自動運転関連の主な展示会・イベント(2023年最新版)

CESやCEATECを含め一挙紹介



出典:CESプレスリリース

世界各地で開発と実用化が進む自動運転。次々と最新技術やソリューション、製品が登場し、イノベーションの波を起こし続けている。

こうした最新情報を入手するには、展示会への参加が近道だ。自社技術をPRしたい企業が一堂に会しているため、足を運ぶだけで最新技術に触れることができる。


この記事では、自動運転関連の国内外の展示会・見本市・イベントを紹介する。

■オートモーティブワールド(自動運転EXPO)
自動運転EXPOなど次世代モビリティの一大展示会

見本市主催事業を手掛けるRX Japanが2009年から開催している次世代モビリティの一大展示会。カーエレクトロニクス技術展をはじめ、時代に合わせて構成展を追加し内容を充実させている点が特徴だ。

現在1月・9月の東京展や10月の名古屋展、オンラインの年4回開催しており、2023年はカーエレクトロニクス技術展、EV・HV・FCV技術展、クルマの軽量化技術展、コネクティッド・カーEXPO、自動車部品&加工EXPO、自動運転EXPO、MaaS EXPOの各構成展が開催される。

2023年1月の東京展には、同時開催展含め国内外から1,420社が出展したという。来場者数は、コロナ禍にもかかわらず3日間で計約7万5,000人を数えた。


自動運転EXPOは2018年にスタートした。国内初となる自動運転の専門展で、自動運転やADAS開発に必要なセンサーやレーダー、AI(人工知能)、半導体、カメラ、ダイナミックマップなどが出展されている。

2023年1月の東京展では、自動運転技術・ソリューションに関する展示は165点に達した。マクニカの遠隔運行管理システムや自動運転車載開発ソリューション、東海理化の遠隔操作用・車内操作用コントロールユニット、アナログ・デバイセズの画像伝送インターフェース、東海理化の車外監視システム、シリコンスタジオの自動運転開発向け走行・ドライビングシミュレーター、菱電商事の仮想空間技術、マップフォーの3次元点群作成ソフトウェアや三次元マッピング向けデータ計測システム、AEyeのインテリジェント・センシング・プラットフォーム、岡谷鋼機の自動搬送サービス(eve auto)など、非常に多彩なソリューションが一堂に会している。

2024年には、新たに車載ソフトウェアに関するソリューションが集結する「SDV EXPO」も追加される見込みだ。

【参考】オートモーティブワールドについては「世界の最新CASE技術が集結!オートモーティブワールド開催 自動運転やコネクテッド技術」も参照。


■人とくるまのテクノロジー展
自動車技術会主催、自動運転テーマの企画展も

自動車関連の技術展としては長い歴史を誇る「人とくるまのテクノロジー展」でも、自動運転関連技術が多く紹介されている。公益社団法人自動車技術会が1992年から横浜市で開催しており、2014年からは名古屋でも開催している。

コロナ禍における中止を経て3年ぶりに開催された2022年は、横浜開催に484社・1,055ブースの出展があり、約4万3,000人が来場した。名古屋開催では165社・406ブースが出展され、約1万6,000人が来場している。

オンラインを含む展示では、東陽テクニカが撮影時とは異なるカメラ視点・角度からの映像に変換して再生することができる映像再生ソフトウェアやTrue-solid-state型マルチビーム方式のLiDAR、C-V2Xに対応したV2Xエミュレータなどを発表したほか、ボッシュが自動バレーパーキングをはじめとしたADAS・自動運転ソリューションを紹介している。

名古屋開催では、アイサンテクノロジー協力のもと自動運転デモ車の試乗体験が行われたほか、オンラインステージではティアフォーによる録画講演も配信された。

また、自動運転をテーマに据えた中部支部の企画展示も行われたようだ。自動運転技術を「認知」「判断」「通信」「地図」のカテゴリーに分け、各技術の定義や技術領域、各国の開発状況、それを活用した社会像などを示したという。

【参考】人とくるまのテクノロジー展については「名古屋で7月17〜19日!人とくるまのテクノロジー展2019 自動運転やMaaS関連の講演も」も参照。

■東京モーターショー(JAPAN MOBILITY SHOW)
モビリティの枠を超えJAPAN MOBILITY SHOWに進化

1954年に始まった「全日本自動車ショウ」を起源とする「東京モーターショー」。1964年に東京モーターショーに名を変え、1973年から隔年開催を続けている。世界5大モーターショーにも数えられる有数の展示会となっており、会期中には100万人超が来場する。一般社団法人日本自動車工業会が主催している。

最新の自動車モデルや関連技術・デザインの展示が主体だが、コンセプトモデルなど未来を見越した次世代モビリティとして自動運転コンセプトが発表されることも多い。

東京モーターショー2019では、トヨタが「e-Palette」や「LQ」、ダイハツが「ICOICO」、スズキが「HANARE」など、自動車メーカー各社が自動運転コンセプトを披露した。

また、三菱電機がローカルマップで自動運転可能な実証モデル「xAUTO」や新たなコンセプトキャビン「EMIRAI S」などを発表したほか、日立Astemoは自動運転システムコーナーを設置し、ODD(運行設計領域)拡大に向けたセンサーフュージョン技術や自動運転ECUなどを紹介したようだ。

海外勢では、独コンチネンタルがCASE時代のタイヤ「Conti C.A.R.E.(コンチ・ケア)」と「ContiSense (コンチ・センス)」を展示している。

4年ぶりの開催となる2023年は、「JAPAN MOBILITY SHOW」と改名し、モビリティの枠を超え他産業やスタートアップなど新しい仲間を交えて開催する。従来以上に自動運転をはじめとした先端技術が集結する展示会へと進化しそうだ。

【参考】東京モーターショーについては「三菱電機、東京モーターショーでMaaSや自動運転関連の展示」も参照。

■CEATEC
自動運転実証や自動配送ロボット展示なども

テクノロジーの総合展「CEATEC」にも、自動運転技術が登場することは珍しくない。同展はエレクトロニクスショーとCOM JAPANを統合する形で2000年にスタートした。主催は一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)で、近年は「Society 5.0の総合展」として位置付けられているようだ。

CEATEC2019では、スマートモビリティイノベーション企画としてBOLDLY協力のもと自動運転車の乗車体験が開かれるなど、モビリティ関連が目玉となった。

最新のCEATEC2022には562社が出展し、来場者数は4日間で8万人を超えた。ソニーグループが「VISION-S 02」を展示したほか、京セラは路車協調システムや独自開発のセンサー・制御システムを搭載した自動配送ロボットなどを発表したようだ。

また、スタートアップ&ユニバーシティ部門では、Piezo Sonicの搬送用自律移動ロボット「Mighty-D3」がグランプリに輝いている。

■CES
世界最高峰のテクノロジー見本市

毎年年初に米ラスベガスで開催されている世界最大級の電子機器の見本市。世界で最も影響力のある技術イベントとされており、自動運転関連の最新技術の発表をCESで行う企業も多い。CES2023には3,273社が出展しており、スタートアップも1000社超が参加したという。

自動運転関連技術は目玉の1つとなっており、「CES 2023イノベーションアワード」受賞者だけでも、Ekin Smart City Technologyの自動運転車「Ekinoto」、EVARの自律型 EV 充電ロボット「Parky」、GlüxKind Technologiesのインテリジェント ベビーカー「Ella」、John Deereの完全自律型トラクター、LeddarTech のセンサースイート「LeddarVision」、Mars Autoの貨物トラック用に設計された自動運転システム「Mars Pilot」、Neural Propulsion Systemsの自動運転ソリューション「NPS AtomicSenseプラットフォーム」、Neubilityの自動配送ロボット「Neubie」、WHILLの自動運転車いす「Autonomous Model A」、Arbe の 全方位知覚システム「360° Radar-Based Perception」など、挙げればキリがないほどだ。

CES2023では、トヨタ紡織も自動運転時代を想定した車室空間コンセプト「MX221」と「MOOX」を出展したほか、ソニー・ホンダモビリティも新ブランド「AFEELA」のプロトタイプを初披露している。

■その他
Autonomous Vehicle Tech Expo

ドイツで毎年開催されている自動運転関連の展示会。2023年はAImotiveやOuster、Robosenseなど世界各国から150超の企業が参加予定という。日本関連では、Radar & LiDARに特化したリアルタイム高速可逆圧縮ソリューションなどを有するカタナコーポレーションや、浜松ホトニクスのドイツ法人などが参加するようだ。

AUTONOMY MOBILITY WORLD EXPO

フランスでは、毎年3月にAUTONOMY MOBILITY WORLD EXPOが開催されているようだ。2023年は、MoovitやEasyMileなど200社超が参加するという。

■【まとめ】展示会で自動運転技術に触れてみよう

国内ではオートモーティブワールドや人とくるまのテクノロジー展、CEATEC、モーターショーなどが自動運転関連の展示会の代表格のようだ。こうした展示会に足を運ぶことで自動運転の最前線に触れることができる。イベントによっては乗車体験なども実施している点も魅力だ。

CESに代表される海外展示会は容易に足を運ぶことができないが、展示会によっては公式サイトで各企業のブースを紹介しているケースもあり、最新動向を知ることができる。浮上してきたばかりのスタートアップなども多く、情報の宝庫と言えそうだ。

【参考】関連記事としては「自動運転はどこまで進んでる?(2023年最新版)」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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