そらとぶタクシー株式会社(本社:大阪府大阪市/代表取締役社長:寳上卓音)はこのほど、2040年までに韓国製のハイブリッドeVTOL(電動垂直離着陸機)を50機購入することを発表した。eVTOLはいわゆる「空飛ぶクルマ」のことだ。
購入するのは韓国でハイブリットeVTOLの機体製造を行うPLANA(プラナ)の機体で、1機あたり700万ドル(約10億円 ※6/6時点のレート)だという。これを50機購入するので、約500億円になる計算だ。
■2030年までに10機、2040年までに40機
そらとぶタクシーは、大宝タクシー株式会社がエアタクシー事業「Sky Taxi」の商用運航を目指し、2022年5月に設立した。大宝タクシーは2026年に創業100年を迎える、大阪に現存するタクシー会社で最も歴史の古い老舗タクシー会社だ。
そらとぶタクシーは、2025年に開催される大阪・関西万博にあわせ、Sky Taxiを開始する予定だ。最終的なゴールはSky Taxiの一般インフラ化で、2031年までには富裕層だけの乗り物ではなく、大衆の移動手段として活用することを目指している。
そんな同社が購入を決めたのは、PLANAが現在開発中の6人乗りハイブリッドeVTOL「CP-01」だ。電気と燃料のハイブリッド方式により、航続距離約500キロを実現するという。2030年までに10機、2040年までに40機の合計50機を購入し、購入した機体は運航に用いるだけでなく、日本国内で販売も行う予定のようだ。
またそらとぶタクシーとPLANAは、AAM(Advanced Air Mobility)の開発・運航に関する覚書を締結し、将来的には国際線の運航も目指すことも発表した。
■空での事業に乗り出すタクシー会社に注目
そらとぶタクシーは現在、2025年の運航開始を目指し、パイロットの育成や新機材の導入、運航試験などを行っている。航路として予定しているのは、梅田や難波などの都心部と日本の観光地や関西国際空港、神戸空港を結ぶ路線だ。将来的には、韓国などへの国際線航路も見据えているという。
PLANAとの業務提携により、エアタクシー事業者のニーズに対応したAAM機や運航コンセプト、インテリアデザインの開発、市場分析、実証実験において協働し、日本のエアタクシーの先駆けとして普及に努めていくとしている。
地上を走るタクシー会社が、空飛ぶタクシーに挑戦する。eVTOLの大型購入の計画を発表したそらとぶタクシーに、今後も注目していきたい。
【参考】関連記事としては「空飛ぶタクシー、「日本最初の駅」は大阪港など3駅濃厚」も参照。