、ブレーキ、ハンドル操作をアシストするツーリングアシスト、全車速追従機能付クルーズコントロール、車線逸脱抑制、死角車両検知/車線変更支援、エマージェンシーレーンキープアシストなど、さまざまな機能を搭載している。

上位の「EyeSight X(アイサイトX)」は、高速道路渋滞時(時速0~50キロ)において一定の条件を満たすとハンズオフ運転を行うことができる。トヨタのアドバンストドライブ(渋滞時支援)に近いイメージだ。

渋滞時発進アシストや料金所前速度制御、アクティブレーンチェンジアシストなど、充実の機能を搭載しているようだ。

アイサイトXは2025年10月現在、フォレスター、レイバック、クロストレック、レヴォーグ、WRX S4に設定されている。

【参考】スバルの技術については「「スバルが一般道で自動運転」の違和感 メディアの表現は適切?」も参照。

■テスラ

レベル2+技術は他の追随許さず

出典:テスラ公式サイト

EVメーカーとして世界を代表する企業に成長した米テスラ。その高度な開発技術は、電動化に留まらず自動運転・ADAS分野でも発揮されている。

すべての新型車両に搭載されている運転支援システム「Autopilot(オートパイロット)」には、車速を維持し、先行車両がいる場合は車間距離を調整して走行するトラフィックアウェア クルーズコントロールと、車線内走行を維持するオートステアリングが備わっている。高速道路限定などの条件もなく、広く活用可能なレベル2機能が標準化されているのだ。

その上位バージョンで、ソフトウェアアップデートにより将来の完全自動運転化を約束した「FSD(Full Self Driving Supervised)」は、北米で高速道路、一般道路問わずハンズオフ運転を実現している。すべての国に対応しているわけではないが、現時点におけるレベル2+としては世界最高峰だ。

LiDARなどは用いず、カメラ×AIの力でレベル2+を実現した技術は突出しており、他の追随を許さない。ドライバーが一切介入することなく走行し続ける様子を収めた動画も出回っており、状況によっては非常に完成度の高いレベル2+技術を実現したと言えそうだ。

一方、踏切など苦手なシチュエーションはまだ残っているようで、自動運転化へのハードルはまだ高いものと思われる。

【参考】テスラの技術については「テスラの自動運転(Autopilot, FSD)とロボタクシー計画を徹底解説」も参照。

■運転支援システムのランキング

自動車メーカー各社がさまざまなADASを実装していることがわかった。では、どのメーカーのADASが安全性や価格など総合的に判断して優れているのだろうか。

Toyota Safety SenseやHonda SENSINGなどのパッケージ単位では、単純比較が非常に難しい。車種によって機能・性能が異なり、価格もあいまいなためだ。

そこで、レベル2機能とレベル2+機能に絞り、それぞれ性能や価格、搭載車種の多寡、口コミなどをもとにランク付けしてみよう。

レベル2は各社横並び状態

まずはレベル2だ。国内自動車メーカーにおいては、衝突被害軽減ブレーキやプリクラッシュセーフティといった基礎的安全技術をはじめ、アダプティブ・クルーズ・コントロールやレーンキープアシストといったレベル2を構成する機能の標準搭載化も進んでいる。

レベル2のODD(運行設計領域)は、各社とも高速道路・自動車専用道路であり、特段の差異はない。使用可能な速度域は車種によって異なるため単純比較できないが、こちらも特筆すべき差はない。

価格面でも、標準搭載済みのものが多く、レベル2システム単独の価格は把握しづらい。一例として、日産SAKURAはプロパイロットをメーカーオプション化しており、「プロパイロット+プロパイロット緊急停止支援システム(SOSコール機能付)」の有無で79200円差となっている。

カメラやミリ波レーダーなどのセンサー類は、多くの場合既存ADASと共通して使用されるため、レベル2向けに新たなセンサースイートを搭載することもない。概ね、アダプティブ・クルーズ・コントロール+レーンキープアシストは10万円程度の水準まで下がっているものと思われる。

正直なところ、優劣をつけるのが非常に難しい。各社の衝突被害軽減ブレーキに優劣をつけにくいのと同様、技術が標準搭載段階に至っているため、大きな差のない普遍的なものとなってしまっている。

ポイントは、今後の進化だ。高速道路におけるハンズオフ実現によってレベル2+を目指す道と、市街地を含む一般道路へのレベル2拡大への道だ。難易度は後者の方が高く、これを実現しているのは世界でも米テスラのみだ。

車種・メーカーによっては、一般道でもレベル2もどきの走行が可能なケースもあるが、これは正しい使用方法ではない。交差点や歩行者の飛び出しなどには対応できず、非推奨、あるいは禁止行為とされている。

この一般道におけるレベル2を、どの国内メーカーがいち早く実現するか。ランキングの行方は、この一般道にかかっていると言っても間違いではないだろう。

レベル2+は性能面などに優劣あり

レベル2+は、性能面や搭載車種などに各社の違いがうかがえる。性能面では、日産が一歩リードしている印象だ。

日産のプロパイロット2.0は、高精度3次元地図データに基づき速度検知機能で検出した法定速度からマイナス10~+10キロの範囲で設定できる。つまり、高速道路においてはハンズオフで制限速度を満たす通常走行を行うことができるのだ。

トヨタチームメイトのアドバンストドライブ(渋滞時支援)は、時速40キロまでの渋滞時に限る。以前は渋滞時に限定されないAdvanced Driveも実装していたが、現在は設定されていない。スバルのアイサイトXも、時速50キロまでの高速道路渋滞時となっている。

ホンダのサンロクマルプラスは、ODDとなる速度域に関する公式情報が見当たらないが、プロパイロット2.0同様、制限速度域を満たす仕様となっているようだ。

プロパイロット2.0、サンロクマルプラスともに車線変更支援(追い越し支援)機能も搭載しており、おそらく性能面では互角と思われる。アドバンストドライブ(渋滞時支援)とアイサイトXは、渋滞時限定ということで前者からは引けを取る。

全速度域のハンズオフは価格も高額に

一方、性能面はしっかりと価格面にも反映されているようだ。メーカーオプションのプロパイロット2.0は、リーフの場合、セットパッケージで37万6,200 円~51万9,000円となっている。

アリアの場合、プロパイロットのB9 e-4ORCE(4WD)が798万7,100 円に対し、プロパイロット2.0+本革シート仕様のB9 e-4ORCE プレミア(4WD)は860万3,100 円となっている。概ね、プロパイロット2.0一式は35~50万円ほどと推定される。

サンロクマルプラスはアコードのみに設定されており、Honda SENSING 360搭載の「e:HEV」が559万9,000円、サンロクマルプラス搭載の「e:HEV Honda SENSING 360+」が599万9,400円となっている。その差は約40万円だ。全車速に対応したハンズオフは、30~50万円ほどの価格となっているようだ。

一方、トヨタのヴォクシーの場合、トヨタチームメイトのアドバンストドライブ(渋滞時支援)のメーカーオプション価格は12万2,100円となっている。アドバンストパークは別途12万1,000円だ。

スバル・クロストレックでは、アイサイト標準搭載の「 Premium S:HEV」383万3,500円に対し、アイサイトX標準搭載の「Premium S:HEV EX」は405万3,500円となっている。差額は約22万円だ。

渋滞時限定のハンズオフの場合、概ね10~20万円ほどの価格水準が設定されているようだ。

都心住まいの方など、日常的に渋滞が多い場面で使用するならば渋滞時限定ハンズオフでも良いかもしれないが、多くの人は渋滞時以外の走行シーンが多いものと思われる。プロパイロット2.0やサンロクマルプラスの方が当然利便性が高く、費用対効果も優れているのではないだろうか。

トヨタとスバルはラインアップも豊富

搭載車種の多寡は、自分好みの車種でハンズオフを選択できるか……といった点で重要となる。自身が選んだ車種に、そもそもハンズオフ機能が非搭載であったならば、いかにその機能が優れていようと意味がないためだ。

日産のプロパイロット2.0は2025年12月現在、アリア、リーフ、セレナの3車種に設定されている。現行スカイラインにはプロパイロットそのものが設定されていないようだ。ホンダのサンロクマルプラスは、今のところアコード一択となっている。

トヨタのアドバンストドライブ(渋滞時支援)は、アルファード、ヴェルファイア、ヴォクシー、ノア、クラウン、クラウン(エステート・クロスオーバー、スポーツ)、ランドクルーザー250、センチュリー、MIRAI、bZ4Xに設定されている。

スバルは、レイバック、クロストレック、レヴォーグ、フォレスター、WRX S4にオプション設定されている。全車種の半分ほどだ。やはり、渋滞時限定ハンズオフの方が横展開は容易なようだ。

口コミは各社とも概ね良好

口コミについては、トヨタ、日産、スバルいずれのメーカーのハンズオフも、「高速道路走行が楽になった」「安心して運転できる」といった称賛の声が大勢を占める。一部、「カーブに弱い」などの評価もうかがえるが、主観の域を脱しておらず、口コミからは明らかな差異は見受けられなかった。

ホンダのサンロクマルは現状ほとんど実車が出回っていないため、今後どのような反応が寄せられるか注目だ。

ランキング1位は……

総合的に考えると、ハンズオフ機能のランキングは以下の通りとなった。

  • 1位:日産「プロパイロット2.0」
  • 2位:ホンダ「Honda SENSING 360+」
  • 3位:スバル「アイサイトX」
  • 4位:トヨタ「アドバンストドライブ(渋滞時支援)」

日産のプロパイロット2.0は全車速対応のハンズオフで、搭載車種もミドルクラスを対象としている点が大きい。フラッグシップ限定の特別な機能ではなく、普及レベルに落とし込んでいる証左だ。

ホンダのサンロクマルは実装が始まったばかりの段階で未知の部分が多いが、機能面はおそらくプロパイロット2.0クラスで、今後の展開への期待も高い。

高額ではあるものの、やはり全車速に対応した機能の方が優位であることは間違いない。渋滞時限定では、どうしても利用シーンが限られてしまうためだ。

3位と4位の差を分けたのは、上限速度だ。アイサイトXは時速50キロまで、アドバンストドライブ(渋滞時支援)は40キロまでとなっている。どちらも多車種展開している点は好感が持てるが、やはり実用域の速度に対応してほしいところだ。

ランキング参考外:テスラは別格?

あえてテスラはランキングから外したが、それは格が違うためだ。テスラは米国で一般道におけるレベル2+を実現しているが、これは国内メーカー各社が本気を出して実装を急いだとしても、早くとも3年かかる水準の技術と言える。

日本国内では、テスラのAutopilotやFSDは「なんとなくレベル2」水準で、ハンズオフ運転はできないが、2025年8月、日本でFSD(Supervised)の技術テスト走行や学習を本格化させたことを発表している。左側通行、右ハンドルなど交通環境が異なるが、諸課題をクリアするのは時間の問題とも言える。

テスラが本格的に日本の道路交通に対応すれば、ランキング1位は間違いなくテスラの座に渡るだろう。

■【まとめ】国内では日産がやや優勢も一進一退の状況

国内では、Toyota Safety SenseやProPILOTといった初期パッケージが標準化し、レベル2+を意識した上位パッケージの拡大期を迎え始めている印象だ。

国内では、トヨタと日産、ホンダが高速道路の制限速度に対応したハンズオフを実現しているが、新車で対応しているのは現在日産セレナとアリア、ホンダのアコードe:HEVのみと思われる。トヨタはおそらく休止中で、ホンダはこれから……といった感じだ。日産ProPILOT2.0が先行している状況と言えるが大差はなく、一進一退の情勢となっている。今後、普及技術としてどこまで量産モデルに落とし込めるかがカギとなりそうだ。

海外では、北米勢が強い。テスラは言うまでもなく、GMやフォードもフリーウェイ限定ながら制限速度を満たすハンズオフを展開している。中国勢もハンズオフの搭載に力を入れており、レベル3の解禁を待つ動きも顕著となってきた。

道路環境が異なるため単純に海外とは比較できないが、ハンズオフなどの高度な運転支援システムは自動運転に直結する技術となる。国内各社のさらなる開発と躍進に期待したい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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