「空飛ぶタクシー」の開発を進めているイギリスのスタートアップ企業バーティカル・エアロスペース(Vertical Aerospace)社が2018年9月20日までに、サービス提供を2022年までに始めると発表した。まるで映画の中の話のようだが、混雑した道路を離れ、空の上を気軽に移動する時代が現実のものになりつつある。
バーティカル・エアロスペースは2016年にイギリスの都市ブリストルにて起業された。最高経営責任者(CEO)はF1チームの元オーナーでもあるSteven Fitzpatrick氏。ベテラン航空エンジニア28人をボーイングやエアバスなど大手航空会社から引き抜き、空飛ぶタクシーの開発を進めてきた。既にイギリス国内で試験飛行も実施し、約800キロを飛行することに成功している。
2022年のサービス提供時には、パイロットを同行させる有人飛行とさせる考えだ。これは同社が完全無人による飛行サービスを目指している一方で、無人で空飛ぶタクシーを運営する場合にはイギリスの航空規則の大幅な変更を待たなければならないため、サービス提供時期に影響が出ると考えたためとみられている。万が一のシステム故障の場合でも、有人であれば対応がしやすいという側面もある。
バーティカル・エアロスペース以外にも空飛ぶ車や空飛ぶタクシー事業への参入を目指している企業がいくつかある。米ウーバーはアメリカ航空宇宙局(NASA)と研究パートナーシップを結び、空でのライドシェアサービスの提供を目指している。日本ではトヨタが2016年に空飛ぶ車のデザインで特許を申請しており、有志団体「Cartivator」も2020年の東京オリンピックでのお披露目を目指して、開発を進めている。
【参考】日本では経済産業省も空飛ぶクルマの実現を推進している。詳しくは「経済産業省、空飛ぶクルマの実現推進 官民で協議会設置へ CARTIVATORはオリンピックで聖火点灯へ|自動運転ラボ」も参照。
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— 自動運転ラボ (@jidountenlab) August 28, 2018