空飛ぶクルマの価格・値段は?(2022年最新版)

1000万円強のモデルも登場



出典:New Future Transportation公式サイト

空の移動に革命をもたらす「空飛ぶクルマ」の開発が盛んだ。一部では試験的な実用化が始まっているほか、予約販売を開始する動きも活発になり始めている。未来感漂う新たなエアモビリティだが、気になるのはその値段だ。

この記事では、eVTOL(電動垂直離着陸機)をはじめ、空陸両用モデルなどをピックアップし、仕様や販売価格などを紹介していく。







■EHang「EH216」:33万6,000ドル(約4,800万円)
出典:EHang公式サイト

中国EHangはeVTOL「EH216」の販売で豊富な実績を持つ。機体価格は2020年時点で33万6,000ドル(約4,800万円 )となっている。各種報道によると、2020年に納入した岡山倉敷水島航空宇宙産業クラスター研究会(MASC)は約3,000万円で購入したという。

EH216は2人乗りで、時速130キロ、航続距離35キロとなっている。

▼EHang公式サイト
https://www.ehang.com/index.html

■New Future Transportation「ASKA」:78万9,000ドル(約1億1,300万円)
出典:New Future Transportation公式サイト

米New Future Transportationは空陸両用のeVTOL「ASKA」の開発を進めている。すでに個人向けの予約も受け付けており、78万9,000ドル(約1億1,300万円)となっている。

ASKAは4人乗りで、動力はハイブリッド仕様となっている。最大時速240キロで、航続距離400キロを実現する見込み。2026年までに納入予定としている。

▼New Future Transportation公式サイト
https://www.next-future-mobility.com/

■Samson Sky「Switchblade」:17万ドル(約2,400万円)
出典:Samson Sky公式サイト

eVTOLではないが、道路の走行と飛行を両立したまさに空飛ぶクルマと言える「デュアルパーパスビークル」を開発している米Samson Skyの「Switchblade」も紹介しておく。

改造エンジンを搭載し、陸路では3輪ながら時速160キロで高速道路を走行することができる。格納式の翼と垂直尾翼を展開することで飛行モードに移行し、滑走路から飛び立つこともできる。飛行時は最大時速305キロで、航続距離は724キロという。

購入者が自分で組み立てるキット販売を計画しているのも特徴で、組み立てには約2,000時間を要するという。Builder Assistプログラムも提供する。

晴天化で飛行できるVFR(Visual Flight Rules/有視界飛行方式)モデルは17万ドル(約2,400万円)から、IFR(Instrument Flight Rules/計器飛行方式)モデルは19万5,000ドル(約2,800万円)からとなっている。

耐空証明もすでに取得しており、組み立てラインは初飛行から22カ月後に完成するという。予約は2,000件を超えている。

▼Samson Sky公式サイト
https://www.samsonsky.com/

【参考】Samson Skyについては「3分で「空飛ぶクルマ」に変身!米Samsonが耐空証明取得」も参照。

■Jetson「Jetson ONE」:9万2,000ドル(約1,300万円)
出典:Jetson公式サイト

スウェーデンのJetsonは、小型軽量なeVTOL「Jetson ONE」の予約を開始している。価格は頭金含め9万2,000ドル(約1,300万円)と格安だ。

Jetson ONEは1人乗りで、最大時速108キロで20分間飛行することができる。航続距離は36キロに相当する。機体は折り畳み可能で、幅90センチまで縮めることができるほか、重量はわずか86キログラム と群を抜いて軽い。

レクリエーション用途などの超軽量航空機(Ultralight)に分類されるものと思われ、米国などでは操縦者免許は不要のようだ。

▼Jetson公式サイト
https://www.jetsonaero.com/

■AeroMobil「AM 4.0」:120万~160万ドル(1億7,000万~2億3,000万円)
出典:AeroMobil公式サイト

スロバキアのAeroMobilは、空陸両用の空飛ぶクルマ「AM 4.0」の開発を進めている。翼を展開し、滑走路から飛行するモデルだ。

AM 4.0は2人乗りで、走行速度160キロ、飛行速度は260キロに達する。地上は1,000キロ、空は740キロ飛行できるようだ。2023年中の納入を目指しており、価格は120万~160万ドル(1億7,000万~2億3,000万円)ほどという。

すでに4人乗りの次世代モデル「AM NEXT」の開発も進めており、こちらは2027年発売を計画している。

▼AeroMobil公式サイト
https://www.aeromobil.com/

■PAL-V「Liberty Pioneer Edition」:75万ドル(1億700万円)
出典:PAL-V公式サイト

オランダのPAL-Vは、道路を走行可能な空飛ぶクルマ「Liberty」の開発を進めている。Libertyは3輪で1,300キロを走行可能なほか、翼を展開することで400~500キロを飛行することができる。

90台限定の最初の生産バージョン「PAL-V Liberty Pioneer Edition」は、日本市場向けの場合75万ドル(1億700万円)となっている。また、その後に続くスポーツエディション「Liberty Sport」は低価格化が図られ、49万9,000ドル(約7,100万円)を予定している。

▼PAL-V公式サイト
https://www.pal-v.com/en/

■Lilium「Lilium Jet」:450万ドル(約6億5,000万円)?
出典:Lilium Jet公式サイト

独Liliumは、2021年のナスダック上場時に提出した資料の中で、eVTOL「Lilium Jet」の初期費用を250万ドル(約3億6,000万円)と見積もっている。Lilium Jetはパイロット含め7人乗りで、時速280キロで250キロを航行することができるという。

ブラジルの大手航空会社Azulと交わした大型契約では、2025年までに220機を最大10億ドル(契約時約1,100億円)で販売するとしている。単純計算となるが、1機あたり450万ドル(約6億5,000万円)となる。

機体そのものの費用以外も含まれている可能性が高いが、7人乗りの移動サービス用途となるため、1機あたりの価格も比較的高いものとなっているのかもしれない。

▼Lilium Jet公式サイト
https://lilium.com/

■Archer Aviation「Maker」:500万ドル(約7億2,000万円)?
出典:Archer Aviation公式サイト

Lilium同様、米Archer Aviationも大型契約を交わしている。2021年2月の発表では、米ユナイテッド航空が最大200機を10億ドル(契約時約1,100億円)で購入するという。こちらも単純計算だが、1機あたり500万ドル(約7億2,000万円)に相当する。

Makerは2人乗りで、時速約240キロで100キロ航行することが可能という。2023年にも生産開始する予定だ。

▼Archer Aviation公式サイト
https://www.archer.com/

【参考】Archer Aviationについては「米航空大手、空飛ぶクルマに1,000万ドルの事前支払い」も参照。

■Vertical Aerospace「VX4」:400万ドル(約5億7,000万円)?
出典:Vertical Aerospace公式サイト

英Vertical Aerospaceは、アメリカン航空やヴァージンアトランティック航空など複数社と契約を交わしており、最大1,000機の受注で契約額は最大40億ドル(契約時約4,400億円)に上るという。1機あたり400万ドル(約5億7,000万円)の計算となる。

VX4はパイロット含め5人乗りで、時速約320キロで160キロ航行可能という。

▼Vertical Aerospace公式サイト
https://vertical-aerospace.com/

■SkyDrive「SD-03」:3,000万~5,000万円?将来は200万円程度に?
出典:SkyDrive公式サイト

空飛ぶクルマ開発を手掛ける国内スタートアップのSkyDriveは、有人飛行試験に活用しているモデル「SD-03」や、陸路の走行と飛行を両立するコンセプトモデル「SD-XX」などの開発を進めている。

有志団体「CARTIVATOR」時代は、2026年に先進国向けモデルの量産を開始する目標を掲げており、報道によると1台2,000万円台を想定していたという。現在は2025年開催予定の大阪・関西万博での実用化を目指しており、2028年ごろに市販化を開始する計画だ。各種報道によると、価格は3,000~5,000万円という。

また、バラエティ系のテレビ番組の取材によると、2030年代に一般家庭への普及を目指す方針で、最終的には1台200万円程度で販売する見込みという。コンパクトカー並みの驚くべき価格帯だ。

自動運転機能を搭載し、誰もが自家用として気軽に利用できる未来には、空飛ぶクルマも既存の自家用車のような位置付けになるのかもしれない。

▼SkyDrive公式サイト
https://skydrive2020.com/

■A.L.I.Technologies「XTURISMO Limited Edition」
出典:A.L.I. Technologiesプレスリリース

日本のA.L.I.Technologiesは、空飛ぶクルマならぬ「空飛ぶホバーバイク」の開発を手掛けており、「XTURISMO Limited Edition」の予約も2021年から受け付けている。国内価格は7,700万円で、海外は77万7,000ドル(約1億1,000万円)に設定されている。

最高時速80キロで、航続時間は30~40分という。北海道日本ハムファイターズの新庄剛志監督が2022年のホーム開幕戦のセレモニーで「XTURISMO」に乗って登場するなどし、注目度は高まる一方だ。

【参考】関連記事としては「日本の「空飛ぶホバーバイク」開発企業、米市場で上場へ」も参照。

■【まとめ】空飛ぶクルマは超がつく高級車クラス?

一部1,000万円強の格安モデルもあるが、多くは数千万円から1億円超となっている。企業向けの大型受注モデルは数億円レベルで取引されている可能性もあるようだ。印象としては、超がつく高級車クラス……といった感じだろうか。

参考までに、ヘリコプターは安いモデルで数千万円、高いモデルは数十億円となっている。開発・市販化が始まったばかりの空飛ぶクルマは量産販売に適しており、量産化とともに低価格化が見込まれる。将来的には、ヘリコプターなど既存モデルとの価格差も開いていきそうだ。

自動運転機能が実装され、個人がパーソナル用途で気軽に所有・飛行できるころには、その価格水準はどのようなものとなっているのか。来るべき未来が楽しみだ。

【参考】関連記事としては「空飛ぶクルマとは?」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)









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